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(翻訳記事)第3回戦「作戦は分かる?」Sam Black(アメリカ) vs. 中村 修平(日本・東京)

(翻訳記事)第3回戦「作戦は分かる?」Sam Black(アメリカ) vs. 中村 修平(日本・東京)

Nate Price / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru

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Sam Black(Geists) vs. 中村 修平(白緑人間)

 サム・ブラックは日本人の間で伝説の人物だ。数年前のプロツアー・クアラルンプールで彼が日本人プレイヤーのグループとともにアバロン・ヒルの古いボードゲーム・アクワイアをやっていたのを見かけて、そのことを知った。後に、また別の日本のイベントで、彼が他の日本人プレイヤーと一緒になって他のゲームをしてダイスを振っていた。興味を引かれて、私は他の日本人プロに何をしているのか尋ねたところ、そのプレイヤーは輝く笑みを満面に浮かべて「さすがはゲーマー、サム・ブラックだ!」と。サムのあらゆるゲームへの愛があまねく日本人ゲーマーに影響を及ぼしているのは明らかで、彼は「ジャーマン・ジャガーノート」「ドラゴンマスター」「ターボ・ボブ」などの威名をほしいままにしているのだ。

 ブラックが日本の伝説なら、その対戦相手は真の伝説だ。ブラックの印象的な技量を割り引くものではないし、サムは本当に尊敬を集めている、非常に高いレベルのプレイヤーだ。しかし、中村修平は殿堂顕彰者であり、世界の隅々まで旅してマジックをプレイし、この10年以上にわたってマジックの最高峰に居続けている男なのだ。日本のマジック界における指導者の一員であり、彼はまさに去年マジック殿堂顕彰者になった。これは彼が日本のマジック界、また世界のマジック界にしてきた貢献を賞するものである。中村はプロツアーに脅威をもたらした最初の日本人プレイヤーの一人であり、マジック界の生ける伝説であり、その経歴がすぐに泥のまみれることはありえない――彼が自ら投げ捨てない限りは。彼は今、プレイヤー選手権ならびにワールド・マジック・カップにおける日本一の席を渡辺雄也と競っている。このイベント開始前の点差は12点だったのだ。

ゲーム1

 マッチ開始前に、ブラックは彼のデッキをちらりと見せてくれた。その中には《聖トラフトの霊》、《不可視の忍び寄り》、《ウルフィーの銀心》が入っていた。「作戦は分かる?」 ブラックはにやりと笑いながら尋ねてきた。彼が「観戦は楽だよ! このマッチは短いからね!」と言ってのけたのを聞いて、私は少し笑ってしまった。中村は席に着き、シャッフルし、そして素早くマリガンを決めた。


「作戦は分かる?」 ブラックは《聖トラフトの霊》や《ウルフィーの銀心》を見せてから尋ねてきた。

 先に動いたのは中村で、《アヴァシンの巡礼者》と《スレイベンの守護者、サリア》を出した。一方で、ブラックは《豊かな成長》2枚と《静かな旅立ち》を使ってデッキを回し、中村の《アヴァシンの巡礼者》を手札に戻させる。中村は《アヴァシンの巡礼者》2体に加えて《教区の勇者》を出していく。この軍勢に相対して、ブラックの側には《不可視の忍び寄り》が2体並んでいるだけだった。中村はほとんどゲームを決めているかのように見えた。彼がその軍勢で攻撃すると、ブラックは《不可視の忍び寄り》で《教区の勇者》をチャンプ・ブロック、《アヴァシンの巡礼者》を唱えたばかりの《聖トラフトの霊》でブロックする。そして《ウルフィーの銀心》を戦場に出すことに成功するが、中村は《悪鬼の狩人》でそれを排除すると勝負を決める攻撃に出た。ブラックが言った「短い」と言ったのは正しかったが、それは彼の意図していたこととは違うだろう。中村のマリガンが正しかったのだ。

