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【観戦記事】 第8回戦:Thien Nguyen(アメリカ) vs. César Segovia(パナマ)

【観戦記事】 第8回戦:Thien Nguyen(アメリカ) vs. César Segovia(パナマ)

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Tobi Henke / Tr. Keiichi Kawazoe

2017年2月3日

原文はこちら

ティエン・ヌエン/Thien Nguyen (黒緑コンストリクター) vs. セザル・セゴヴィア/César Segovia (黒赤アグロ)

 この長い一日で、ブースター・ドラフト3回戦と新環境のスタンダード4回戦を終え、未だに無敗を貫く二人がフィーチャー・マッチ・エリアで対峙した。初日8-0という偉業を成し遂げて順位表の一番上に名前を記し、そしてトップ8に向けて土曜のスタート地点をより前に進められるのはどちらのプレイヤーだろうか。

 この試合は、お互いさほど有名ではないプレイヤー同士がより自分の名前を世に知らしめようとする戦いでもあった。チーム「Fire Squad」に属するティエン・ヌエンはグランプリのトップ8を2度経験しているが、一方のセザル・セゴヴィアも昨年のワールド・マジック・カップでパナマチームがトップ8に入賞したことでこのプロツアーの権利を得ている。ヌエンにとって今回は3度目のプロツアーだが、セゴヴィアにとっては本当に初めての経験である。

 ヌエンは今回のプロツアーで最も人気のあるデッキの一つ、黒緑コンストリクター(《巻きつき蛇》)を使っている。一方のセゴヴィアは黒赤アグロを持ち込んだ。ヌエンの+1/+1カウンター量産機が主導権を握る前に、セゴヴィアは火力と小粒なクリーチャーで殴りきることができるだろうか?

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チーム「Fire Squad」のティウ・ヌエンとパナマのセザル・セゴヴィアは、どちらがより記憶に残るプロツアー初日を終えられるかという争いに臨んでいる。

ゲーム展開

 序盤はヌエンのクリーチャーとセゴヴィアの除去の交換で始まった。ヌエンは何度か戦場に《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》、手札に《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade(AER)》という状況で自分のターンに入ったが、不運にもこの伝説のエルフを唱えるための3枚目の土地を引き入れることができなかった。

 一匹の蛇は《飲み込む炎/Hungry Flames(AER)》に、そしてもう一匹は《無許可の分解/Unlicensed Disintegration(KLD)》によって処理された。その後、やっとヌエンは3枚目の土地と三匹目の蛇を探し当てる。しかしながら、その時点でセゴヴィアはすでに《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》2枚と《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》でヌエンに圧力をかけていた。そして彼はさらに《速接会の技師/Weldfast Engineer(AER)》を軍勢に加え、戦闘を宣言し、ヌエンの反応がないのを見て《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》に搭乗させたのだった。

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ヌエンは序盤の不運にもかかわらず、まだ諦めていなかった。

 このやり取りにジャッジが介入した。現行のルールにおいて、戦闘を宣言するということは即ち攻撃クリーチャー指定までの優先権を放棄するということになる。つまり、もはや搭乗する機会はないのだ。そしてさらに、セゴヴィアは誘発についての言及もしていなかったため、《速接会の技師/Weldfast Engineer(AER)》の誘発型能力も忘れられたことになる。

 結果、5/2の《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》と4/4の《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》で攻撃するはずが、セゴヴィアは2体の3/2のみで4/4のリシュカーと対峙する割に合わない状況となってしまった。

 《闇の掌握/Grasp of Darkness(OGW)》で《速接会の技師/Weldfast Engineer(AER)》を、そしてその後には《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》で《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》を除去すると、ついにヌエンは主導権を取り返した。

 さて、サイドボードによってお互いはさらに相手より強い一撃を加えるべく舵を切った。興味深い状況がまず現れたのは、最初の交換が起きたあとのヌエンの第5ターンのことだった。彼は《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》でセゴヴィアの《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》に向かって攻撃を仕掛けた。確かにその時点ではセゴヴィアは搭乗できる状況ではなかったが、《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》を墓地から戻せばすぐ搭乗できる。これはヌエンのミスだろうか? そうなると、彼は唯一のクリーチャーをみすみす失うことになってしまう。

 しかし戦闘が終わると、彼は《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》を唱えて《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》を除去したのだった。スカイソブリンはセゴヴィアのクリーチャーの大半を撃ち落とせるのだが、セゴヴィアは新しいクリーチャーを引き込み続け、そしてそれをすべて《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》へと変えていった。結局、ゲームはヌエンの手を離れていった。

 《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》がヌエンの次のクリーチャーを除去すると、ついにヌエンに打つ手はなくなった。乗り手のいない、役に立たない《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》が彼に引導を渡した。

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セゴヴィアは直面する脅威に除去を撃ち込んでいく。

 マッチはあっけなく終わった。ヌエンが、4枚目の土地も黒マナ源も手に入れられなかったのだ。もし引けていれば、《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade(AER)》が《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》と手を組んでもう少し身を守ることが、もしかしたら反撃さえも、できたかもしれなかった。

 結局ヌエンは、《発明者の見習い/Inventor's Apprentice(KLD)》、《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev, Skyship Raider(AER)》、《速接会の技師/Weldfast Engineer(AER)》、そして《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》という軍勢を一瞥すると、頭を振って手を差し出し、投了を申し出たのだった。

ヌエン 1-2 セゴヴィア

 試合が終わると、しばらくテーブルは重苦しい空気に包まれた。しかしそれも、セゴヴィアが彼のパナマの友人たちから祝福を受けたときに取り除かれた。自身初のプロツアーで初日8-0という功績は、非常に大きな一歩なのだ。

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