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(翻訳記事)ワールド・マジック・カップ

(翻訳記事)ワールド・マジック・カップ

Bill Stark / Translated by YONEMURA "Pao" Kaoru

2012年2月10日

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 昨年12月、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社はプロ・レベルの組織化プレイの変更を告知した。その変更の中で、世界選手権は完全に新しいものに生まれ変わることになり、ワールド・マジック・カップはその一環である。ワールド・マジック・カップはチーム戦のみで開催される3日間のイベントで、マジック最強国を決めるイベントとなる。各国のチームは予選を勝ち抜いてきた3人と、その国の最もプロ・ポイントの高いプレイヤーから編成される。この4番目のプレイヤーがいわば「キャプテン」と考えられることになるだろう、ということで現時点でその席についているプロ・プレイヤーたちに、この新システムについて話を聞いた。

 ルイス・スコット=ヴァルガスは、今更紹介の必要もないだろう。このゲームの精鋭プレイヤーのひとりで、今の最強は、となると必ず名前が挙がる人物だ。しかし、彼はこの新システムでは苦戦を強いられている。アメリカにいるということは、このゲームの精鋭プレイヤーたちが集う中で勝ち抜かなければならないと言うことなのだ。

「カリフォルニアで最強が誰かと言われても即答できないよね」

 私がこのシステムについて尋ねたとき、スコット=ヴァルガスが答えた言葉だ。カリフォルニアは代表チームのキャプテンを目指しているスコット=ヴァルガスがホーム・タウンにしている州だが、そこには彼の仲間にしてライバル、デヴィッド・オチョアやブライアン・キブラー、ジョシュ・アター=レイトンらが住んでいるのだ。


ルイス・スコット=ヴァルガスはワールド・マジック・カップの
アメリカ代表を目指すプレイヤーの1人である。

 スコット=ヴァルガスに、一般的な名声について尋ねてみた。

「手にしたいと思っていますよ。でも、俺の目標は勝率を上げることです。だから、イベントに向けて何が変わるってわけじゃありません」

 キャプテンになることについては?

「すごいことだと思います。代表チームに大きな要素が付け加わっていますしね。アメリカに関しては、このプロツアーで何が起こるか分かるんじゃないでしょうか。俺のすぐ後ろにはWebb(デヴィッド・オチョア)がいますし、それにコンリーだってすぐそこに迫って来ています。まあ、だからって何が変わるってことはないんですけどね」

 もうひとり、誰もがキャプテンと思って疑わない人間がいる。それは、パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ(PV)だ。彼の所属する国ブラジルには、前世界チャンピオンのカルロス・ロマオもいるが、誰もが認める南米地区史上最高のプレイヤーといえば、PVなのだ。PVはプロツアーでのスターでもあり、ワールド・マジック・カップに向けてプロ・ポイントを着々と溜めている。しかし、多くの人が忘れがちなことだが、ブラジルはアメリカと同じように巨大な国なのだ。


パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ(PV)はチーム戦に臨むいい機会を得た

「強い奴にとってはいいことだと思うぜ」

 このプログラムについての、PVの見解がこれである。

「そうじゃない奴にもだ。強い奴と肩を並べて戦えるんだからな」

 彼はこの新プログラムのメリットを完全に把握しているわけではないが、ベテランらしくさらなる情報が出そろうまで立ち位置を明確にはしないつもりのようだ。

「もっと情報が出るのを待ってるんだ。俺にはその方がいいだろうからな」

 小さな国にはまた別の状況がある。たとえばベルギー。ヴィンセント・ルモワーヌやベルナルド・ダ・コスタ・カブラル、マリーン・リバートといったプロ・プレイヤーの所属する国だが、大きなイベントがそう多くないため、そのシーズンで誰がトップ・プロなのかはすぐに分かるのだ。

「15点か20点ぐらい後れを取ってるよ」

 新プログラムになってどんな影響があったかという質問への答えがこれだ。

「チーム戦はいいと思う。だからD.I.に行って抜けなきゃね」

 そう言うと、彼はベルギーの現時点でのトップであるマイケル・ミルスに話を聞くように勧めてきた。

 そのマイケル・ミルスに、この新プロセスがベルギーの精鋭たちにどう影響をもたらすかに関して聞いてみたところ、こんな返事が返ってきた。

「新イベントになって準備が変わるとは思いませんね。でも、キャプテンは精鋭のPTQみたいなもので、いいと思います。トップ・プロになるのは簡単ではないでしょうが、より狭き門になるわけで、いい変更だと思います」

 ヨーロッパについてもう一つ見解を得ようと、殿堂顕彰者のラファエル・レヴィに話を聞いた。彼の所属する国はフランスだ。レヴィは今シーズン、プラチナ・レベルを目指して世界中を飛び回っていた。そして、国内でルーエル兄弟らと争わずに出し抜いて序盤大きなリードを得ていたのだ。


ラファエル・レヴィは燃えている。
ワールド・マジック・カップは遠征とプレイに関する彼の飢えを満たすものに過ぎない。

「新システムで、考えることはシンプルになったよ。自分にとってはほとんど変化はなかった。私はプラチナを目指しているから、もう1つ参加できるイベントが増えて幸せなだけさ」

 シーズン初期に築いた大量のリードによる利益を得ているレヴィに、キャプテンの座を得るチャンスについて尋ねてみた。

「チャンスではあるよね。今12点リードしてて、相手は2日目に残ってないし、それに私は彼が行かないグランプリにどんどん行くからね」

 まだ2012年プロ・シーズンは始まったばかりだが、精鋭たちはそれぞれにシーズン末の最終的な賞と、それがもたらすプレイスタイルへの影響に目を向けている。これから一年を通して、私たちは彼らを追いかけ、この新しいシステムが物事をどう変えているのか、そしてワールド・マジック・カップにおいて各国を代表するのは一体誰になるのかを見ていこう。一つだけはっきりしていること、それは――今年のワールド・マジック・カップは熱い!

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