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プロツアー『戦乱のゼンディカー』

観戦記事

第5回戦:Owen Turtenwald(アメリカ) vs. 三原 槙仁(日本)

青木 力
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Adam Styborski / Tr. AOKI Chikara

2015年10月16日


オーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwald(ダーク・ジェスカイ) vs. 三原 槙仁(ブルー・アブザン)

 2014年にプロツアー殿堂入りした三原槙仁は、多くの殿堂顕彰者がそうであるように、マジックの歴史で最も成功したプレイヤーの一人だ。個人とチームの両方で世界選手権のタイトルを持ち、 ジョン・フィンケル/Jon Finkelとカイ・ブッディ/Kai Buddeに続く5度のプロツアートップ8、複数のグランプリでの成功が、三原は個人が到達しうる最高のプレイヤーであることを示している。

 対するはプロツアーを恐怖に陥れるタイプのプレイヤーだ。世界ランキング5位のオーウェン・ターテンワルドは2度「しか」プロツアートップ8に入っていないが、2013年のワシントンDCとアルバカーキの2週連続優勝を含む様々なグランプリの成功でそれを補う。優れたパフォーマンスを続ける彼は、平均的なプレイヤーに立ちはだかる壁であると言ってもいいだろう。

 2人とも挑戦される側ではあるが、早々に軌道修正したようだ。プロツアーの早い段階で2敗目を喫したいプレイヤーなんていない。

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プロツアー殿堂の三原槙仁が、2015年世界選手権準優勝のオーウェン・ターテンワルドとスタンダード・ラウンド前半で対峙する。

デッキ

 三原は前環境のアブザンに手を加えたブルー・アブザンを使う。この1年、《アブザンの魔除け》と《包囲サイ》はただただ強かったが、『戦乱のゼンディカー』によってもたらされた強力な「バトル・ランド」により、《ヴリンの神童、ジェイス》と《宝船の巡航》まで投入できるようになったのだ。追加のカード・ドローと余剰マナが《黄金牙、タシグル》につぎ込まれ、より強力に運用されるだろう。

 ターテンワルドはプロツアー直前のトーナメントで組み上げられたダーク・ジェスカイを選択している。中核をなすのは《カマキリの乗り手》、《ヴリンの神童、ジェイス》や《魂火の大導師》、火力、打ち消し呪文と、もちろん4色目を使うための新しい「バトル・ランド」だ。タッチ色の黒要素、《はじける破滅》と《黄金牙、タシグル》は、ジェスカイだけでは足りなかった回答と必然性を提供する。

ゲーム

 三原は《ヴリンの神童、ジェイス》、ターテンワルドは《魂火の大導師》をお互い2ターン目に呼び出す。次のターン、《ヴリンの神童、ジェイス》が起動されて捨てるのが《搭載歩行機械》だって?そんな強いカードを? 代わりに呼び出された《巨森の予見者、ニッサ》は、《魂火の大導師》と相打ち、三原は《包囲サイ》を呼び出す。

 2ターン続けて何もしなかったターテンワルドを尻目に、《ヴリンの神童、ジェイス》がライブラリーを掘り進み変身する。《はじける破滅》が三原の《包囲サイ》を倒し、《束縛なきテレパス、ジェイス》の忠誠値を減らした。三原は2体目の《包囲サイ》を戦場に出してプレッシャーをかけ続ける。

 ターテンワルドは《黄金牙、タシグル》で応え、《払拭》で《アブザンの魔除け》から守るが、三原は除去を《束縛なきテレパス、ジェイス》でもう一度使うだけだ。

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三原のアブザン・クリーチャーは強力な青いカードにサポートされている。

 ターテンワルドの二の矢は《龍語りのサルカン》だが、ライフが7に落ち込んでしまい、三原の3/3の《搭載歩行機械》が立ちはだかる。除去を引けなかったため、三原の次の攻撃が致命傷となった。

 第2ゲームは異なった様相を呈した。三原は2ターン目から《搭載歩行機械》、《ヴリンの神童、ジェイス》と強い動きだが、ターテンワルドも《カマキリの乗り手》、《焙り焼き》で応え、ライフレースで16対12と先行すると、さらに《ヴリンの神童、ジェイス》を追加する。

 《包囲サイ》で三原はライフ・スコアを逆転。ターテンワルドは《ヴリンの神童、ジェイス》を変身させ、《包囲サイ》への壁として《黄金牙、タシグル》を呼びだす。今回の《黄金牙、タシグル》は即死しない。

 三原は《搭載歩行機械》で攻撃し、ブロックされて2体の飛行機械・トークンとなる。《宝船の巡航》が解決されて三原がライブラリーを掘り進む。1/1の《搭載歩行機械》を呼び出してライフは10だ。

 ターテンワルドは《黄金牙、タシグル》を起動して《焦熱の衝動》を手に入れ、即座に《搭載歩行機械》を除去する。《カマキリの乗り手》へ《アブザンの魔除け》、さらに《払拭》で《黄金牙、タシグル》を押し通した三原は一見優位に立ったかに思われたが、次のターンのターテンワルドは完璧だった。《はじける破滅》と、「フラッシュバック」した《焙り焼き》でブロッカーを退け、《黄金牙、タシグル》が三原にとどめを刺した。

 第3ゲームはゆっくりとした立ち上がり。お互い2ターン目は何もせず、三原の《巨森の予見者、ニッサ》がファーストアクション。ターテンワルドは《ヴリンの神童、ジェイス》と《竜使いののけ者》を並べる。《包囲サイ》を出せなかった三原に対し、ゲームが長引けばターテンワルドがはるかに有利だ。

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ターテンワルドはプロツアーの中で最も安定したプレイヤーの一人だ。

 ターテンワルドは《ヴリンの神童、ジェイス》を起動し、変身させて《黄金牙、タシグル》を呼び出すが、三原の《アブザンの魔除け》をかわせない。三原は変異こと《棲み家の防御者》を呼び出す。ターテンワルドはターン終了時に《コラガンの命令》で《巨森の予見者、ニッサ》を除去。

 《束縛なきテレパス、ジェイス》が《コラガンの命令》を「フラッシュバック」して変異を狙う。《棲み家の防御者》が表向きになって《ヴリンの神童、ジェイス》を回収、土地を捨てる。三原は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》から同盟者・トークンを呼び出し、《影響力の行使》でターテンワルドの《竜使いののけ者》のコントロールを奪い、反撃の狼煙を上げる。

 しかしターテンワルドの手札には既に回答があった。

 《はじける破滅》を《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の起動に合わせる。《束縛なきテレパス、ジェイス》の能力ですでに存在していたトークンのパワーは0になっていたので、《竜使いののけ者》の除去に成功、ターテンワルドはドラゴン・トークンによる敗北を回避した。《束縛なきテレパス、ジェイス》が《はじける破滅》を「フラッシュバック」して、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を道連れに。

 だがしかし、三原は2体目の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と、《棲み家の防御者》が拾っていた《ヴリンの神童、ジェイス》を空になった戦場に呼び出す。ターテンワルドの手札には何もない。三原が《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を破壊不能なアタッカーにして、次のターンには致命的なダメージを与えそうだ。

 ターテンワルドは握手を求めて手を伸ばす。「グッドゲーム。」

ターテンワルド 1-2 三原

 デッキリストの公開は、第16回戦開始後となります。

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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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