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(翻訳記事)準々決勝:難局への対処Denniz Rachid(スウェーデン) vs. 行弘 賢(日本・和歌山)

(翻訳記事)準々決勝:難局への対処Denniz Rachid(スウェーデン) vs. 行弘 賢(日本・和歌山)

Steve Sadin / Translated by Yusuke Yoshikawa

原文はこちら

デニス・ラシド/Denniz Rachid(白緑人間) vs. 行弘 賢(リアニメイター)

 デニス・ラシドは最近絶好調にある。プロツアー・闇の隆盛に引き続き、今週末のプロツアー・アヴァシンの帰還でもトップ8に入ってみせた。これで自身のプロ・プレイヤー・クラブのプラチナ・レベルを確定させ、ワールド・マジック・カップのスウェーデン代表チームのキャプテンの座も確保した。これらの輝かしい(そして実利のある)名誉を得てもなお、デニス・ラシドは次の3マッチで素晴らしい戦績を得ようと狙っている。プロツアー・チャンピオンだ。

 しかしラシドの目の前には険しい道が延びている。まずは、グランプリ・神戸準優勝の行弘賢との対戦だ。

 行弘は今まで日本以外では知られた名前ではなかったかもしれないが、今や名が轟くのも時間の問題だ。中村修平と渡辺雄也が地位を固めた今、行弘賢は日本の「次世代の大物」だ。このトップ8はその主張を確固たるものにしているように思える。


デニス・ラシドがプロ・プレイヤー・クラブのプラチナ・レベルを確保した一方、対戦相手の行弘賢も日本国外にも名を知らしめようとしている。

ゲーム1

 ラシドは《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》と《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben(DKA)》から入り、一方の行弘は2枚の《根囲い/Mulch(ISD)》で手札に土地を、墓地に《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger(AVR)》《大聖堂の聖別者/Cathedral Sanctifier(AVR)》《栄光の目覚めの天使/Angel of Glory's Rise(AVR)》を溜めていく立ち上がりになった。

 行弘に必要なすべてのパーツが揃い、5マナさえ用意できれば《堀葬の儀式/Unburial Rites(ISD)》で破壊的な《栄光の目覚めの天使/Angel of Glory's Rise(AVR)》が降臨するとあって、ラシドは早期の決着が必要なことを理解していた。《銀刃の聖騎士/Silverblade Paladin(AVR)》は確かにその助けになると思われた。

 《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》が行弘のもとに現れると、この日本人プロが数ターンのうちに「無限」の大きさの飛行戦力を得られることが、突如明らかになった。

 しかし、2体目の《銀刃の聖騎士/Silverblade Paladin(AVR)》が現れたことで、行弘は《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》をチャンプブロックに使わざるを得なくなった。行弘が最終的に《堀葬の儀式/Unburial Rites(ISD)》で《栄光の目覚めの天使/Angel of Glory's Rise(AVR)》を戻すまでは、わずか2ライフしか残されていなかった。

 だが、2枚目の《堀葬の儀式/Unburial Rites(ISD)》が《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》を呼び戻したとき、ラシドは彼に残された時間がないことを知った。

 次の行弘のターン、彼はもう1枚の《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》をキャストして、自身の《栄光の目覚めの天使/Angel of Glory's Rise(AVR)》を追放した。戦場に出たときの能力が解決された後、彼は《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》で《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》を生け贄に捧げ、この吸血鬼に+1/+1カウンターを与えるとともに《栄光の目覚めの天使/Angel of Glory's Rise(AVR)》を戻す。《栄光の目覚めの天使/Angel of Glory's Rise(AVR)》が戻れば、戦場に出たときの能力で《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》が帰還し、それが《栄光の目覚めの天使/Angel of Glory's Rise(AVR)》を追放し・・・


おや? 目の前で起こっているのはループかな?

