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【観戦記事】 第9回戦:Shahar Shenhar(イスラエル) vs. 山本 賢太郎(日本)

【観戦記事】 第9回戦:Shahar Shenhar(イスラエル) vs. 山本 賢太郎(日本)

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Adam Styborski / Tr. Takuya Masuyama

2014年12月3日

原文はこちら

 世界選手権連覇を果たした者は誰もいないが、王者達はベストを尽くしてきた。

 シャハール・シェンハー/Shahar Shenharは前回のアムステルダムで行われた若き(だが最年少ではない!)王者であり、最新のトップ25プレイヤー・ランキングの14位に位置している。6-2の成績で第9ラウンドを迎えて、彼はしっかりと自らの運命を支配している。構築ラウンドは控えているが、ここまで無敗だったランキング19位のパトリック・チャピン/Patrick Chapinに勝利し、そして残るドラフト・ラウンドを片付ければシェンハーは再びトップ4を狙える絶好の位置へとつけることになるだろう。

 対する山本賢太郎は世界王者になったことも、国別代表チーム入りしたこともない。しかし、このプロツアー『テーロス』トップ8プレイヤーは、今年見せた結果につながる傑出したシーズンを達成した。全体の獲得プロ・ポイント上位枠で招待されたプレイヤーの1人として、山本は元世界王者である世界ランキング9位の渡辺雄也、そして日本の獲得プロ・ポイント上位で招待された同25位の市川ユウキとの調整というさらなる恩恵にあずかった。ご存知ないかもしれないが、日本はマジックにおいて最も多くの世界王者を生み出している。

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世界ランキング14位のシャハール・シェンハーは二度目の世界王者争いへの加速の構えを見せた。しかし山本は静かにマジックへの熟練を示し、若き王者の勝利への追撃を許さない。

 山本はシェンハーと同じく6-2の成績につけ、ここから首位争いを抜けだそうという構えだ。

それぞれのデッキ

 シェンハーがドラフトしたのは正統派のマルドゥ・デッキで、《子馬乗り部隊》、《戦場での猛進》、そして《マルドゥの悪刃》などの優秀なパーツで構成されている。《はじける破滅》は彼の切り札のレアであり、最大のブロッカーを排除し、より多くのダメージが通るようにする助けとなる。

 一方の山本には考えがあった。白をドラフトすることを完全に避けたのだ。

「『タルキール覇王譚』では白をプレイしたくないですね」と山本は語った。「このドラフトでたくさん白いカードを見たけど、全部スルーしました。それでも勝てると僕は考えています」 山本のデッキは《ジェスカイの長老》、《牙守りの隊長》、《遠射兵団》、そして2枚の《増え続ける成長》を特徴とした堅実な青緑。赤をタッチしているのは唯一の赤いカードである《ティムールの魔除け》のためだ。

 何故白を避けるのか? 「白の強さを考えれば、それをやりたいプレイヤーはたくさんいると思います。僕がやりたいのは青緑みたいな不人気の色なんです。これは僕自身の経験から分かったことです。」

 経験は山本がリミテッドからもたらしたものだ。「『Vintage Masters』と『タルキール覇王譚』のどちらも自信があります。順調に来ていることにはかなり満足です。たくさん練習しましたしね」

ゲーム展開

 シェンハーの《マルドゥの悪刃》は、序盤に山本の《ジェスカイの長老》を効果的に足止めする方法をもたらした。シェンハーが4ターン目まで他にプレイしない間に、2体の変異が日本人プレイヤーの側に加わった。シェンハーの側には5マナで唱えた表向きの《峡谷に潜むもの》があったが、《鐘音の一撃》が山本の進路を切り開いた。

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山本の青緑タッチ《ティムールの魔除け》デッキは、一貫したマナ・バースによって極めて高速な動きを見せうるものになっている。

 しかしながら、全てが山本にとって良いことばかりではなかった。彼は《島/Island(INV)》3枚で止まってしまい、《牙守りの隊長》を唱えるための《森/Forest(9ED)》を見つける前に《増え続ける成長》をディスカードした。シェンハーはずっとブロックを拒み続け、ライフが5まで落ち込んだが《マルドゥの悪刃》をアンタップするマナを払うことができた。

