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(翻訳記事)決勝:奇跡の来臨Alexander Hayne(カナダ) vs. Gaudenis Vidugiris(リトアニア)

(翻訳記事)決勝:奇跡の来臨Alexander Hayne(カナダ) vs. Gaudenis Vidugiris(リトアニア)

Josh Bennett / Tr. YOMEMURA "Pao" Kaoru

原文はこちら

アレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayne(白青奇跡) vs. ゴーデニス・ヴィドゥギリス/Gaudenis Vidugiris(Geists)

 この週末までは、ゴーデニス・ヴィドゥギリスには課題があった。昨シーズンのプロツアーでトップ8に入賞はしていたが、現在のプロポイントのシステムでは今回のプロツアーで好成績を収めなければゴールド・レベルに至らず、来期のプロツアーのために予選に出なければならなくなるのだ。そして数日が過ぎ、彼はあと1勝でプラチナ・レベルと、プロツアー王者の座、そしてプレイヤー選手権の参加資格を手にするところまでたどり着いていた。

 その正面にいるのが、カナダのアレクサンダー・ヘイン。こちらもこの週末にすばらしい成績を見せている。カナダ代表チームのキャプテンの座と、トップ8入賞によるプラチナ・レベル、さらには最優秀新人賞を確定させ、ジョニー・マジック相手に勝利を収めるという栄誉も手にしていた。目の前に残された山はたった1つ、プロツアーの優勝である。

ゲーム1

 カメラが回り始めるより前に、ヴィドゥギリスは2枚マリガンをして手札5枚でスタート。《森》と《アヴァシンの巡礼者》を出したものの、次の土地を引けずに、攻撃して1点のダメージを与えて終了。ヘインは《平地》を持ってくると、ヴィドゥギリスのアップキープに《島》とそれをタップして《戦慄の感覚》を唱え、《アヴァシンの巡礼者》をタップさせる。

 ヴィドゥギリスは《魂の洞窟》を引き、人間を宣言して《不可視の忍び寄り》を出した。ヘインは3枚目の土地を出してターン終了ヴィドゥギリスは《豊かな成長》を使い、土地と《アヴァシンの巡礼者》から《幽体の飛行》を《不可視の忍び寄り》につける。ヘインはターン終了時に《熟慮》を唱え、アンタップしてから一発目の奇跡《壊滅的大潮》を顕現させた。


マッチ最初の奇跡《壊滅的大潮》を手にしたアレクサンダー・ヘイン

 ヴィドゥギリスは《島》の助けを借りて《不可視の忍び寄り》と《アヴァシンの巡礼者》を再び戦場に戻す。ヘインは2枚目の《島》を出し、5マナ残した状態でターンを返した。ヴィドゥギリスは2枚目の《魂の洞窟》を出し、今度の宣言はスピリット。そして《絡み根の霊》を出し、《幽体の飛行》を《不可視の忍び寄り》につけた。その解決後に攻撃してヘインのライフは残り10点。しかしここで不幸なことに、ヘインは6枚目の土地を出し、《終末》を放って盤面をゼロに戻してしまった。

 ヴィドゥギリスの残された手は《豊かな成長》だけというところで、《月の賢者タミヨウ》が現われ、《豊かな成長》のついた《島》を封じ込む。ヴィドゥギリスは《森》を出したものの、4マナでできることが何もなかった。ヘインはさらに《月の賢者タミヨウ》を活用し、ヴィドゥギリスは足踏みを余儀なくされる。《月の賢者タミヨウ》のカウンターが7つになったところで、ヘインは《天使への願い》を普通に唱え、7マナで天使を2体呼び出した。ヴィドゥギリスの戦力は《不可視の忍び寄り》だけ。ヘインは攻撃して8点、さらに天使を2体呼び出して次のターンの決着を確実なものにしたが、ヴィドゥギリスには止める手はなかった。