 このコンボによるループがもう数十回行われ、行弘は任意の大きさとなった《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》で、マッチを1-0で素早くリードした。

デニス・ラシド 0-1 行弘賢

ゲーム2

 ラシドは第2ゲームを《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben(DKA)》と《銀刃の聖騎士/Silverblade Paladin(AVR)》で入った(これらが即座に組になった)。一方の行弘は《信仰無き物あさり/Faithless Looting(DKA)》と《大聖堂の聖別者/Cathedral Sanctifier(AVR)》をキャストする以外に何もできなかった。

 行弘は4枚目の土地を置けず、《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben(DKA)》のせいで手札のどの呪文もキャストできないばかりか、《信仰無き物あさり/Faithless Looting(DKA)》をフラッシュバックすることもできない。行弘は何もできずにターンを渡さざるを得ず、数ターン土地が引けなかったところで、第3ゲームへとシャッフルを始めた。

デニス・ラシド 1-1 行弘賢

ゲーム3

 《魂の洞窟/Cavern of Souls(AVR)》により、ラシドは第3ゲームを《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》から2枚の《アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim(ISD)》につなげるスタートを切った。行弘は対抗して長いゲームに持ち込むべく《大聖堂の聖別者/Cathedral Sanctifier(AVR)》と《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger(AVR)》を展開する。

 《アヴァブルックの町長/Mayor of Avabruck(ISD)》と《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben(DKA)》がラシドのダメージクロックを早める一方、行弘は将来の脅威として《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》を出した。

 2回のビッグ・アタックによりライフが6となったところで、行弘は《冒涜の行動/Blasphemous Act(ISD)》をキャストしつつ、スタックで《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger(AVR)》を生け贄に捧げて《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》を破壊されないようにしてみせた。


ラシドは行弘に一掃呪文を使わせるように強いた。

 これでゲームはほとんど行弘に渡ったかと思われたが、ここで行弘の手から意味のある呪文が尽きてしまったことが明らかになった。その一方で、ラシドは《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》、《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》、《銀刃の聖騎士/Silverblade Paladin(AVR)》と持っており、行弘がゲームを決める1枚を引く前に、勝負を決めてみせたのだった。

デニス・ラシド 2-1 行弘賢

ゲーム4

 デニス・ラシドは《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》から開幕し、この第4ゲームも爆発の準備は万端かに思われた。しかし、軽いクリーチャーが後続として現れず、爆発は結局のところ竜頭蛇尾以上の何ものでもなかったことが知れてしまった。

 ラシドのデッキがもがく一方、行弘は《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》と《霊誉の僧兵/Geist-Honored Monk(ISD)》で戦線に強い圧力をかけていった。

 《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》と《ガヴォニーの居住区/Gavony Township(ISD)》が少々の守りをラシドに与えたものの、行弘の手にもあった《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》が、マッチを勝負の第5ゲームに移行させることとなった。

デニス・ラシド 2-2 行弘賢

ゲーム5

 ラシドは早期の圧力として《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben(DKA)》と《銀刃の聖騎士/Silverblade Paladin(AVR)》を送り込んだが、行弘の第3ターン《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》が《銀刃の聖騎士/Silverblade Paladin(AVR)》を追放し、呪文の少ないラシドの攻勢を完全にシャットダウンした。

 この瀬戸際において、ラシドは勝利するために、行弘が手札にある数々のパワフルなカードをキャストするための土地を引き当てる前に、何か有効なカードを引いてくれと願うしかなくなった。

 しばらくの間、2人は互いにターンを返すことを繰り返したが、ラシドは《ドルイドの使い魔/Druid's Familiar(AVR)》と《ガヴォニーの居住区/Gavony Township(ISD)》を引き当てて攻撃のギアを上げることができた。そして彼は、勝負を決めるために脅威の展開を急ぐ・・・


行弘は、いかにしてラシドの攻撃的な人間デッキに反撃するかを熟考した。

 しかしラシドが仕事を終えようとしたまさにそのとき、行弘は4枚目の土地を引き、《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》をキャストした。この時点でなおもラシドは盤面を完全に支配していたのだが、《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》が行弘に時間を与え、《冒涜の行動/Blasphemous Act(ISD)》がすべてを清算した。

 ついにラシドは脅威を使い果たし、《栄光の目覚めの天使/Angel of Glory's Rise(AVR)》が行弘の勝利を決したのだった。

デニス・ラシド 2-3 行弘賢

 行弘賢が3-2で勝利し、準決勝進出!

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