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【観戦記事】 第16回戦:高橋 優太(日本) vs. 玉田 遼一(日本)

【観戦記事】 第16回戦:高橋 優太(日本) vs. 玉田 遼一(日本)

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Corbin Hosler / Tr. AOKI Chikara

2015年10月17日

原文はこちら

高橋 優太(アブザン) vs. 玉田 遼一(ジェスカイ)

 フィーチャーマッチ・エリアにいるプレイヤーは、プロツアー『戦乱のゼンディカー』スイスラウンド最終戦、第16回戦の開始を静かに待っている。ここにいる何人かは今大会最後の試合となるだろう。少数の幸運なプレイヤーにとっては、日曜日に栄光を懸けて戦うために戻ってくる、そのひとつ前の試合になる。

 高橋優太はもうおなじみだろう。2007年のプロツアー・サンディエゴで決勝ラウンドに進出し、決勝で惜しくも敗れた。9度のグランプリ・トップ8(3度の優勝)を誇るベテランで、プロツアー・サンデーへの道をゆくプレッシャーにも慣れている。

 玉田遼一も無名などではない。高橋ほど知れ渡ってはいないものの、2度グランプリ・トップ8に入賞しており、その経歴にプロツアー・トップ8を加えるのにあと1勝まできた。

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2人の日本人が生き残りを懸けたマッチで相対する。トップ8に入るのは手慣れたベテランの高橋優太か、それとも2015年のワールド・マジック・カップ日本代表の玉田遼一か。

 高橋はアブザン、玉田はジェスカイと、両者ともによく知られたデッキをトーナメントに持ち込んできたが、各々手を加えている。高橋の側で言えば、よく見受けられる《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》に加えられた《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》だ。

 多くのジェスカイ・プレイヤーは今大会に黒をタッチして持ち込んできたが、玉田はシンプルなものを持ち込んでいた。彼のデッキには《燃えがらの林間地/Cinder Glade(BFZ)》と《梢の眺望/Canopy Vista(BFZ)》という色の合わない土地が入っているが、これらはフェッチ・ランドのためだけに使われている。マナ・ベースを単純なものにしたことで、より多くの《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》と《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm(KTK)》を使う余裕があり、それぞれ4枚ずつ取られている。

ゲーム

 高橋が素早く門をくぐって行く。《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》を開幕ターンに出し、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》を続ける。玉田の《勇敢な姿勢/Valorous Stance(FRF)》さえ喰らわなければあっという間にゲームを決定づけていただろう。そんな玉田は、《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》と高橋の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》が呼び出したトークンのプレッシャーを受けつつも、《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》を成長させ始める。

 玉田は《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm(KTK)》を見つけて《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を排除したが、次のターンの《風番いのロック/Wingmate Roc(KTK)》とその友達が一緒に戦場に現れると、回答不足に陥った。突然の空からの脅威は高橋を有利にし、さらなる《風番いのロック/Wingmate Roc(KTK)》の番いが現れると、玉田には絶望的な状況となった。

 人は絶望的な状況に陥ると手当たり次第なんでも試してみるもので、玉田は5/5の《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》を含む全軍でフルアタックを敢行する。高橋が飛行機械・トークンを置き土産にされるよりはと、《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》からのダメージを受けることを選択すると、玉田は小さく笑いながらカードをたたんで次のゲームへと移った。

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高橋はプレッシャーのかかる状況には慣れっこだ。

 第2ゲームは両者の除去の応酬の物語だ。《絹包み/Silkwrap(DTK)》がお互いのやっかいな《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》を除去し、一段落つくと、お互い戦場には何もなく、手札は2枚となった。高橋が《強迫/Duress(DTK)》をトップデッキして玉田の手札を覗くが、2枚の《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》だけで脅威は見当たらない。だが玉田が《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を引き当てると状況は一変、同盟者の軍団とともに素早くゲームを決めた。

 第3ゲーム、マリガンを強いられた高橋は第3ターンまで緑マナにたどりつけず、玉田の《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》でリードされる不本意なスタートを切った。しかしプロツアートップ8経験者は簡単には諦めず、そこから《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》と続ける。玉田に回答を強制するインパクトのあるカードの流れが、形勢を高橋に引き戻す。

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玉田は世界的な場所でブレークする機会を伺っている。

 玉田はやってのけた。《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》には《勇敢な姿勢/Valorous Stance(FRF)》を。バナナ・キングには《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm(KTK)》でお帰り願い、再び出てきたところで《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》を使い《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm(KTK)》をおかわり。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》が戦場に加わると、高橋は手を差し出して玉田をトップ8に送り出したのだった。

高橋 1-2 玉田
玉田 遼一 - 「ジェスカイ」
プロツアー『戦乱のゼンディカー』 / スタンダード
2 《平地》
1 《島》
2 《山》
2 《大草原の川》
1 《梢の眺望》
1 《燃えがらの林間地》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《樹木茂る山麓》
2 《神秘の僧院》
1 《シヴの浅瀬》

-土地(24)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《道の探求者》
4 《カマキリの乗り手》
4 《搭載歩行機械》

-クリーチャー(16)-
4 《焦熱の衝動》
4 《勇敢な姿勢》
1 《絹包み》
4 《ジェスカイの魔除け》
3 《宝船の巡航》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文(20)-
2 《アラシンの僧侶》
1 《風番いのロック》
2 《引き裂く流弾》
1 《払拭》
2 《軽蔑的な一撃》
2 《見えざるものの熟達》
2 《正義のうねり》
1 《焙り焼き》
1 《絹包み》
1 《龍語りのサルカン》

-サイドボード(15)-
高橋 優太 - 「アブザン」
プロツアー『戦乱のゼンディカー』 / スタンダード
3 《森》
2 《沼》
1 《平地》
2 《梢の眺望》
1 《燻る湿地》
1 《窪み渓谷》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《樹木茂る山麓》
3 《溢れかえる岸辺》
1 《ラノワールの荒原》
4 《乱脈な気孔》

-土地(26)-

4 《始まりの木の管理人》
3 《棲み家の防御者》
4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》
4 《包囲サイ》
3 《風番いのロック》
2 《黄金牙、タシグル》
3 《搭載歩行機械》

-クリーチャー(23)-
4 《ドロモカの命令》
4 《アブザンの魔除け》
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文(11)-
2 《強迫》
3 《絹包み》
3 《精神背信》
3 《究極の価格》
2 《苦い真理》
2 《衰滅》

-サイドボード(15)-

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