マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【観戦記事】 第13回戦:Patrick Chapin(アメリカ) vs. Shahar Shenhar(イスラエル)

【観戦記事】 第13回戦:Patrick Chapin(アメリカ) vs. Shahar Shenhar(イスラエル)

authorpic_joshbennett.jpg

Josh Bennett / Tr. Tetsuya Yabuki

2014年12月3日

原文はこちら

 現在世界ランキング9位のパトリック・チャピン/Patrick Chapinは、残り2ラウンドを残した今、あと1勝でトップ4入賞が決定する。その道に立ちはだかるのが、現在世界ランキング14位にして世界王者に君臨するシャハール・シェンハー/Shahar Shenharだ。

 両者はフィーチャー・テーブルに座ると、どちらが勝利を得るかと軽口を言い合った。

「1勝あげましょうか!」

「君があげるんじゃない、私が奪うんだ。まあ贈り物はもらっておくよ。ラッピング代わりに、ミスでもやらかしてくれ」

 両者はデッキリストを見比べ、チャピンの「アブザン・ミッドレンジ」よりシェンハーの「シディシ・ウィップ」の方が有利であると結論を出した。

r13_chapin_shenhar.jpg
シャハール・シェンハーとのマッチアップは厳しいものになるが、パトリック・チャピンはトップ4の座を確保すべく勝利を狙う。

ゲーム展開

 チャピンが《思考囲い》で先手を打ちシェンハーの手札を1枚抜き去ったが、シェンハーはマナ基盤を作ると《悪夢の織り手、アショク》を引き込み、早速それをプレイした。しかし能力を起動して忠誠度を5に伸ばしたものの、利用できるクリーチャーはいなかった。2枚目の《思考囲い》がチャピンの手札から放たれ、彼は《エレボスの鞭》を取り去って《血の暴君、シディシ》を残した。その後《オレスコスの王、ブリマーズ》を召喚し、ターンを渡す。

 シェンハーは《悪夢の織り手、アショク》の忠誠度を再び上げるが、これも空振り。続けて《血の暴君、シディシ》をプレイし、おまけにゾンビも追加した。チャピンの《オレスコスの王、ブリマーズ》がプレインズウォーカーに向かって攻撃。シェンハーはダブル・ブロックのリスクを回避し、猫・トークンの方だけを屠って《悪夢の織り手、アショク》の忠誠度を4に落とした。迎えたターンに《悪夢の織り手、アショク》がようやく《クルフィックスの狩猟者》を引き当てたものの、その頃にはチャピンは《英雄の破滅》を放つ準備ができていた。シェンハーは《オレスコスの王、ブリマーズ》を除去して6点のダメージを通すが、チャピンが防御を立て直すのも速かった。すぐさま《クルフィックスの狩猟者》と2枚目の《オレスコスの王、ブリマーズ》で安全を確保したのだ。

r13_shenhar.jpg
有利なマッチアップの活用手段を探るシェンハー。

 シェンハーは土地を引き込んでばかりで、チャピンが《クルフィックスの狩猟者》の効果で《包囲サイ》を複数枚めくってもそれを見ていることしかできなかった。彼は止むなくダブル・ブロックに入り、1体を《血の暴君、シディシ》と相討ちに取った。ついに2枚目の《悪夢の織り手、アショク》が現れたが、土地を3枚取り除いただけで終わり、さらに《残忍な切断》をチャピンのデッキの一番上に置くことになってしまった。

「どうもうまくいかないなあ」

 対するチャピンは《悪夢の織り手、アショク》に総攻撃を仕掛ける。彼の手札に《残忍な切断》がある以上、適切なブロックをするのは不可能のようだ。《サテュロスの道探し》とゾンビ・トークンで《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》をブロックし、《森の女人像》は《包囲サイ》に差し出すことで、《悪夢の織り手、アショク》の忠誠度を守る。《悪夢の織り手、アショク》の忠誠度は再び5まで伸びるが、しかし次の攻撃を耐えることはなかった。シェンハーはこの盤面では明らかに劣る《サテュロスの道探し》をプレイ。数ターン後、カードを片付けることを余儀なくされた。

