マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

(翻訳記事)決勝: Brian Kibler(アメリカ) vs. Paulo Vitor Damo da Rosa(ブラジル)

(翻訳記事)決勝: Brian Kibler(アメリカ) vs. Paulo Vitor Damo da Rosa(ブラジル)

Bill Stark / Translated by YONEMURA "Pao" Kaoru

原文はこちら

 近年のプロツアーを定義しているのは、2つの言葉。《チャネル》と《火の玉》。もちろんコンボの話じゃなく、カリフォルニアのスーパー・チームのことだ。2012年も同じく、プロツアー・闇の隆盛の決勝を迎えようとしている。席に着いているのは?ChannelFireballのチームメイト、パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサとブライアン・キブラー。デッキは75枚中74枚までが全く同じで、チームでも何人ものプレイヤーが使っていたものだ。


ブライアン・キブラーとパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ。
チームメイト同士が2度目の優勝を賭けて競い合う。

Game 1

 第1ゲームは《ケッシグの狼の地》ミラーマッチと聞いて誰もが想像するような展開になった。すなわち、マナ加速である。PVが《不屈の自然》を2回と《太陽の宝球》を放てば、その相手は《不屈の自然》1枚と《真面目な身代わり》を出した。

「なんて相互作用の強いマッチだ!」

 キブラーは笑いながら、本心とまるで逆のことを言い放つ。卓上での冗談は、キブラーの精神状態を示していた。なぜか? それは、このまさに10分前に行なわれていた準決勝(対戦相手はあのジョン・フィンケルだ)の、おそらく最も大変で熱烈な対戦を終え、キブラーはいつものような平静さを取り戻し、そしてプロツアー王者のトロフィーに狙いを定めたのだ。

 PVの《原始のタイタン》が満を持して戦場に現われ、《墨蛾の生息地》と《ケッシグの狼の地》を呼び出す。対戦相手もすぐに同じく《原始のタイタン》を出し、《墨蛾の生息地》と《ケッシグの狼の地》を出した。《原始のタイタン》同士が相打ちになるも、戦闘後の《緑の太陽の頂点》からPVは再び《原始のタイタン》を呼び出した。ダイスロールに勝って先手を取ったことが、キブラーをしても超えがたいアドバンテージとなったのだ。


PVは第1ゲームで先手の有利を生かして攻勢に出た。

 キブラーは《業火のタイタン》を唱え、それと《金屑の嵐》を組み合わせて対戦相手の《原始のタイタン》を除去する。《感電破》でやっかいになりうる《墨蛾の生息地》を片付けたキブラーは第1ゲームを制したように見えた。しかし、PVが再び《ケッシグの狼の地》で強化された《墨蛾の生息地》で攻撃を始めると、キブラーの手にはもう除去は残っていなかった。

ブライアン・キブラー 0 - 1 パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ

「《感電破》はジョン(・フィンケル)相手に使い切っちまったよ!」

 第2ゲームの準備をしながら、キブラーはそう言って笑った。フィンケル戦の第5ゲーム、金属術の助けを受け、《否認》をかいくぐって《感電破》3枚を放って大逆転したことを冗談めかして言っているのだ。


PVに幸いしたのは、キブラーが前のマッチで《感電破》を使い切っていたことだ

Game 2

 第1ゲームと同じように、今回もマナ加速から始まった。対戦相手がタップしている隙を突いて、《墨蛾の生息地》で攻撃を仕掛けるキブラー。先手後手がゲームを決定づける要素なのかどうか。最強のプレイヤーたちがほぼ同じデッキを使っているのだから、他の要素はほぼ同等と言ってもいい。このイベントの初日、2日目に、キブラーやPVのデッキの強さやプレイスキルは示されている。全てが均衡していれば、あとは運の勝負になる。

 両プレイヤーが《高原の狩りの達人》を唱え、相打ちに。そして、このゲーム最初の《原始のタイタン》はキブラーが出すことになった。6/6クリーチャーから、この週末何度目とも知れない《ケッシグの狼の地》と《墨蛾の生息地》が姿を見せる――が、次のターン、PVが《解放された者、カーン》を呼び出した。《解放された者、カーン》に戦力を追放されて、キブラーは交代要員《業火のタイタン》を出さなければならなかった。PVは、このカードへの次の手を用意しているのか?


