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マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2014

トピック

『Vintage Masters』を現実に

小山 和志
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Blake Rasmussen / Tr. Masashi Koyama

2014年12月2日


 とある幻想がある。一連の噂、つまりウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、想像できる限りのカードがなんでも天高く積みあがるほどに入っている金庫室のようなものを持っている、というよく練られた話がそこかしこでまことしやかに信じられているのだ。その中で私たちがで泳いでいる様を想像しているものすらいるらしい。スクルージ・マクダック(訳注:参考)式に、我々が《Black Lotus》風呂に入浴し、自由奔放にアルファ版の《稲妻》をプレイテスト用カードとして使っているというのだ。

 悲しいことに、私の周りをベータ版の《モンスのゴブリン略奪隊》で埋め尽くすという計画は、このようにはいかなかった。このことが、典型的なMagic Onlineのみのフォーマットである『Vintage Masters』ドラフトを再現するという、ひとつの挑戦につながったのだ。《Black Lotus》をデジタルに再現することも大変だが、たった3ポッドで発生する全てのカードを全部見つけ出すこともまた大変なのだ。ここニースにおける世界選手権で用意したように。

 そうするために、外部筋に「一生のお願い」をして地球上で最も希少な、最も引っ張りだこのカードを借りることができないかを尋ねた。

 そして答えはイエスだった。

 簡単なことではなかった。『Vintage Masters』はいくつかの理由により、製品を現実世界で作成するには特有かつ困難な事情があったのだ。まず第一に、当然このセットにはパワー「《Black Lotus》、《Mox Jet》、《Ancestral Recall》とその他」が収録れており、もちろん、探し出すことが困難なのだ。

 2番目に、単純にあまり量が存在しない古いセットのいくつかのカードのレアリティが変わったというものだ。とりわけ古い『Starter』や、『ポータル』セットは、限られた量が、何年も前に初心者向けに刷られただけなのだ。例えば《ゴブリンの将軍》などは、コモンに落ちる前は、レアとアンコモンとして、より古く、より狭くしか供給されていない2つのセットに印刷されただけなのだ。

 最終的に、プレイと取材を簡単にするために、全種類のカードが同じアートで統一されることが必要になった。それはつまり、全ての《渦まく知識》や、全ての《Hymn to Tourach》、全ての《High Tide》もが見た目を統一されることを必要とした。マジックの長きに渡る歴史を考えれば、このことも試練となりえるのだ。

 しかし、これらの問題に対処し、カード源を確保するにあたって、Magic Onlineチームは、『Vintage Masters』がMagic Onlineのみのフォーマットであることを思い出したのだ。つまり、無作為に『Vintage Masters』100パックを作成し、それを作成するためにスプレッドシートの形で組織化プレイ名人(正式な肩書ではないよ)スコット・ララビー/Scott Larabeeに送ったのだ。

VMA1.jpg
見よ、これが現実世界の『Vintage Masters』だ!

 24名のプレイヤーが必要とするのは72パックなのになぜ100パックかって?

「我々が確保したかったのは、無作為化されたパックそれだけではなく、その配り方も同様に無作為化されることだったのだ」とララビーは語った。

 そして今度は、2日間に渡って深夜の会合が行われた。

「2人の人間が2日間夜中に4時間かけて、全てのカード集め、一度にひとまとめにしたのだ」とララビーは語った。「全てのカードを会議室のテーブルにレアリティとアルファベット順に広げた。おかげでうまく軌道に乗って作業が早く進んだよ」

VMA2.jpg
一度にひとまとめ...

 結果がどうなったかって? 超クールなフォーマットと甘美なおもてなしが、24名のプレイヤーのために今日ここに用意されたのだ。

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RESULTS

対戦結果 順位
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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