アレクサンダー・ヘイン 1-0 ゴーデニス・ヴィドゥギリス

ゲーム2

 第2ゲームの運命の矢は逆に振れた。今度はヘインがマリガンを繰り返し、満足できたときには手札は4枚に減っていた。

「仕方ないね」

 ヘインは苦笑いとともにそう言った。


優位をもってヘインを圧するヴィドゥギリス。
トリプルマリガンからでは相当の奇跡がなければ逆転できないだろう。

 ヴィドゥギリスは《不可視の忍び寄り》から動いていく。ヘインは《平地》2枚をプレイするが、そこでパーマネントが止まった。ヴィドゥギリスは《魂の洞窟》を戦士を宣言して出し、4マナをタップして《情け知らずのガラク》から狼を出していく。ヘインの側は何もないままだ。《不可視の忍び寄り》に《高まる残虐性》が与えられて、ヘインのライフは残り11点。そしてヴィドゥギリスのターン、ヴィドゥギリスに2枚目の《高まる残虐性》を見せられて、ヘインはカードを片付けることになった。

アレクサンダー・ヘイン 1-1 ゴーデニス・ヴィドゥギリス

ゲーム3

 ヴィドゥギリスは再びダブルマリガンを強いられ、苦しいスタートに。《不可視の忍び寄り》を第2ターンに出すも、ヘインは《時間の熟達》を引き当て、奇跡を見せる。2ターン後、4マナを残した状態でターンを返す。ヴィドゥギリスは《不可視の忍び寄り》に《幽体の飛行》をつけて攻撃し、3点のダメージを与えるが、《月の賢者タミヨウ》が彼の3枚目の土地を止めた。

 ヴィドゥギリスは《月の賢者タミヨウ》を攻撃して忠誠カウンターを2個に減らし、4枚目の土地を出してターンを終える。ヘインは土地をタップさせたままにして、《進化する未開地》をプレイした。ヴィドゥギリスは《絡み根の霊》を出して攻撃に入るが、ヘインの手には対策があった。《平地》を探し出してくると、《熟慮》をフラッシュバック――しかし奇跡は起こらなかった。ヴィドゥギリスは《不可視の忍び寄り》で《月の賢者タミヨウ》を倒し、《絡み根の霊/Strangleroot Geist(DKA)》がヘインのライフを15点に削る。

 ヘインはアンタップし、《天使への願い》で2体の天使を降臨させる。並んでいる4枚の土地を見て、ヴィドゥギリスは少し考えた。やがて、両方のクリーチャーで攻撃することを選ぶと、想像通り、ヘインは《聖トラフトの霊》をブロックしてライフが12点まで減った。ヴィドゥギリスは《アヴァシンの巡礼者》を唱えてターンを終える。

 ヘインはさらなる奇跡を引き当て、今度は《天使への願い》をX=4で唱えた。ヴィドゥギリスはそれを《雲散霧消》で防ぐ。ヘインは8点の攻撃を済ませ、2マナ残した状態でターンを終えた。その後、ヴィドゥギリスのアップキープに《戦慄の感覚》を唱え、《絡み根の霊/Strangleroot Geist(DKA)》と《アヴァシンの巡礼者》をタップさせたが、ヴィドゥギリスの攻撃でヘインのライフは9点に減る。ヘインのデッキの一番上にあったのは、もう1枚の《天使への願い》で、今度は問題なく解決された。最初の2体の天使が攻撃して、ヴィドゥギリスのライフは残り4点。フラッシュバックで《戦慄の感覚》を唱えられるので、ゲームはこれで終わりだった。


ヘインの奇跡《天使への願い》によって呼び出される軍勢は、
まさに「ハレルヤ」の名にふさわしい

アレクサンダー・ヘイン 2-1 ゴーデニス・ヴィドゥギリス

ゲーム4

 シャッフルしながら、プレイヤーたちはマリガンが多すぎると言っていた。言われて恥ずかしかったのか、第4ゲームのライブラリーはマリガンの必要のない手札を供給してくれたようだ。

 ヴィドゥギリスは《森》と《魂の洞窟》から《絡み根の霊》を出し、2点の攻撃を加えたが、ヘインのライブラリーの一番上には《終末》が待ち受けておりこれを除去する。ヘインは《進化する未開地》を出してターンを終了させる。ヴィドゥギリスは《豊かな成長》を使い、2体目の《絡み根の霊》を出してヘインのライフを16点に削る。ヘインは《時間の熟達》をめくりあて、そのターンを土地出しに費やした。

 ヴィドゥギリスはアンタップすると勝負をかけた。《森》を出し、《高まる残虐性》を《絡み根の霊》につけ、攻撃。《高まる残虐性》は解決されたが、ヘインの手にあった《戦慄の感覚》がダメージを防いだ。ヘインは5枚目の土地を出し、ターンを終える。ヴィドゥギリスは再び攻撃して、ヘインの《熟慮》は奇跡をもたらせず、結局フラッシュバックの《戦慄の感覚》が防御に入った。

