マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【観戦記事】 第8回戦:Owen Turtenwald(アメリカ) vs.渡辺 雄也(日本)

【観戦記事】 第8回戦:Owen Turtenwald(アメリカ) vs.渡辺 雄也(日本)

authorpic_adamstyborski.jpg

Adam Styborski / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年8月28日

原文はこちら

オーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwald(世界ランキング10位)vs. 渡辺雄也(世界ランキング12位)(『マジック・オリジン』ドラフト)

 世界選手権2015優勝候補の一角は、今大会2勝1敗と手堅いスタートを切った。その後のモダン・ラウンドでも手際よく3勝1敗の成績を収めた現在世界ランキング12位の渡辺雄也は、これで初日の総合成績を5勝2敗とし、再びのトップ4入賞に意欲を燃やしている。このまま彼がトップ4へ入っても、誰も驚かないことだろう。

 だがもちろんそれは、この『マジック・オリジン』ドラフトで彼が昨日と同じ、あるいはそれ以上の成績を残せればの話だ。

 一方世界ランキング10位のオーウェン・ターテンワルドも5勝2敗と同じポジションに付けていて、今大会初日の目覚ましい勢いに乗じる構えだ。今大会に向けて、彼はMagic Onlineにてそれぞれのフォーマットを何時間も集中して鍛錬を重ねてきた。その成果は初日の結果に表れたが、トップ4入賞を狙う彼のプランの中ではまだ最初の一歩だ。

 だが、ここにいるすべてのプレイヤーが身をもって知っているはずだ。渡辺を打ち倒すということが、口で言うよりはるかに難しいということに。

2015wc_r8_turtenwald_watanabe.jpg
2日目最初の試合で、マジック界の巨人ふたりが激突する。
それぞれのデッキ

 第1パックの初手に《死橋のシャーマン》をピックするという決断は、議論を呼ぶものであった。渡辺の第1パックには《魂刃のジン》や他にも「より強力な」カードがあったものの、彼は自身の向かうドラフト戦略を推し進めるための選択を行ったのだ。議論の余地が残る第1ピックから続けて、渡辺は《ドラゴンの餌》や《よろめくグール》、《暴れ玉石》など、アグレッシブな黒赤デッキのパーツを集めていった。渡辺はゲームを素早く、手際よく終わらせることを狙ったのだ。そしてそのアグレッシブなプランのマナ域の頂点には、ゲームを終わらせる5/5飛行のデーモンを連れてくる《血の儀式の司祭》が添えられた。

 一方のターテンワルドは、より基本に忠実なドラフトを行った。最初の数ピックでは色を決めず、やがて第1パックの初手に取った《領事補佐官》を活かす白と、黒を組み合わせに選んだ。その選択は第3パックで実を結び、彼は《牢獄の管理人、ヒクサス》、《魂の貯蔵者、コソフェッド》、《悲劇的な傲慢》と続けてピックすることに成功した。《過去の過ち》のようなカードで長期戦にも対応できるデッキを組み上げたターテンワルドは、渡辺のデッキの誰よりも早い動きを止めさえすれば勝利を得られるだろう。

ゲーム展開

 1ゲーム目はゆっくりと進んだ。2ターン目の動きがない渡辺に対して、ターテンワルドは《過去の過ち》をプレイして先手を取った。その後は渡辺の盤面に《天使の墳墓》と《死橋のシャーマン》が続く。ターテンワルドは《天界のほとばしり》で《天使の墳墓》を除去し、《肉袋の匪賊》で《死橋のシャーマン》も対処した。ターテンワルドは手札を1枚失ったものの、占術で次のドローを整え、渡辺の盤面を更地にできた。

 渡辺の続く動きは《古参兵の予備武装》のみに留まる。

 そこでターテンワルドが動き出した。《骨読み》で手札を整えると《魂の貯蔵者、コソフェッド》を繰り出し、渡辺の《古参兵の予備武装》を装備した《魔道士輪の暴漢》に立ち向かわせる。渡辺はしばし動きを止めたが、彼のクリーチャーは攻撃をしなければならなかった。《魔道士輪の暴漢》をブロックした《魂の貯蔵者、コソフェッド》に《焦熱の衝動》を当てて退場させた。

2015wc_r8_watanabe.jpg
ゲームを続けるために最後まで粘る渡辺

 《過去の過ち》の占術が誘発し、ターテンワルドを支える。彼は《前線の僧侶》と《巡礼者の道の騎士》を盤面に加え、ブロッカーのいない戦場に攻勢をかけた。タップ・インしている《よろめくグール》が次のターンにはブロックに入るだろうが、それでは足りなかった。《死の国の重み》が、渡辺の選択肢を完全に奪ったのだった。

 2ゲーム目は渡辺が1ターン目に《ゴブリンの栄光追い》をプレイし、対するターテンワルドも《結束した構築物》を置いて早いスタートとなった。それらの1マナ・クリーチャーは相討ちになり、続けて《魔道士輪の暴漢》と《前線の僧侶》も相討ちになった。渡辺の盤面には《よろめくグール》が追加され、ターテンワルドは再び《過去の過ち》を置いた。

 ここからは、クリーチャーが死亡するたびに占術が誘発する。ターテンワルドは《魔道士輪の暴漢》との相討ちで不足していた土地を引き込み、《蘇りしケンタウルス》で盤面を固めた。渡辺は《暴れ玉石》での攻撃を控えた。するとターテンワルドは《血に呪われた騎士》を加えて盤面の上でも渡辺に追いついた。

2015wc_r8_turtenwald.jpg
チクタクと、《過去の過ち》がクロックを刻む

 だが渡辺は、ここでレアを開示する。《血の儀式の司祭》だ。5/5飛行のデーモンは、ターテンワルドにとって地上に溢れかえるクリーチャーの軍勢よりはるかに厄介なものだった。

 マナをすべて残してターンを返したターテンワルド。《血の儀式の司祭》が渡辺のライフを削り始める。《異臭のインプ》が《天使の墳墓》を再びクリーチャー化し、渡辺は飛行戦力で攻撃に出た。ターテンワルドは《牢獄の管理人、ヒクサス》を繰り出し、デーモン・トークンとアーティファクト・天使は追放された。

 《血に呪われた騎士》が攻撃に出て相討ちになり、占術2回とライフ4点をターテンワルドにもたらした。そして同時に、彼はこのゲームの鍵となる《過去の過ち》の起動能力を使用し始めた。《血の儀式の司祭》も渡辺のライフを蝕み続けていたが、ターテンワルドはやがてブロックに入りそれを退場させた。《過去の過ち》の能力を起動し安定したクロックを刻むターテンワルドに対して、《異臭のインプ》の攻撃によるダメージではライフ・レースにならなかった。

 次第に追い詰められていった渡辺だが、《護法の宝珠》がターテンワルドの戦場に出ると、ついに挽回するのは不可能になった。固い守りを打ち破るすべもなく、数ターン後、渡辺は右手を差し伸べたのだった。

ターテンワルド 2−0 渡辺

前の記事: 【英語記事】 ドラフトビューワー:『マジック・オリジン』ブースタードラフト・ポッド1 | 次の記事: 【英語記事】 Round 9: (8) Samuel Black vs. (3) Paul Rietzl
マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2015 一覧に戻る