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【トピック】 プロツアー『戦乱のゼンディカー』 トップ5カード

【トピック】 プロツアー『戦乱のゼンディカー』 トップ5カード

Event Coverage Staff / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年10月18日

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 プロツアーでは毎回、(それが真実であれ誇張された話であれ)プレイヤーたちの心に残る逸話や物語が生まれるものです。今大会も新たなプロツアー王者を目指すプレイヤーたちが、そして彼らのデッキが、3日間にわたり2度の『戦乱のゼンディカー』ドラフトと数多の構築戦で競い合い、19回戦におよぶ戦いを終えました。

 ここまでの道のりで私たちが目にしたカードの数々から、厳選して5枚のベスト・カードをご紹介します。

第5位:『戦乱のゼンディカー』の2色土地

 『戦乱のゼンディカー』で登場した新たな2色土地――《大草原の川》、《窪み渓谷》、《燻る湿地》、《燃えがらの林間地》、《梢の眺望》――は、スタンダードのマナ基盤を刷新しました。『タルキール覇王譚』では「楔3色」が推されてきましたが、そこへ「友好色」の土地が加わることで、「楔3色」の他にもう1色を加えるのが容易になったのです。

 今大会で支配的な勢力を誇り、トップ8入賞のジョン・フィンケル/Jon Finkelも選択した「ダーク・ジェスカイ」は、黒を加えることで《黄金牙、タシグル》や《コラガンの命令》といった強力なカードの採用が可能になりました。他のデッキも続々と4色目を加えて、5色に打ち込むアーキタイプもありました。この豊富なマナ基盤は、今後もスタンダード環境を定義することでしょう。


第4位:《空中生成エルドラージ》

 『戦乱のゼンディカー』ドラフト・ラウンドでは、初日、2日目ともに相互作用と強打が飛び交いましたが、中でも強力な青を中心にした戦略を影で支えていたのは、《空中生成エルドラージ》でした。

 トップ8に入賞したリッキー・チン/Ricky Chinは、2日目のドラフト・ラウンドを終えてリミテッド部門6戦全勝を果たしました。そして、その2日目のドラフトで彼のデッキを輝かせたのが《空中生成エルドラージ》なのです。2/1飛行は序盤の戦力として優れており、《霧の侵入者》や《影の滑空者》のようなカードとの相討ちも取れますが、序盤から攻勢に出ることも多々あります。さらに、1/1エルドラージ・末裔・トークンを生み出すことで、マナ加速や飛行以外の脅威を止めるのに役立ち、あるいは単純に攻撃クリーチャーの数を増やす助けにもなるのです。

 その上、《空中生成エルドラージ》は「欠色」も持っており、《棘撃ちドローン》や《溶鉄の生育場》、《威圧ドローン》、そして《大群の殺到》と組み合わせることで並外れた力を見せるでしょう。これだけ優秀なクリーチャーが、わずか3マナなのです。


第3位:《強大化》

 1/1のゴブリンはブロックしなくても危険はないとお思いですか? その考えのまま「アタルカ・レッド」と戦うのは致命的になります。世界ランキング18位のパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaは、《強大化》のようなカードに支えられた強力なデッキを操り、トップ8入賞を果たしました。

 モダンで確固たる地位を築いている「親和」デッキのような高速ビートダウンでありながら、「アタルカ・レッド」はよりコンボに寄った動きも持っています。ブロックされなかったクリーチャーに《強大化》と《ティムールの激闘》を重ねることで、ふた桁のライフを残す対戦相手ですらも一撃のもとに打ち倒すのです。


第2位:《ヴリンの神童、ジェイス》

 『マジック・オリジン』発売直後から活躍を見せている《ヴリンの神童、ジェイス》は、この週末ついに、大会全体を通して大きな勢力を築くに至りました。「エスパー・コントロール」から一部の「アブザン」まで、実に様々なデッキの必須パーツとなった《ヴリンの神童、ジェイス》ですが、とりわけ「ジェスカイ」系のデッキの隆盛を支えた礎石となりました。

 玉田 遼一とジョン・フィンケルによる準決勝は、《ヴリンの神童、ジェイス》を巡る戦いでした。この戦いでフィンケルは、可能な限り早く《束縛なきテレパス、ジェイス》に「変身」させることを狙いました。「変身」後は《強迫》や《焦熱の衝動》を繰り返し「フラッシュバック」し、玉田を追い詰めていったのです。一方の玉田も《束縛なきテレパス、ジェイス》で《ジェスカイの魔除け》を使い回し、《黄金牙、タシグル》の攻撃を遅らせつつ、フィンケルに新たなカードを与えなかったのでした。

 これで玉田は2ゲーム目を勝ち取るのに十分な時間を稼ぎ、勝利の流れを掴んだのです。


第1位:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

 プロツアー『戦乱のゼンディカー』にてひと際大きな活躍を見せたカードといえば、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》で異論はないでしょう。今大会のトップ8を見ても、あらゆるところで姿を見せた《ヴリンの神童、ジェイス》よりも多くのデッキに搭載されていたのです。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は、これまで一線級になりきれていなかった多くのデッキを支え、強固なものに仕上げました。

  • 「ジェスカイ系」においては、盤面に脅威を送り出すだけでなく、自身がアタッカーとして戦うことや、ただでさえ強い《カマキリの乗り手》を「紋章」でさらに強化するという選択もできました。
  • 「エスパー系」においては、攻撃にも防御にも活かせるトークンを次々と戦場へ送り出し、《太陽の勇者、エルズペス》と同様の機能を果たしました。そのトークンたちは、《真面目な訪問者、ソリン》などの支援を受けることで、さらに優れたものになります。
  • サミュエル・ブラック/Samuel Blackは実に見事な「バント・トークン」を組み上げて、一歩先を行きました。そこでも《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》はクリーチャー・トークンを生み出し、+1/+1の修整を与える「紋章」を作り、揺るぎなく対戦相手を打ち倒していったのです。

 そして優勝した瀧村 和幸にとっては、彼の「アブザン」デッキの原動力として《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は欠かせない1枚でした。それは、彼がトップ8・ラウンドを突き進む力となり、ついに同じく《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を駆使する玉田 遼一との決勝を制するに至ったのです。この週末を通して、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は『戦乱のゼンディカー』の新プレインズウォーカー最強の座を確かなものにし、スタンダード最高の目玉カードであることを高らかに知らしめたのでした。

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