 ヴィドゥギリスは5マナをタップして《ウルフィーの銀心》を唱え、ターン終了。ヘインは6枚目の土地を出し、《終末》を唱える。ヴィドゥギリスはまだガス欠にはならなかったが、ヘインの巨大呪文が実現する前に勝負を付けなければならない。《聖トラフトの霊》を出し、ヘインが7枚目の土地を求めてメイン・フェイズに2回の《熟慮》を唱えるという絶好の機会を手に入れた。

 ヴィドゥギリスはこの機会をどう活かすべきか考え、そして《聖トラフトの霊》とその呼び出した天使で攻撃し、ヘインのライフを10点に削ってから《アヴァシンの巡礼者》を呼び出した。ヘインは7枚目の土地を出すと《天使への願い》をX=2で唱え、解決させる。ヴィドゥギリスはターン終了時に何かをするかと考えたが、なにもしなかった。アンタップして、《高まる残虐性》を《聖トラフトの霊》に唱えてから攻撃すると、ヘインは天使2体で《聖トラフトの霊》をブロックし、1体を犠牲にして《聖トラフトの霊》を除去する。これでヘインのライフは残り6点になった。


対戦相手のライブラリーから最悪のカードが出た場合に備え、あらゆる選択肢を考えるヴィドゥギリス

 ヘインは嵐を耐えきったようなものだった。天使トークンで攻撃し、8マナを残した状態でターンを終える。ヴィドゥギリスは《魂の洞窟》から新しい《聖トラフトの霊》を呼び出した。ヘインはターン終了時に《思考掃き》を唱え、アンタップしたが土地を出すだけで、天使はその場に残した。ヴィドゥギリスはターン終了時に《ウルフィーの報復者》を出し、ヘインはそこに《戦慄の感覚》、しかしヴィドゥギリスは《聖トラフトの霊》を失いたくはなかったので攻撃しなかった。《情け知らずのガラク》を出すも、これは《雲散霧消》で対処される。

 《聖トラフトの霊》に対するヘインの次の一手は、自分も《聖トラフトの霊》を出すことだった。《時間の熟達》を普通に唱え、ヴィドゥギリスを攻撃して残り12点。追加ターンに《進化する未開地》を出してターン終了だ。ヴィドゥギリスは攻撃の宣言前にじっくりと考えた。ヘインは土地を探し出し、《熟慮》をフラッシュバックする。しかし奇跡は起らなかった。彼は《戦慄の感覚》をフラッシュバックし、ヴィドゥギリスはそれ以上なにもしなかった。ヘインはアンタップすると《月の賢者タミヨウ》を唱え、カードを2枚引き、《思考掃き》を自分に唱えた。6マナ残してターンを終了し、ヴィドゥギリスはそこで動いた。《ウルフィーの報復者》を再び呼び出したのだ。今度は問題なく解決された。

 ヴィドゥギリスはアンタップし、《ウルフィーの銀心》を唱えると、《ウルフィーの報復者》と組にしてその《ウルフィーの報復者》と《アヴァシンの巡礼者》でヘインに、もう一体の《アヴァシンの巡礼者》で《月の賢者タミヨウ》に攻撃を仕掛ける。ヘインは巨大な《ウルフィーの報復者》をチャンプ・ブロックでしのいだものの、《月の賢者タミヨウ》は倒されてしまう。ヘインはゆっくりとライブラリーの上を見――そこにあったのは、《時間の熟達》だった。不幸にして、必要な奇跡はそれではなかった。もう一度カードを引き、ターンを終える。ヴィドゥギリスが攻撃すると、ヘインは土地だらけの手札を見せ、カードを片付けるのだった。

アレクサンダー・ヘイン 2-2 ゴーデニス・ヴィドゥギリス

ゲーム5

「第5ゲームに入るにふさわしいな」――アレクサンダー・ヘイン

「今日全部5本やってるよ」――ゴーデニス・ヴィドゥギリス

「俺もだ」

 ヘインは手札7枚をさっさとライブラリーに戻し、シャッフルを始める。ヴィドゥギリスは自分がマリガンすべきかどうかを考えていた。やがて、ヴィドゥギリスはキープすることを選び、ヘインも6枚でマリガンを終える。あとは試合開始の合図を待つだけだ。