サム・ブラック 0-1 中村修平

ゲーム2

 ブラックは先攻を選び、マリガンをする。中村は手札7枚でゲームを始める。中村のドローは前のゲームよりも少し遅かったが、《アヴァシンの巡礼者》を使って加速するためには第2ターンに《森》を引く必要がある。それを引き当て、彼は《銀刃の聖騎士》を使って素早い人間を展開する。しかしその時、ブラックはすでに《幽体の飛行》を纏った《聖トラフトの霊》を構えていた。前のゲームで中村が示したのと同じような、ゲームを2ターンで終わらせられる脅威となった伝説のクリーチャー。中村ができる最大限の抵抗は《銀刃の聖騎士》で攻撃して4点与え、さらに《アヴァシンの巡礼者》を出すことだけだった。次のターンにブラックが攻撃すると、中村の残りライフは4点。ターン終了時に中村は《修復の天使》を使って結魂状態の《アヴァシンの巡礼者》を明滅させ、《銀刃の聖騎士》の結魂状態を解除する。そして自分のターンに《悪鬼の狩人》を出し、《銀刃の聖騎士》と組にした。《悪鬼の狩人》がブラックの唯一のブロック・クリーチャー(《アヴァシンの巡礼者》)を倒したが、それはブラックが《ウルフィーの報復者》を出すためにタップした後だった。中村は天使で攻撃し、ブラックのライフは残り13点。ブラックは《ウルフィーの報復者》に《幽体の飛行》を付けて中村の抵抗の余地をなくしてから飛行クリーチャーでダメージを与え、第2ゲームをものにしたのだった。

サム・ブラック 1-1 中村修平

ゲーム3

 どちらのプレイヤーも、この最終ゲームでもラッキーになりうるマリガンをしなかった。再び、中村は速攻に出る。《アヴァシンの巡礼者》に続いて《スレイベンの守護者、サリア》と《アヴァブルックの町長》を並べていく。ブラックも《アヴァシンの巡礼者》から軍勢を整えていく。その甲斐あって、彼は軽量級の中村に《地下牢の霊》を使い、《アヴァシンの巡礼者》を押さえつけていく。《スレイベンの守護者、サリア》の攻撃は続き、ブラックのライフは残り14点に。《教区の勇者》が続いて、局面は均衡状態になった。


殿堂顕彰者・中村修平はマッチ外では
軽い男だが、軽く見ていい相手ではない。

 ブラックは《不可視の忍び寄り》を出して流れを引き寄せ、《聖トラフトの霊》で中村を攻撃する。中村のライフは17点に減った。中村が《近野の巡礼者》を戦場に出し、《教区の勇者》と組にすると再び局面は中村に傾いた。盤面を支配しているブラックは《ウルフィーの報復者》を瞬唱で出し、《教区の勇者》を相打ちに取る。そうすると、土地が止まった中村は盤面でブラックに追いつくことができなかった。ブラックが《解放の樹》を出し、《高まる残虐性》で《不可視の忍び寄り》を強化すると、中村のマナ事故は致命的なものになった。2ターン後、中村はマッチの終わり方にひどく落胆した様子で投了したのだった。

サム・ブラック 2-1 中村修平


Sam Black / Geists
プロツアー:アヴァシンの帰還・バルセロナ(イニストラード・ブロック構築)
9 《森》
2 《島》
1 《平地》
4 《内陸の湾港》
4 《魂の洞窟》
4 《進化する未開地》

-土地(24)-

4 《アヴァシンの巡礼者》
4 《不可視の忍び寄り》
3 《絡み根の霊》
4 《聖トラフトの霊》
3 《地下牢の霊》
4 《ウルフィーの銀心》

-クリーチャー(22)-
3 《豊かな成長》
3 《静かな旅立ち》
4 《幽体の飛行》
4 《高まる残虐性》

-呪文(14)-
3 《ウルフィーの報復者》
4 《解放の樹》
2 《アンデッドの錬金術師》
3 《雲散霧消》
1 《魔女封じの宝珠》
2 《情け知らずのガラク》

-サイドボード(15)-
中村 修平 / 白緑人間
プロツアー:アヴァシンの帰還・バルセロナ(イニストラード・ブロック構築)
9 《森》
8 《平地》
4 《魂の洞窟》
3 《ガヴォニーの居住区》

-土地(24)-

4 《アヴァシンの巡礼者》
4 《教区の勇者》
4 《アヴァブルックの町長》
3 《スレイベンの守護者、サリア》
3 《国境地帯のレインジャー》
4 《銀刃の聖騎士》
4 《悪鬼の狩人》
3 《修復の天使》
1 《ガヴォニーの騎手》
4 《ウルフィーの銀心》

-クリーチャー(34)-
2 《信仰の盾》

-呪文(2)-
3 《近野の巡礼者》
2 《忌まわしきものの処刑者》
3 《鷺群れのシガルダ》
2 《墓掘りの檻》
2 《ガヴォニーの騎手》
3 《情け知らずのガラク》

-サイドボード(15)-

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