「さっきのゲーム、まともなドローはあったかい?」チャピンが尋ね、意地悪な顔で笑う。

「10ターン後くらいには来てたかと」

「デッキリストを知れたのも良かったけど、それでもかなりのラッキーだったことはわかるよ」

 続くゲーム、シェンハーの3ターン目《悪夢の織り手、アショク》には《英雄の破滅》が差し向けられ、さらに《思考囲い》で手札の残りは《残忍な切断》2枚に《英雄の破滅》、《イニストラードの魂》となった。それらを見て、チャピンはこのゲームがじっくり進むと判断した。幸運にも、彼のデッキは適切なカードをもたらしてくれた。《アブザンの魔除け》が追加のカードをもたらし、占術土地が無駄なドローを省いた。

r13_chapin.jpg
有利を重ね、トップ4を引き寄せていくチャピン。

 チャピンは《太陽の勇者、エルズペス》に《英雄の破滅》を使うことを迫られた。兵士・トークンが3体ずつ増えていくのは厄介だ。《包囲サイ》は《残忍な切断》で退場させられ、シェンハーの墓地は《時を越えた探索》が撃てるほどに肥えた。シェンハーは《クルフィックスの狩猟者》を繰り出して、エンド。チャピンも負けじと《骨読み》を唱え、その後《思考囲い》で《女王スズメバチ》を取り去ると、シェンハーの手札は《イニストラードの魂》2枚と《残忍な切断》1枚になった。チャピンの側に《吸血の教示者》的な能力を備えた《リリアナ・ヴェス》が登場したことで、アドバンテージの波は収まらない。

 シェンハーは《イニストラードの魂》を1枚繰り出すが、チャピンはこれを《アブザンの魔除け》で除去し、《先頭に立つもの、アナフェンザ》でさらにプレッシャーをかける。《リリアナ・ヴェス》がまた1枚良いものを探し出し、一方シェンハーは手札に残った《残忍な切断》を《先頭に立つもの、アナフェンザ》に当て、もう1枚の《イニストラードの魂》も展開した。チャピンは土地を4枚タップし、《包囲サイ》をプレイ。シェンハーのライフは多めに引いた「ペイン・ランド」に削られていたため、彼はこれを《軽蔑的な一撃》で打ち消した。これでチャピンは、《イニストラードの魂》に《完全なる終わり》を撃ち込む邪魔をされなくなった。

 盤面はチャピンが掌握した。シェンハーはその後数ターンはプレイを続けたが、間もなくして《包囲サイ》が現れ、この試合を決めたのだった。

チャピン 2-0 シェンハー

「試合が終わったらこのデッキを捨てたいくらいです。ああ、あなたがどうというわけじゃなくて、あまりに引きが」

「まあ、そんなに気を落とさないでくれ。私も確率の話はよーくわかるよ」

 シェンハーはフラストレーションの溜まる敗北を振り払うのに全力を注ぎ、最終ラウンドに視線を定めた。チャピンはそんな彼に、心から幸運を祈るのだった。

Patrick Chapin - アブザン・ミッドレンジ
世界選手権2014 / スタンダード
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
4 《吹きさらしの荒野》
3 《静寂の神殿》
2 《コイロスの洞窟》
2 《森》
2 《ラノワールの荒原》
2 《平地》
1 《豊潤の神殿》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(25)-

4 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》
2 《オレスコスの王、ブリマーズ》
4 《包囲サイ》
1 《風番いのロック》

-クリーチャー(15)-
4 《思考囲い》
4 《アブザンの魔除け》
4 《英雄の破滅》
1 《骨読み》
2 《真面目な訪問者、ソリン》
1 《完全なる終わり》
1 《英雄の導師、アジャニ》
1 《残忍な切断》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(20)-
3 《胆汁病》
1 《異端の輝き》
2 《先頭に立つもの、アナフェンザ》
2 《骨読み》
1 《完全なる終わり》
2 《対立の終結》
1 《リリアナ・ヴェス》
1 《残忍な切断》
1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
1 《砂塵破》

-サイドボード(15)-
Shahar Shenhar - シディシ・ウィップ
世界選手権2014 / スタンダード
4 《ラノワールの荒原》
4 《華やかな宮殿》
3 《森》
2 《汚染された三角州》
2 《沼》
2 《疾病の神殿》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》
1 《進化する未開地》
1 《島》
1 《マナの合流点》
1 《神秘の神殿》

-土地(23)-

4 《サテュロスの道探し》
4 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《血の暴君、シディシ》
2 《破滅喚起の巨人》
1 《イニストラードの魂》
3 《女王スズメバチ》

-クリーチャー(22)-
3 《思考囲い》
3 《英雄の破滅》
2 《悪夢の織り手、アショク》
3 《エレボスの鞭》
4 《残忍な切断》

-呪文(15)-
3 《胆汁病》
3 《軽蔑的な一撃》
2 《再利用の賢者》
2 《スゥルタイの魔除け》
1 《悪夢の織り手、アショク》
1 《悲哀まみれ》
1 《苦悶の神、ファリカ》
1 《イニストラードの魂》
1 《時を越えた探索》

-サイドボード(15)-

前の記事: 【英語記事】 Round 12: Raphael Levy vs. (1) Owen Turtenwald | 次の記事: 【英語記事】 A Brief History of the World Championship
マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2014 一覧に戻る