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【トピック】 世界選手権2015 トップ4プレイヤープロフィール

【トピック】 世界選手権2015 トップ4プレイヤープロフィール

Event Coverage Staff / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年8月28日

原文はこちら

 世界でも選りすぐりのプレイヤーたちが競い合うマジック:ザ・ギャザリング世界選手権2015も、ついに4人のベスト・プレイヤーが日曜日のプレイオフへ進出しました。ぜひ4人のプロフィールをご覧いただき、彼らのことをもっと知ってください!


セス・マンフィールド/Seth Manfield

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年齢:24

居住地:アメリカ合衆国、メリーランド州チェヴィー・チェイス

各フォーマットの成績

『モダンマスターズ 2015年版』ドラフト:3-0
モダン:3-1
『マジック・オリジン』ドラフト:3-0
スタンダード:4-0


 この週末で最も大きな話題となったのは、セス・マンフィールドが今大会を圧倒し誰よりも早くトップ4入賞を決めたことでしょう。

 今大会における彼の疾走は、世界選手権2012での八十岡翔太の11勝1敗という圧倒的なパフォーマンスを彷彿させますが、それを超えるものとも言えるでしょう。世界選手権の予選ラウンド数が12回戦から14回戦に増えた中で、マンフィールドは13勝1敗という前人未到の成績を叩き出したのです。

 振り返ってみると、マンフィールドにとって最も思い出深い瞬間は、3度のグランプリ優勝のときとプロツアー『運命再編』でトップ8に入賞したときでしょう。ですがそんな彼でも、今まさに経験している高揚感に匹敵する出来事はなかったはずです。

 感情の爆発をあらわにしながらも、マンフィールドは努めて冷静に、彼の助けになった人々への感謝を口にしました。「まず、チームメイトたちにお礼を言いたい。ブラッド・ネルソン/Brad Nelson、アリ・ラックス/Ari Lax、スティーヴ・ルービン/Steve Rubin、君たちがいなかったらこの最高の週末はなかった。この恩は絶対に忘れないよ。それから、家で娘と待ってくれている恋人へ。私が夢を追うのを許してくれてありがとう。そして、愛する母にも!」

 マンフィールドの週末はこれで終わりではありません。待望の「世界選手権王者」のタイトルを獲得するには、あとふたつ、試合が残っているのです。極めて過酷な試合がふたつも。

 ここまでで13点ものプロ・ポイントを稼ぎ出したマンフィールドは、今後のプロツアーで最低12点は確保できるため、すでにプラチナ・レベル維持に必要なポイントの半分を獲得しています。今大会の最終結果に関わらず、今シーズンの展望はこの上なく明るいと言えるでしょう。

「これからもマジックというゲームについて記事を書き続けるし、可能な限りのイベントに参加するよ」と、マンフィールドは言います。「今大会もいよいよ終盤だね。勝っても負けても、また来年、世界選手権2016の舞台に戻ってきたい」

「今回のことは間違いなく、私のマジック・キャリアで最も思い出深い出来事になるだろう。これだけ厳しい舞台でこんなにうまくいくとは、思ってもみなかった。もし優勝できたら、想像できる中で一番すごいことだね。今の私と過去の私、そして未来の私がすることすべてが、世界選手権王者という究極のゴールに繋がっているんだと思うよ」


オーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwald

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年齢:26

居住地:アメリカ合衆国、ウィスコンシン州ミルウォーキー

各フォーマットの成績

『モダンマスターズ 2015年版』ドラフト:2-1
モダン:3-1
『マジック・オリジン』ドラフト:2-1
スタンダード:2-2


 たゆまぬ練習。それが、オーウェン・ターテンワルドが世界選手権へ向けて自身に課したものでした。

「とにかくMagic Onlineでひたすら練習したよ。プロツアー『マジック・オリジン』のあと、世界選手権に出られるとわかった。それから3週間、基本的には使える時間すべて、食事も睡眠もろくにとらずに練習に打ち込んだ」

 それから、技術も知識も十分ながら今大会には出場できなかった友人たちとも定期的に話をし、それがターテンワルドを支えたそうです。

「友だちや知り合いのプロ・プレイヤーとも定期的に話をして、各出場者がどう出てくるかや各フォーマットがどうなるかを確かめた」

 ターテンワルドによれば、今大会の成功の一因はプランを「持たない」ことだったそうです。

「『モダンマスターズ 2015年版』ドラフトでは、プランを持たないのが一番だと考えた」と、彼は語ります。「ほとんどのプレイヤーが、スピリットや親和やその他のテーマを狙うプランを持ってくる。そこで僕はテーマを持たないで挑むことにした。狙ったのは2色か3色のコントロール・デッキにしよう、というだけだ。例えば、最初のピックはどのテーマにも当てはまらない《影魔道士の浸透者》だった。それがまさに功を奏したね」

