マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【観戦記事】 第11回戦:古き良き「ザ・ロック」に幸運をJosh Utter-Leyton(アメリカ) vs. Craig Wescoe(アメリカ)

【観戦記事】 第11回戦:古き良き「ザ・ロック」に幸運をJosh Utter-Leyton(アメリカ) vs. Craig Wescoe(アメリカ)

authorpic_nateprice.jpg

Nate Price / Tr. Tetsuya Yabuki

2013年8月1日

原文はこちら

ジョシュ・アター=レイトン/Josh Utter-Leyton(「The Rock」) vs. クレイグ・ウェスコー/Craig Wescoe(黒白トークン)

 世界選手権スイス・ラウンドもあとふたつを残すのみとなったこの試合は、携わるプレイヤーにとって非常に大きな意味を持つ。ここまで6勝4敗で並ぶクレイグ・ウェスコーとジョシュ・アター=レイトンは、今大会のトップ4入りまで手を伸ばせば届く距離にいた。ブライアン・キブラー/Brian Kiblerの敗戦により、この試合の勝者がトップ4の座を確保することになっているのだ。同時に敗者はビューイング・ルームでキブラーと再会し、大スクリーンでトップ4の試合を観戦することになる。

 ジョシュ・アター=レイトンのジャンドを彷彿とさせる黒緑デッキと、ウェスコーの操る黒白トークンは熱戦を繰り広げた。ウェスコーのデッキリストを眺めるアター=レイトンがその見事な出来にひと言漏らすと、ウェスコーは小さく笑顔を見せた。

「このデッキに決めたのは、相手によって有利不利が出なかったからさ」と、ウェスコー。「もしよかったら、白ジャンドと呼んでくれてもかまわない」


第11回戦、殿堂顕彰者ブライアン・キブラーがベン・スターク/Ben Starkを相手に敗戦を喫し、ジョシュ・アター=レイトンとクレイグ・ウェスコーの両者は、マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2013のトップ4へ滑り込むチャンスを得た。

試合

 第1ゲームは《情け知らずのガラク》がすべてを持っていった。1ターン目《コジレックの審問》でアター=レイトンの手札を確認後、ウェスコーは強力なプレインズウォーカーを《思考囲い》で手札から抜いてしまうのではなく、《潮の虚ろの漕ぎ手》で軽く閉じ込める方を選択した。マナ・カーブに沿った動きではあるものの、彼は先ほどの《コジレックの審問》でアター=レイトンの手札に《四肢切断》があるのを見ていて、これでは《潮の虚ろの漕ぎ手》はすぐに除去されてしまうのを知っていたはずだ。

「《潮の虚ろの漕ぎ手》で除去を抜くはずだったんだ」試合後、ウェスコーはそのときの計画を話してくれた。「《情け知らずのガラク》に漕ぎ手を除去させるつもりだった。ガラクの忠誠度が1になれば、あとはトークンの攻撃で楽に倒せる。それに、2/2の狼よりは1/1の方がずっと対処しやすかったから。運がなかったのは、漕ぎ手をプレイして手札を覗くと、そこに2枚目の除去があったことだ。《思考囲い》を使わなかったことをちょっと悔やんだかな。でも適切なプレイだったと思っているよ」

 アター=レイトンも頷いた。


ウェスコーの張りは正しかったが、不運にもそれが報われることはなかった。

 結果的に、《情け知らずのガラク》は3ターン目にアター=レイトンの側へ降り立ち、ウェスコーのデッキが対応できる速度を超えてトークンを量産し始めた。ウェスコーは《幽体の行列》による3体のスピリット・トークンで攻撃を通そうとしたが、アター=レイトンが《突然の衰微》で1体を除去し、《情け知らずのガラク》は戦場に留まり、変身した。アター=レイトンの生み出すトークンのサイズが小さくなったものの、ウェスコーは盤面の不利を感じ取っていた。土地も足りず、アター=レイトンの狼トークンと《樹上の村》にサイズでも負け、ウェスコーは少しずつ敗北に追い込まれていった。解答を得られないウェスコーは、カードを片付けた。

 第2ゲームはおよそゲームとは呼べなかった。アター=レイトンがキープした手札は《森》、《地盤の際》、《突然の衰微》、《コジレックの審問》、《大渦の脈動》、《タルモゴイフ》、《闇の腹心》の7枚で、まず《タルモゴイフ》は出せて、それからデッキに入っている中で一番枚数の多い黒マナ源を1枚でも引けば他のすべてが使える、という手札だった。アター=レイトンはこの賭けに負けたのだ。黒マナ源どころか3枚目の土地自体引き込めず、一方のウェスコーはマナ・カーブ通りの完璧な動きを見せ、彼のクリーチャーの軍勢がゲームを終わらせた。

「マリガンもやむなしだったんでしょうか」アター=レイトンが言う。「ただ、マリガンしても、もうこの手は引けないと思います。3ターン目に黒マナ源を引くだけでよかった。それだけで完璧だったのに」


アター=レイトンの「The Rock」デッキは、様々なデッキが溢れるこのフォーマットへ切り込み快挙を達成できるだけの力を持っている。

 最終ゲームは第1ゲームを影で支えた《樹上の村》が決定的だった。第1ゲームでは、《樹上の村》が攻撃を支援し、6点のダメージを稼いで勝利に貢献した。この最終ゲームでは、さらにその活躍の場を広げたのだ。アター=レイトンは序盤の攻め手に欠き、戦場には《死儀礼のシャーマン》を連続で送り込み、余ったマナを《樹上の村》に使ってウェスコーのライフを奪っていった。《死儀礼のシャーマン》には、ウェスコーに軍勢を強化する《未練ある魂》の使用を躊躇させるという第二の狙いがあった。不本意ながら、ウェスコーは《未練ある魂》という強力なソーサリーを使う前に《死儀礼のシャーマン》を対処するため、《流刑への道》を2枚撃ち込むまで待ち、墓地のカードを半分ほど燃料にされるのを受け入れた。

 不幸なことに、ウェスコーが軍勢を送り込むたび、アター=レイトンにそれを蹴散らされた。《幽体の行列》には《大渦の脈動》を合わせられ、ようやく使えた《未練ある魂》も《蔓延》ですべてを失った。《蔓延》は《潮の虚ろの漕ぎ手》で封じていたものだが、アター=レイトンが完璧なタイミングで《四肢切断》を引き込み、《潮の虚ろの漕ぎ手》を除去すると解放された《蔓延》で盤面を流した、というわけだ。そしてそのとき、《最後のトロール、スラーン》と2枚の《樹上の村》が、最終ゲームの始めから続けていた仕事を完遂したのだった。

アター=レイトン 2-1 ウェスコー

前の記事: 【英語記事】 Round 10: Honest Battles
Brian Kibler vs. Craig Wescoe
| 次の記事: 【英語記事】 Round 12: No Pressure
Reid Duke vs. Ben Stark

マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2013 一覧に戻る