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【トピック】 一人二役

【トピック】 一人二役

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Josh Bennett / Tr. Tetsuya Yabuki

2014年12月3日

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 世界選手権参加者24人のうち11人には、この先長い1週間が待っている。飛び抜けた強さの選手には、マジックというゲームの最も誉れ高い大会の舞台に加え、さらに多くのものが与えられる。つまり、金曜日から始まるワールド・マジック・カップ2014で、自国チームを率いて戦うという使命が。彼らは世界選手権明けの休みも優雅に楽しむことはできない。なぜなら木曜日に「休み」ということは、本戦前にチーム全員の準備を完成する最後のチャンスに他ならないからだ。1年で最も重大な個人戦トーナメントへの備えとチーム・キャプテンとしての責任のバランスを、一体どうやって取るのだろうか?

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世界ランキング4位、ショーン・マクラーレン/Shaun McLaren

 中には、他の者と比べて比較的楽な状況にあるプレイヤーもいる。ショーン・マクラーレンは強固なカナダ代表を率いることになっているが、ほぼ世界選手権一本に集中することができた。スロバキア共和国代表のイヴァン・フロック/Ivan Flochも、同じような恵まれた境遇にあるという。「今年はこんなに素晴らしいチームで、本当にラッキーだよ」と、イヴァンは打ち明けた。「世界選手権に向けた練習はできたし、ワールド・マジック・カップへの準備もきちんと意識できたよ。僕たちのチームは本当に期待大だね。何が起きてもうまくやれるはずさ」

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世界ランキング2位、ジェレミー・デザーニ/Jeremy Dezani

 フランス代表のキャプテン、ジェレミー・デザーニは、彼が世界選手権に集中しなければならないことをチームメイトは理解してくれた、と言う。それに加えて、チーム共同デッキ構築・スタンダードは、通常のスタンダードと大きく異なるわけではない。「アメリカ代表のオーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwaldも同じことを言っていました。世界選手権を優先しなければならない、と。4つのフォーマットにまたがった大会だから、やるべきこともたくさんある。もちろんオンライン上で意見交換はしたけれど、プレイテストはチームのみんなに任せたんです。今年も本当に素晴らしいチームができましたよ。ニール(・オリヴァー/Neal Oliver)のことはもちろん知っていますが、アイザック・シアーズ/Isaac Searsとアンドリュー・ベックストーム/Andrew Baeckstromとはまだ会っていません。彼らもまた素晴らしいプレイヤーなので、明日は準備に1日かけますよ」

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ラース・ダム/Lars Dam

 タイ代表のキャプテン、ラース・ダムの場合は、地理上の問題を抱えていた。「私はプーケット在住なのですが、他のチーム・メンバーはバンコクにいたんです。正直、一緒に練習ができませんでしたね。オンライン上でたくさん話はしたのですが、ここニースに彼らが来るまで、顔を合わせたことはありませんでしたよ」

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世界ランキング9位、渡辺 雄也

 日本の渡辺 雄也は全力を尽くし、その労力を配分していた。「本当にハードでした。頑張りすぎたかもしれない。6フォーマットを同時にテストするなんて、おかしいですよ。だいたい世界選手権に70%、ワールド・マジック・カップに30%くらいの割合でした。それぞれのプレイテストのために、4日間は一緒に練習しました」 彼と同じことを言っていたのは、ブラジル代表のウィリー・エデル/Willy Edelだ。「ブラジルのプレイヤーたちにとって、ワールド・マジック・カップ予選が1年で最も重大な大会なんだ。グランプリよりもね。他のラテン・アメリカ地域の多くの国々も、同じだと思う。俺はチームメイトの助けになることに全力を尽くす。彼らは俺を信頼しているから、コーチ役をやることにしたんだ。世界選手権が既存のフォーマットだけだったから、チームとの時間は少しだけ取りやすかったかな」

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世界ランキング10位、リー・シー・ティエン/Lee Shi Tian

 マジック・コミュニティの規模が比較的小さい国の代表選手は、ワールド・マジック・カップを重大なイベントとしてその情熱を向けているようだ。香港のリー・シー・ティエンと韓国のナム・サンオク/Nam Sung Wookの言葉は一致していた。「ワールド・マジック・カップの方に全力を注ぎました」とリー。「世界選手権にはすでに熟知しているデッキで出ることを決め、チームメイトを助けることに集中したんです。香港は広くないので、集まって練習するのは楽でした」 では、彼自身がよく知られたプロ・プレイヤーであることにより、チームに対する責任を大きく感じているかどうかを尋ねてみた。「もちろんです。彼らを鍛えるのは骨が折れました。強いプレイヤーばかりがいる場所ではないので。アジア太平洋地域の多くがそうなんじゃないかな」

 ナムもリーに同意する。「韓国のプロ・プレイヤーたちにとっては、私がリーの立場にあります。今年の私たちのチームは本当に盛り上がっていますよ。予選を突破した3人とも、以前から知っているプレイヤーだったんです。さらにメンバー全員がソウル在住だったので、よく集まってプレイテストを行いました」彼のプレイテストの濃さについて偽りはない。彼は世界選手権の間でも時間を見つけて、チーム・シールドの練習をしていたのだ。

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世界ランキング14位、シャハール・シェンハー/Shahar Shenhar

 現在の世界王者であるシャハール・シェンハーもまた、ワールド・マジック・カップでイスラエル代表のキャプテンを務める。チームメイトは自分のことを尊敬していると彼が言い放っても、その人柄からか、私は彼の揚げ足を取る気にならなかった。「キャプテンの仕事はそんなに大変なことじゃないと思います。チームのメンバーたちはプレイヤーとして僕のことを尊敬してくれているので、彼らの助けになれるよう全力を尽くすつもりです。今年直接会えたメンバーはいないけれど、この場所でみんなに会えたし、オンライン上ではコンタクトを取っていました。今、彼らは僕のことを応援してくれています。トップ4に入れても入れなくても、準備に忙しくなりますよ」

 それは確かに、全チーム共通の意見だろう――メンバー全員がお互いに助け合いたい。そして、わずか数日後にキャプテンが世界王者になるかもしれない、というこのときに、チーム・プレイに燃えないやつはいないだろう?

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