 今大会がターテンワルドのマジック・キャリアにおいてどれくらいのものなのか尋ねると、彼はさらなる勝利に視線を据えていました。

「まだ大会は終わっていないよ」と、彼は強調します。「もっとプロツアーで勝ちたいんだ」

 と、そこでひと呼吸置いて考え、ひと言。

「まあ勝てたらたぶん、『これはすごいことだ』と感じるけどね」


ポール・リーツェル/Paul Rietzl

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年齢:30

居住地:アメリカ合衆国、アリゾナ州スコッツデール

各フォーマットの成績

『モダンマスターズ 2015年版』ドラフト:1-2
モダン:3-1
『マジック・オリジン』ドラフト:3-0
スタンダード:2-2


 殿堂顕彰者にしてプロツアー王者、そしてデッキのスリーブかけ最速プレイヤーのひとりであるポール・リーツェルは、今大会の序盤、自分はここにいていいのか不安に思っていました。

 その後、彼いわく「自身のキャリアで過去最高の賞品が懸かったクレイジーなゲーム」での戦いを経て、リーツェルは今大会の立派な「選手」となり、瞬く間にそれ以上の存在になったのでした。

 リーツェルにとっての今週末最悪の事態は、早い段階で起こりました。山本賢太郎との試合でのことです。

「山本相手にとんでもなく酷いプレイをして、自分なんかがこんなすごい大会に出て良かったんだろうか、と考えた。でもそれからの10ラウンドで、人生最高のプレイが何度もできた。自分にもまだできるんだ、と思えたのは良かったね。私はモダン・ラウンド最後の6ゲームで全勝し、続く『マジック・オリジン』ドラフトの6ゲームも全部勝てた」

 そこから勢いに乗ったリーツェルは、マーティン・ミュラー/Martin Mullerとのトップ4入賞を懸けた一戦を迎えました。1ゲームずつ取り合い迎えた3ゲーム目、彼は圧倒的な不利に追い込まれました。あまりの不利な状況にリーツェルが笑ってしまうほどで、どれだけ「圧倒的な不利」だったか詳しく覚えているほどです。

「ああなったらもう、どんなに都合が良くても勝てる可能性を考えるしかないよ」と、リーツェル。「ミュラーがまったく役に立たないカードを持っていて、《棲み家の防御者》の攻撃が通り、それから《包囲サイ》を引き込む必要があった」と、リーツェルは、ミュラーとの最後のゲームを思い起こします。「あまりに多くのことが私に味方しなくちゃいけなかった」

 それは現実のものとなりました。そしてリーツェルは、その経歴を華々しく不滅のものとするチャンスを得たのです。

「それは殿堂顕彰というデザートの上に乗せるチェリーだね」と、リーツェルは言います。「世界を制するというのは、これまで成し遂げたことがないよ」


サミュエル・ブラック/Samuel Black

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年齢:33

居住地:アメリカ合衆国、ウィスコンシン州マディソン

各フォーマットの成績

『モダンマスターズ 2015年版』ドラフト:1-2
モダン:3-1
『マジック・オリジン』ドラフト:1-2
スタンダード:4-0


 世界選手権2015トップ4入賞について、ブラックはまさか勝てるとは思わなかった、と謙遜した様子で言いました。「本当に長くマジックをやっているけれど、世界選手権みたいな大きなトーナメントで優勝にこれだけ近づいたことは1度もなかったんだ。だから、こんなに勝てるとは思えなかったよ。もちろん嬉しいんだけど、今の気持ちを表現するのは難しい。これまで体験したことない気持ちなのは間違いないね」

 彼の言葉はさすがに謙遜しすぎと言えるでしょう。プロツアー・トップ8入賞2回にグランプリ・トップ8入賞10回、そして生涯獲得プロ・ポイントは300点を超えるブラックは、マイケル・ジェイコブ/Michael Jacobとポール・チェオン/Paul Cheonとともにチーム戦での世界選手権優勝も果たしているのです。

「僕はマジックをかなり長い目で見ていて、『キャリア全体』を意識している。だから、ひとつひとつのイベントに全霊をかけることはないんだ。最終的に、殿堂顕彰を受けられるだけの成績があればいい。そうすれば、これまでの10年間と同じように働き続けることができる」

 ブラックはデッキ構築の達人という評価を受けていますが、その評価はもっと適した人に与えられるべきだと考えています。この週末にブラックが使用したデッキはどれも、彼の手によるものではなかったのです

「偉大なプレイヤーたちに最高のアドバイスをたくさんもらった。みんなに感謝を伝えたい。この週末に最高のデッキをもたらしてくれた人たちには特に。『親和』デッキはポール・リーツェルが組んでくれたもので、僕は彼を信じてそれを選んだ。スタンダードでは、クレイグ・ウェスコー/Craig Wescoeがジャスティン・ヘイリグ/Justin Heiligの『白単信心』を使え、とアドバイスをくれた。リミテッドはうまくいかなかったけれど、友人とチームメイトのみんなには感謝しているよ」

 昨シーズン最高の思い出を尋ねると、ブラックは彼自身のことではなくジャスティン・コーエン/Justin Cohenの活躍が一番嬉しかった、と教えてくれました。

「彼とは10年以上一緒に住んでいて、それぞれの人生において大きな存在になっている。プロツアー『運命再編』でのトップ8入賞と、その後のルーキー・オブ・ザ・イヤーの獲得が、彼にとってどれほどのものだったか、僕にはわかる。本当に嬉しいよ」

 突き詰めれば、誰もが自身の幸福な瞬間を探し求めているものです。ブラックは恐らく、まだそれを見つけていないのでしょう。もしかしたら、この日曜日こそがその日になるかもしれません。


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