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【トピック】 世界選手権2015 トップ5カード

【トピック】 世界選手権2015 トップ5カード

Event Coverage Staff / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年8月30日

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 マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2015に最も大きな影響を与えたカードは何だったのでしょうか? 今大会を振り返ってみましょう。


第5位 《徴税の大天使》

 『マジック・オリジン』で登場したこの見事な神話レアは、登場当初は正当な評価を得られませんでした。サミュエル・ブラック/Samuel Blackは今大会、彼の「白単信心」デッキにこの《徴税の大天使》を4枚搭載して彼女の加護を受け、《白蘭の騎士》や《見えざるものの熟達》と合わせて《ニクスの祭殿、ニクソス》の力を引き出したのです。

 今大会で唯一《徴税の大天使》の力を信じて進んだブラックですが、その決意は予選ラウンドのスタンダード部門4戦全勝という形で報われました。間もなく『テーロス』ブロックは期待高まる『戦乱のゼンディカー』へ道を譲ることになりますが、《徴税の大天使》はスタンダードの主力となり続けることができるでしょうか。それは、いずれはっきりとするでしょう。



第4位 《魂刃のジン》

 世界選手権2015王者のセス・マンフィールド/Seth Manfieldは、この極めて強力な《魂刃のジン》をファースト・ピックに選び、今大会予選ラウンドの『マジック・オリジン』ドラフト部門を全勝する支えとしました。クリーチャーとしての見事な性能に回避能力も付いて、さらにゲームが壊れてしまうほどの全体強化能力も持つこのカードは、ドラフトで青をやっているなら絶対に迎え入れたい1枚です。

 興味深いことに、世界選手権2012王者の渡辺雄也はマンフィールドと同じドラフト卓にいたのですが、彼は《魂刃のジン》に心を動かされませんでした。《島》を使うデッキを避けて下流のプレイヤーに青を確定させるため、彼は《魂刃のジン》を流して《死橋のシャーマン》を選んだのです。これによって彼は明確なシグナルを送り、協調ドラフトを進めました。つい見落とされがちですが、ブースタードラフトというエキサイティングなフォーマットにおいて、それらは最も大事な技術なのです。

 このちょっとしたエピソードは、マジック:ザ・ギャザリングの戦略性と多彩さをよく表したものと言えるでしょう。そしてそれらは、世界選手権のような最高レベルの戦いにおいても、世界最高のプレイヤーたちの判断に影響を与えているのです。



第3位 《ギラプールの霊気格子》

 モダン部門での画期的なアイデアといえば、サミュエル・ブラックとポール・リーツェル/Paul Rietzlの「親和」デッキに加えられたこの一見無害なエンチャントを上回るものはないでしょう。《ギラプールの霊気格子》は、ふたりのチームが(ぴったり)予想した通りミラー・マッチにおいて最大の切り札になり、「《未練ある魂》を使うデッキや『感染』デッキ」に対しても素晴らしい働きを見せるのです。

 常に進化を続けるモダンのメタゲームですが、このローテーションのないフォーマットにおいて新しく印刷されたカードがまったく新しい角度からの攻撃を見せ、環境に波を起こすというのは素敵なものです。このちょっとした革新が、大きな違いを生み出し、協力して大胆な取り組みに挑んだふたりのプレイヤーをトップ4入賞へ導いたというのも、素晴らしいエピソードでしょう。



第2位 《龍王オジュタイ》

「エスパー・ドラゴン」はスタンダードで最も人気のあるデッキのひとつですが、その大きな理由は《龍王オジュタイ》の持つ除去耐性とカードを引き込む力、そして《シルムガルの嘲笑》や《忌呪の発動》の効果を高めることができる点に尽きるでしょう。

 どうやら渡辺雄也は、《龍王オジュタイ》がモダンのようなカード・パワーの高いフォーマットでも十分に通用すると感じたようで、《水辺の学舎、水面院》とともにこの伝説のドラゴンを2枚採用しています!



第1位 《包囲サイ》

 世界選手権のトップ4入賞者のうち3名が同じカードを使用していたというのは、このカードの絶対的な力を証明するものと言えるでしょう。

 セス・マンフィールドは今大会最後のゲームで先に《包囲サイ》を繰り出し、決勝の相手であるオーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwaldを後手に回らせました。しかしターテンワルドは、その状況でも火には火を、この場合はサイにはサイをもって戦える、ということを示したのです!

 ターテンワルドの盤面に1枚目の《包囲サイ》が出たことで、戦場は膠着しました。そしてその後2枚目を繰り出すと、ターテンワルドは体勢を立て直すところまで来たのです。しかし、マンフィールドが《真面目な訪問者、ソリン》で生み出した吸血鬼・トークン2体で空から攻撃し、「さらに」2枚の《包囲サイ》を繰り出すと、ゲームは完全にマンフィールドのものになったのでした!

 これでこの試合を制したマンフィールド。彼の手札には、なんと使うまでもなかった4枚目の《包囲サイ》がありました! 《包囲サイ》戦争に勝ったマンフィールドは賞金5万ドルと「世界選手権2015王者」のタイトルを獲得し、そして世界へ再び、《包囲サイ》がまだ警戒すべき脅威であることを知らしめたのでした。


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