 ヘインの《平地》に応えるようにヴィドゥギリスは《森》を出し、《アヴァシンの巡礼者》を唱える。マリガンするかどうか悩んでいた理由は、ヘインが《戦慄の感覚》を使って《アヴァシンの巡礼者》をタップし、ヴィドゥギリスが土地を出せずにターンを終えたときに明らかになった。

 ヘインは3枚目の土地を出し、《戦慄の感覚》でもう1ターンの時間を稼ごうとする。ヴィドゥギリスは《内陸の湾港》を引き当てていたが、何もできないままだった。ヘインは《時間の熟達》を奇跡で唱えたが、4枚目の土地を出せない。追加ターンに1枚出して、ターン終了となる。ヘインがヴィドゥギリスのアップキープに《熟慮》を唱えたものの奇跡は起こらず、2枚目の《戦慄の感覚》を手札から見せる。するとヴィドゥギリスは《幽体の飛行》を自分の《アヴァシンの巡礼者》につけてターンを終えた。

 ヘインはメイン・フェイズに《熟慮》でドローを増やし、土地を置いてターンを返す。ヴィドゥギリスのアップキープに《思考掃き》を唱えたが、やはり奇跡を引き当てることが出来ない。《戦慄の感覚》をフラッシュバックさせ、土地を引けなかったヴィドゥギリスは手札を捨てるはめになる。ヘインが《月の賢者タミヨウ》を出して《アヴァシンの巡礼者》をロックするに至って、状況は最悪になった。

 ヴィドゥギリスは《進化する未開地》を出してターンを終え、《アヴァシンの巡礼者》をタップさせ続けている《月の賢者タミヨウ》が6個のカウンターを蓄えたころに《平地》を手に入れた。ヴィドゥギリスは《聖トラフトの霊》を唱えるが、《瞬唱の魔道士》が墓地に落ちていた《雲散霧消》を使って阻止。引いてきた《森》を出してターンを終えることになる。ヘインはアンタップし、フラッシュバックで《熟慮》を唱える。《月の賢者タミヨウ》の忠誠カウンターはついに7つ。攻撃して2点のダメージを与えてターン終了となった。

 ヴィドゥギリスはもう1体の《聖トラフトの霊》を出し、今度は解決される。ヘインはターン終了時に《熟慮》を使うも、なにも引けなず、2枚目の《平地》を手にしただけだった。狙いをヴィドゥギリスの唯一の青マナ供給源《内陸の湾港》に切り替え、ヴィドゥギリスのアップキープに《戦慄の感覚》で《アヴァシンの巡礼者》をタップさせる。ヴィドゥギリスは《絡み根の霊》を唱え、全軍で《月の賢者タミヨウ》を攻撃した。《瞬唱の魔道士》が《絡み根の霊》を止めるも、《月の賢者タミヨウ》の忠誠カウンターは2個に減ってしまった。

 ヘインはターン終了時に《熟慮》を唱え、アンタップして、ついに待ち焦がれていた奇跡を引き当てる。《天使への願い》だ。

 突然、合計パワー20の飛行クリーチャーが現われる。《月の賢者タミヨウ》が《アヴァシンの巡礼者》を止め、ヘインは勝利を確信してターンを返した。ヴィドゥギリスは盤面を見て顔をしかめ、《絡み根の霊》に《高まる残虐性》を唱え、もしかしたらブロックしてくれるかも知れないという一縷の望みをかけて《月の賢者タミヨウ》を攻撃した。ヘインがブロックしないことを選んだのを見て、ヴィドゥギリスは握手を求め、手を差し出した。


《天使への願い》が奇跡をかなえ、想像を絶する決着となった。
天使が歌い、相手が敗れ、アレクサンダー・ヘインはプロツアーに勝ったのだ!

 そばでマッチを見守っていたカナダ勢から歓声が沸き起こる。スコット・ララビー/Scott Larabeeがステージに現われ、王者のトロフィーを授与するに至って、彼らは興奮した様子でレオナルド・コーエンの「ハレルヤ」を歌い、同胞の勝利を祝福した。

アレクサンダー・ヘイン 3-2 ゴーデニス・ヴィドゥギリス


おめでとう、プロツアー・アヴァシンの帰還 王者、アレクサンダー・ヘイン!

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