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【観戦記事】 第1回戦:Alexander Hayne(カナダ) vs. Shaun McLaren(カナダ)

【観戦記事】 第1回戦:Alexander Hayne(カナダ) vs. Shaun McLaren(カナダ)

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Chapman Sim / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年8月27日

原文はこちら

アレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayne(世界ランキング17位)vs. ショーン・マクラーレン/Shaun McLaren(世界ランキング14位)(『モダンマスターズ 2015年版』ドラフト)

 世界選手権での戦いは、そのすべてが神話級の激突である。24人のベスト・プレイヤーが1年で最大の大会で競い合うのだから、そうならないはずがないだろう。本日、今大会は『モダンマスターズ 2015年版』ドラフトで幕を開け、カナダ出身のプロツアー王者同士が相見えることになった。

 仲の良い友人でもある両者には、似たところがいくつもある。年齢はどちらも27歳で、そして世界選手権への出場はどちらも2度目だ。それは、両者の才能と安定した成績を物語っている。

 アレクサンダー・ヘインとショーン・マクラーレンは、これも両者同じスペインで行われたプロツアーで優勝し、一躍スターダムへ登り詰めた。ヘインはバルセロナで行われたプロツアー『アヴァシンの帰還』にて王座を獲得し、マクラーレンはヴァレンシアで行われたプロツアー『神々の軍勢』を制したのだ。

 ヘインは昨シーズン忙しい1年を過ごし、グランプリ転戦のすえに(キャップ制を考慮しなければ)42点ものプロ・ポイントを稼ぎ出した。その勢いは留まることを知らず、先週末に行われたワールド・マジック・カップ予選においても1回目の挑戦でカナダ代表の座を勝ち取った。

 これにより、バルセロナで行われるワールド・マジック・カップ2015にて、両者は再びカナダ代表として手を組むことになったのだった。

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アレクサンダー・ヘインとショーン・マクラーレン。カナダ出身のプロツアー王者ふたりが、世界選手権2015の開幕戦を飾る。

「この試合で、ワールド・マジック・カップでチームを仕切る人を決めようよ!」と、ヘインはトレードマークの満面の笑顔で申し出た。

 マクラーレンは眉を上げる。「おいおい、本気かい?」

 謙虚なカナダ国内王者は決して語気を荒らげず、物腰柔らかに返したのだった。

それぞれのデッキ

 マクラーレンは、《幽体の行列》や《種のばら撒き》、そして《蟻の女王》を主力に据えた白黒緑のトークン・デッキをドラフトした。放っておけば、マクラーレンはいとも容易くエルドラージ・落とし子やスピリットや苗木で盤面を埋め尽くし、それから《萎れ葉のしもべ》や《補強》、そして2枚採用した《圧倒する暴走》で止めの一撃を加えることだろう。

 一方のヘインは、赤と緑と青をベースにした5色デッキ。「版図」と「烈日」を最大限に活かすために色を軽くタッチした形だ。《シミックの成長室》2枚に《焦熱の落下》3枚を搭載することで、ヘインは強力な呪文の数々を唱えるマナ基盤を整えている。とりわけ、《大竜巻》と《全ては塵》はこのマッチアップにおいて鍵となるだろう。

「いいデッキだね」と、ヘインが口にする。「先週末はどれくらい『モダンマスターズ 2015年版』ドラフトやったの?」

「実は、そんなにやってないんだ」と、マクラーレンはそう返した。「15回かな。このデッキ『以外は』全部ドラフトしたよ!」

 いよいよダイスが振られ、ヘインが先攻を得た。これが今大会ひとつ目の試合となる。奇しくもカナダに由縁のある「バンクーバー・マリガン」が適用される今大会だが、幸運なことに、両者とも最初の7枚に満足した様子だ。

ゲーム展開

 マクラーレンの初動は《ツカタンのサリッド》と《巣の侵略者》。それらはさらに、《議事会の密集軍》と《種のばら撒き》を唱える助けになった。わずか4ターン目にして、マクラーレンは7体ものクリーチャーを展開したのだ。そこへ《野生の末裔》も加わり、極めて恐ろしい盤面になる!

 その間にヘインが戦場に繰り出せたのは《竜魂の騎士》と《知識鱗のコアトル》のみで、さらに《知識鱗のコアトル》は《不気味な苦悩》で即座に除去された。《不気味な苦悩》を唱えるために小さな落とし子を2体失ったものの、マクラーレンは続く数ターン全軍で攻撃し、ヘインのライフを残り2点まで削った。

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開幕直後から、ヘインを厳しい状況に追い込むマクラーレン

 ヘインは盤面を押し返すべく、《獣性の脅威》と《粘体投げの小蛙》で群れを作り出す。象、狼、蛇、そしてカエル・ミュータントと、様々な動物が立ち並んだ。

 だがしかし、ここでマクラーレンは《圧倒する暴走》をトップデッキし、ヘインに挽回の隙を与えずゲームを終わらせたのだった。

 2ゲーム目もマクラーレンが《ツカタンのサリッド》と《巣の侵略者》からゲームを始め、一方のヘインは《シミックの成長室》を用いてマナ基盤を整えるのに最初の2ターンを費やした。

 《山》を引き込んだヘインは《噴出の稲妻》でマクラーレンの2/2クリーチャーを除去し、続けて引き込んだ《沼》によって「烈日」を最大に活かした《刻まれた巫女》を繰り出した。さらに《平地》も置いた彼は、《空に届くマンタ》を5/5で戦場に送り出す。そして《粘体投げの小蛙》により彼のクリーチャーはすべて「被覆」を得られるようになり、万全の状態を作り上げた。

 だが確かに盤面は強力だが、数が少ない。ヘインの軍勢は瞬く間に数で押されることになる。

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小型ながらも広く展開される軍勢に対して懸命に戦うヘイン

 マクラーレンは《幽体の行列》と《種のばら撒き》で盤面を一気に埋め尽くし、「招集」の強さを見せつけた。そこへさらに《磁石のゴーレム》と《コジレックの捕食者》を加えて、さらに盤面を広げる。

 ヘインはここが撃ち時だと決意し、《全ては塵》を放った。

 塵が収まり視界が開けると、ヘインのもとには《刻まれた巫女》と《空に届くマンタ》が。そしてマクラーレンの方には、《磁石のゴーレム》とエルドラージ・落とし子・トークンが3体、そして《ツカタンのサリッド》から生み出された苗木・トークンが1体。

 マクラーレンは手札に2枚ある《圧倒する暴走》のうち1枚を見せ、自軍全体に+5/+5の修整とトランプルを与えた。ヘインは素早く計算を終えると、右手を伸ばし投了したのだった。

「ワールド・マジック・カップのボスは君だね」とヘイン。

 マクラーレンはただ微笑を浮かべ、差し出された手を取った。

ヘイン 0−2 マクラーレン

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