キブラーは強力な《解放された者、カーン》の前でも怖じず、次々とタイタンを出す。

 PVが《墨蛾の生息地》を起動し、キブラーを攻撃する――だけで、何もせずにターンを返す。キブラーは《業火のタイタン》で攻撃すると、続けて《緑の太陽の頂点》を唱えて《原始のタイタン》を呼び出した。やはり先手が強いのか。マッチのスコアはこれで1-1のタイ、第3ゲームが始まる。

ブライアン・キブラー 1 - 1 パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ

 戦いの場から外れたチームメイトも、第3ゲームに集中していた。キブラーが勝つためには、どこかで後手で勝たなければならない。PVはといえば、失敗しないでマッチ結果が自然に流れるままにしておけばいい。しかし、普段通りにするには、非常に強い精神力がいるものだ。


Game 3

 PVの恐れていたことが起こってしまった。不運がやってきたのだ。PVはマリガンを強いられ、手札が対戦相手よりも1枚少ない状態で始めることになった。しかし手札には《不屈の自然》がある。戦場の向こうでは、対戦相手も今まで2ゲームでやってきたのと同じような展開を見せていた。

 《墨蛾の生息地》以外のクリーチャーが姿を見せたのは第4ターン、キブラーの《最後のトロール、スラーン》だった。PVの最初のクリーチャーは《酸のスライム》で、対戦相手の《根縛りの岩山》に対策するために《緑の太陽の頂点》から出したものだ。《原初の狩人、ガラク》がキブラーの下に現われると、《最後のトロール、スラーン》のおかげで4枚のカードが手に入る。これでキブラーは大きく優位に立った。これで均衡を崩し、後手からの勝利をつかめるだろうか?

 PVは《墨蛾の生息地》3つを起動し、ブロックのために《酸のスライム》を残して攻撃に、次のターン、PVはクリーチャー土地を4つ起動し、それらで総攻撃をかける。除去呪文で防がれたのは2体。戦闘ステップが終わると、相手はなんと毒カウンターを7つ持った状態になっていた。

 キブラーの《緑の太陽の頂点》から《原始のタイタン》が現われ、《墨蛾の生息地》2枚を戦場に出す。PVはそのまま突撃を繰り返すが、1枚は《帰化》で対処され、もう一方はチャンプ・ブロックで防がれてしまう。このまま押し切られてしまうのか、それとも何か対抗策を秘めているのか?


キブラーは先攻有利を覆せるのか、PVは守り抜けるのか?

 ......残念。マリガンの不利益はあまりにも大きく、《原始のタイタン》はキブラーに勝ちをもたらしたのだった。

ブライアン・キブラー 2 - 1 パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ

「グッドラック」

 キブラーは第4ゲームに向け、対戦相手にそう言った。第4ゲームは最終戦になる可能性もある。PVは頷き、プレイに集中した。


Game 4

 《不屈の自然》《太陽の宝球》《真面目な身代わり》と、両プレイヤーがマナ加速を強める。呪文の流れで、PVが先に《原始のタイタン》を呼び出し、キブラーは《真面目な身代わり》を唱えて追随しようとする。

 《原始のタイタン》で攻撃した後、戦闘後に2体目の6/6が出てきたのを見て、キブラーは「ギブアップ」と両手を挙げた。そして第5ゲームへ。

ブライアン・キブラー 2 - 2 パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ

 そして最終戦に。キブラーは先手後手の有利をひっくり返し、今や自分が有利な立場に立っている。しかし今度はプレッシャーが彼に重くのしかかる。PVは最終戦をものにし、王者の座を得ることが出来るのか?


Game 5

 握手の後で、キブラーはマリガンせず、PVは即座にマリガンを宣言した。PVは再び逆境からキブラーを倒さなければならなくなった。卓上の緊張は明白で、両プレイヤーともに緊張にざわついていた。

 キブラーの《不屈の自然》がマナ加速を始めたが、PVは第2ターンにさえ立ち上がれない。マリガンした上にマナ加速なし? 第3ターンにも、通常の土地プレイ以外にマナ加速ができず、PVのゲームは終わった様に思えた。キブラーは時間を無駄にせず、《原始のタイタン》を召喚、《ケッシグの狼の地》と《墨蛾の生息地》を戦場に並べる。

 PVはようやく《真面目な身代わり》を出したが、あまりに弱く、あまりに遅かった。キブラーの出した《真面目な身代わり》と相打ちとなり、PVの残りライフは12点、毒カウンターは4つとなった。PVは少し計算したものの、ゲームが終わっているのは明らかだった。PVはチームメイトに握手を求め、そして――キブラーがプロツアー「闇の隆盛」のチャンピオンとなったのだ。

ブライアン・キブラー 3 - 2 パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ


おめでとう、プロツアー・闇の隆盛 王者ブライアン・キブラー!

前の記事: (英語)Top 5 Cards of Pro Tour Dark Ascension | 次の記事: (英語)Video Archive: プレビュー
プロツアー:闇の隆盛・ホノルル 一覧に戻る