 山本は次の攻撃を計算し、その軍勢を強化するために2枚目の《増え続ける成長》を使う。《牙守りの隊長》によって+1/+1カウンターがトランプルを与え、それで十分だった。

 2ゲーム目はシェンハーが先手だったが、2色目と3色目の土地が置けないでいた。しかし山本は5ターン目にシェンハーの《道の探求者》へ《鐘音の一撃》をプレイするまで他に何もプレイできず序盤につけいることができなかった。シェンハーが2色目のマナを得て《刃の隊長》を唱えると、山本は変異を戦場に加えた。

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シェンハーのデッキは強烈だったが、多くののデッキのように、機能させるためには土地が必要だった。

 《族樹の管理人》と《増え続ける成長》が相打ちするには大きすぎるアタッカーをシェンハーに突きつけたが、シェンハーは3色のマナを確保することによってデッキにより多くアクセスすることができるようになり、《停止の場》が5/4の《湿地帯の水鹿》を追放した。

 だがしかし、山本の《凶暴な殴打/Savage Punch》がシェンハーに残された最後のブロッカーに止めを刺した。

 「欲張ったキープをしちゃったな」 シェンハーは手を差し出した後に言った。

シェンハー 0-2 山本
Shahar Shenhar
世界選手権2014 / 『タルキール覇王譚』ブースタードラフト
7 《平地》
3 《山》
2 《血溜まりの洞窟》
2 《磨かれたやせ地》
2 《沼》
1 《風に削られた岩山》

-土地(17)-

2 《マルドゥの悪刃》
1 《アイノクの盟族》
1 《刃の隊長》
1 《マルドゥの頭蓋狩り》
1 《道の探求者》
1 《高峰のカマキリ》
1 《機を見た軍族朋》
1 《峡谷に潜むもの》
2 《子馬乗り部隊》
1 《アイノクの足跡追い》
1 《スゥルタイのゴミあさり》

-クリーチャー(13)-
1 《抵抗の妙技》
1 《停止の場》
1 《はじける破滅》
1 《マルドゥの隆盛》
1 《マルドゥの魔除け》
3 《戦場での猛進》
1 《残忍な切断》
1 《武器を手に》

-呪文(10)-
2 《花咲く砂地》
2 《果敢な一撃》
1 《縁切られた先祖》
1 《消去》
1 《殻脱ぎ》
1 《跳躍の達人》
1 《マルドゥの戦旗》
1 《ラッパの一吹き》
1 《従順な復活》
1 《包囲戦法》
1 《ケルゥの戦慄の大口》
1 《千の風》

-サイドボード(14)-
山本 賢太郎
世界選手権2014 / 『タルキール覇王譚』ブースタードラフト
8 《森》
6 《島》
1 《山》
1 《岩だらけの高地》
1 《急流の崖》

-土地(17)-

2 《族樹の管理人》
2 《高地の獲物》
1 《ジェスカイの長老》
1 《湿地帯の水鹿》
3 《高山の灰色熊》
1 《牙守りの隊長》
1 《遠射兵団》
1 《湯熱の精》
2 《長毛ロクソドン》

-クリーチャー(14)-
2 《鐘音の一撃》
1 《凶暴な殴打》
1 《ティムールの魔除け》
2 《龍鱗の加護》
2 《増え続ける成長》
1 《漂流》

-呪文(9)-
1 《血溜まりの洞窟》
1 《ジャングルのうろ穴》
2 《春の具象化》
1 《マルドゥの悪刃》
1 《殻脱ぎ》
1 《頑固な否認》
1 《射手の胸壁》
1 《鐘音の一撃》
1 《境界の偵察》
1 《ティムールの戦旗》
1 《吠える鞍暴れ》
1 《苦々しい天啓》
1 《マー=エクの夜刃》
1 《戦場での猛進》
1 《スゥルタイの占い屋》
1 《大牙コロッソドン》

-サイドボード(17)-

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