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【観戦記事】 第1回戦:藏田 真太郎(神奈川) vs. 冨澤 光信(岩手)

【観戦記事】 第1回戦:藏田 真太郎(神奈川) vs. 冨澤 光信(岩手)

By 矢吹 哲也

 先日行われたプロツアー『破滅の刻』にてトップ8に入賞し、一躍世界にその名を知らしめた藏田 真太郎。今大会でも早速フィーチャー・マッチに呼ばれた彼は、落ち着いた所作で今日のデッキをシャッフルしていた。今や多くのプレイヤーの注目を集める彼だが、勢いそのままに今大会も制し、日本のマジック・シーンを先導する新たなスターの誕生となるだろうか。

 一方の冨澤は、昨年のグランプリ・千葉2016でグランプリに初参加して以来のプレミア・イベント参加であるという。普段は競技の場に立たない彼だが、かつての日本選手権の記事は好きで読んでおり、いつかこの舞台に立つことを夢見ていた。

 そして日本選手権は復活開催され、彼はその夢を果たすことになった。

 プロツアー・トップ8入賞者とのフィーチャー・マッチという最高の形で。

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藏田(写真左)vs. 冨澤(写真右)。日本選手権2017の開幕を飾るのは、この両者だ。

それぞれのデッキ

 試合後、熱戦を繰り広げた両者に今回のデッキについて尋ねると、藏田の口から驚くべきひと言が飛び出した。

「いや、実は今日使おうとしていたデッキを忘れてしまって」

 昨晩まではプロツアーでも使用した「赤黒アグロ」を使用するつもりだった藏田だが、今日会場でバッグを開けると、そのデッキがないことに気づいた。

 とんでもないアクシデントだがしかし、彼はいたって前向きだ。

「元々『王神の贈り物』デッキも候補に入っていて、最後まで『赤黒アグロ』とどちらを使うか悩んでいました。まあ最後に決断した方とは違ってしまいましたが、功を奏すればいいかな、と」

 そういうわけで、藏田のデッキはジェスカイ3色の「王神の贈り物」だ。

 対する冨澤は、現環境の速度に合わせ「赤青コントロール」を選択した。大振りな呪文が鍵となる藏田の「王神の贈り物」デッキに対しては有利にゲームを進められると思われるが、終盤の粘り強さも「王神の贈り物」デッキの怖さだ。

ゲーム展開

 先に動いたのは藏田。1ターン目に《査問長官/Minister of Inquiries(KLD)》を繰り出すと、冨澤はそこへ《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》を撃ち込み除去する。しかしその後、藏田は《スレイベンの検査官/Thraben Inspector(SOI)》を3枚続けて展開!

極めて使い勝手の良いこのカードは、最後まで環境の中心に居続ける。

 序盤の盤面を握った藏田はさらに《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai(KLD)》を加え、アドバンテージ差を広げにかかった。しかしここで、冨澤の《破滅の刻/Hour of Devastation(HOU)》が藏田の盤面すべてを薙ぎ払う!

 手掛かり・トークンを生け贄にしてドローを進めながら、藏田は《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》で盤面を立て直し始めた。続く藏田の攻撃に対し、冨澤は《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》で受け止める。

 2枚目の《査問長官/Minister of Inquiries(KLD)》と《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》を展開した藏田だが、《査問長官/Minister of Inquiries(KLD)》は《削剥/Abrade(HOU)》で葬られ、さらに冨澤が放つ《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》はアドバンテージの優位をひっくり返した。

 《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》による攻撃を2度受け、藏田の残りライフは10点。盤面を盛り返そうと《発明の天使/Angel of Invention(KLD)》を唱えた彼だが、しかし《検閲/Censor(AKH)》と2枚目の《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》がこのゲームに蓋をしたのだった。

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経験の少ない競技の舞台でも落ち着いて勝利を手繰り寄せる冨澤。

 第2ゲーム、冨澤は初手を見るなり「マリガン」と発声。6枚の手札でキープすると、占術で見たカードもライブラリーの底へ送った。

 藏田は再び1ターン目《査問長官/Minister of Inquiries(KLD)》からゲームを始め、今度はそれを盤面に残すことができた。続けて3ターン目に《機知の勇者/Champion of Wits(HOU)》を繰り出すと、4ターン目には《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を唱える。

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アクシデントに見舞われながらも、藏田のプレイに動揺は見られない。

 しかしこれは冨澤の《不許可/Disallow(AER)》を受けて着地せず。それでも《査問長官/Minister of Inquiries(KLD)》の能力で藏田の墓地は十分に肥えており、彼はさらに《スレイベンの検査官/Thraben Inspector(SOI)》を盤面に加えて攻め込む。

 しかし冨澤が放った《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》を《否認/Negate(M11)》で対処した藏田だが、続く《ヒエログリフの輝き/Hieroglyphic Illumination(AKH)》は対処できず。手札を充実させた冨澤は、ここから反撃に出る。

 藏田の攻撃で残りライフ10点となった冨澤。続く藏田の《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai(KLD)》に対応して《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》を放つと、引き込んだ《否認/Negate(AER)》でそれを打ち消した。返しのターンに《氷の中の存在/Thing in the Ice(SOI)》と《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast(BFZ)》を盤面に展開し、藏田が《復元/Refurbish(KLD)》から繰り出した《王神の贈り物/God-Pharaoh's Gift(HOU)》にも《削剥/Abrade(HOU)》を当てる。

 迎えたターン、冨澤はドラゴン・トークンを生成するとターン・エンド。藏田は《発明の天使/Angel of Invention(KLD)》を展開し、クリーチャーを横に広げる。しかし冨澤はさらなる《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》を放ち、ドラゴン・トークンによる盤面のアドバンテージに加えて手札のアドバンテージも掌握した。

 意を決して攻撃に向かった藏田だが、ドラゴンが大きな壁となって立ちはだかる。冨澤のライフは残り8点だが、それを削り切るのはあまりにも難しい。

 その後2枚目の《王神の贈り物》が再び《削剥/Abrade(HOU)》を受けると、藏田は「負けました」とカードを片付けたのだった。

藏田 0-2 冨澤

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