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【戦略記事】 まだ出番ではなかったデッキ:逆説的な結果ストーム

【戦略記事】 まだ出番ではなかったデッキ:逆説的な結果ストーム

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Meghan Wolff / Tr. Keiichi Kawazoe

2017年2月3日

原文はこちら

 プロツアーという厳しい場に持ち込まれるすべてのデッキがうまくいくわけではない。時としてデッキビルダーたちは、最適解に到達できなかったり、普通のデッキに負けてしまったり、はたまた他のデッキへの対策の巻き添えを食ってしまったりするものだ。

 チーム「EUreka」のメンバー、マルク・トビアシュ/Marc Tobiaschが、プロツアー2日前まで試していた青単の《逆説的な結果/Paradoxical Outcome(KLD)》《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir(KLD)》「ストーム」デッキをやめた理由もまさにこれで、《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai(KLD)》・《守護フェリダー/Felidar Guardian(AER)》コンボ対策のサイドボードが刺さってしまうからであった。

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チーム「EUreka」のメンバー、マルク・トビアシュがこのプロツアーで諦めた一方で、《霊気貯蔵器》はスタンダードにおいてまだポテンシャルを有していた。

「とは言え、サヒーリコンボのせいで環境には《否認/Negate(MOR)》《払拭/Dispel(RTR)》が溢れてるんだ」とトビアシュは言う。「打ちたい呪文が全部《否認/Negate(MOR)》や《払拭/Dispel(RTR)》で打ち消されるとなったら、さすがに厳しいよ。」

 《逆説的な結果/Paradoxical Outcome(KLD)》デッキは《聖戦士の盾/Cathar's Shield(EMN)》、《骨の鋸/Bone Saw(CON)》という0マナ装備品によって成り立っている――トビアシュに言わせれば「無色モックスみたいなものだよ」と。

トビアシュがこれらのカードで何をしているかを見れば、それが単なる0マナ装備品なのか「無色モックス」なのかがわかるだろう。

 十分な手札がある状況で、《逆説的な結果/Paradoxical Outcome(KLD)》でそれらを手札に戻し、3~4枚のカードを引くとしよう。それらをもう一度唱え直せば、「ストーム」さながらターン内に大量の呪文を唱えることになり、《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir(KLD)》に繋がるのだ。

 トビアシュいわく、勝負を決めるターンでは「大体呪文を8つか9つ唱えることになる」とのことだ。

 このデッキを見て、『カラデシュ』発売直後に試されていた形を思い出す人もいるだろう。当時それは競技レベルには達していなかったが、『霊気紛争』によって加わったカードがその力を押し上げたのだった。

みんなー、「教示者」だよー

「今や《発明品の唸り/Whir of Invention(AER)》を手に入れたんだ。これで、無色モックス4つを寝かせれば《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir(KLD)》を探せるんだ」とトビアシュは言う。「《鼓舞する彫像/Inspiring Statuary(AER)》も出せれば、《逆説的な結果/Paradoxical Outcome(KLD)》を唱えるのにさえ使える。そうすれば1マナになるね。モックスを戻して、出し直して、そしてまた次の《逆説的な結果/Paradoxical Outcome(KLD)》につなげるんだ。デッキ全体がつながるさ」

 このデッキのユニークなところは、他のデッキが大体積んでいるクリーチャー除去を腐らせてしまうことにある。

「対戦相手が除去を撃つのは難しいだろうね、なにしろこのデッキに入っている唯一のクリーチャーは《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》なんだ。こいつは《発明品の唸り/Whir of Invention(AER)》から呼べる、これは素晴らしいことだよ」と彼は言う。「早い段階でモックスを並べて、《解析調査/Reverse Engineer(AER)》でカードを引いて、またモックスを並べ、そして《逆説的な結果/Paradoxical Outcome(KLD)》でまた3~4枚引くんだ。」

 しかし、このクリーチャー除去を腐らせるというアドバンテージを考えた上でも、サイドボードに潜んでいるであろう《否認/Negate(MOR)》《払拭/Dispel(RTR)》の量は多すぎた。逆説的な結果ストームは自身もまた相互作用に乏しいデッキであるがゆえに、打ち消し呪文がよく刺さってしまうのだ。

「相手とやりあったとしても、向こうのカードを削れないんだ。これは厳しいよ」と彼は言う。「相手のカードに干渉できるのは《金属の叱責/Metallic Rebuke(AER)》と《岸の飲み込み/Engulf the Shore(SOI)》だけだし、《岸の飲み込み/Engulf the Shore(SOI)》では結局相手はこっちのコンボを足止めしたあと再展開すれば良いだけなんだ。厳しいね」

 だが、あなたが《逆説的な結果/Paradoxical Outcome(KLD)》と《骨の鋸/Bone Saw(CON)》という奇妙な組み合わせに惹かれているなら、まだ絶望するのは早い。

「もう少し、メタゲームがサヒーリから離れてくれれば十分やれると思うよ」とトビアシュは言う。「例えば緑黒やマルドゥ機体とかが増えてくれば、それに対してはよく戦えるんだ」

 まだ《聖戦士の盾/Cathar's Shield(EMN)》を投げ捨てるには早い。この先数か月、もしかしたらあなたの周りのプレイヤーのライブラリーに入ってくるかもしれないのだ。

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