Tobi Henke　/ Tr. AOKI Chikara

2015年4月11日

パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa（青黒コントロール） vs. 三原 槙仁（黒緑星座）

　このラウンドのフィーチャーマッチは２人の殿堂顕彰者、ブラジルのパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサと日本の三原慎仁が相対する。お互い８勝３敗で、いまだこのイベントのトップ８を争っている。

　トップ８入りについてはもう一つ言っておくことがある。三原にとっては６度目となり、ダモ・ダ・ロサにとっては９度目のプロツアートップ８、なんと二桁の大台にリーチをかけられるのだ！ もちろん、４ラウンドを残している上に、まずはこのマッチに勝たないと夢物語に過ぎないが。

　ダモ・ダ・ロサのトップ８入りを手助けするのは、青黒デッキに白をタッチして《龍王オジュタイ》を加えた新しいスタンダード・フォーマットのスタンダードなデッキだ。一方の、変わったデッキ選択で知られる三原は、《書かれざるものの視認》を中心に据えた黒緑の星座デッキを持ち込んできている。

ゲーム展開

　三原は悪名高い《森の女人像》と《クルフィックスの狩猟者》のコンビでゲームを始める。後者は《解消》の憂き目に遭うが、《エレボスの鞭》は解決されて戦場へ。三原の小さなクリーチャーたちはダモ・ダ・ロサに除去されるが、２ターン後の《書かれざるものの視認》も解決され、《破滅喚起の巨人》を墓地に送りつつ、《世界を喰らう者、ポルクラノス》が戦場へ。

　三原はポルクラノスで攻撃して７点のダメージを与える。ダモ・ダ・ロサは《時を越えた探索》で解答を探す。《龍王オジュタイ》を戦場に出し、土地３枚をアンタップ状態で残してターンを返す。三原は《破滅喚起の巨人》を釣り上げて２体のクリーチャーで攻撃、しかし《英雄の破滅》が《世界を喰らう者、ポルクラノス》に。ダモ・ダ・ロサのライフを８に落としたが、攻撃し続ける手段を失ってしまった。

　ダモ・ダ・ロサはさらなるドラゴン、《漂う死、シルムガル》を召喚、三原が次に唱えた《女王スズメバチ》にうまくマッチしている。２体のドラゴンが攻撃をはじめ、昆虫をテーブルから一掃。ダメージレースが始まる。

　《龍王オジュタイ》と《時を越えた探索》によって、ダモ・ダ・ロサの支配はフルスピードだ。三原のクリーチャは全て除去され、《エレボスの鞭》が毎ターン１体ずつ攻撃に送り込んでも、飛行の８点ダメージには追いつけない。

　ダモ・ダ・ロサは致死量の攻撃を行い、三原は頷いてカードを片付ける。「相性悪すぎるよ。」

　第２ゲームは最初から終わっていた。言い換えると、三原がハードラックと踊ってしまったのだ。マリガン、ダブルマリガン、さらにトリプルマリガンして《思考囲い》《森の女人像》《クルフィックスの狩猟者》《ラノワールの荒原》をキープした。

　１ターン目の《思考囲い》は３枚の土地、《予期》、《悲哀まみれ》、《時を越えた探索》を手札に残して、《シルムガルの嘲笑》が落とされる。三原が土地を引いて《森の女人像》、《クルフィックスの狩猟者》、そして《エレボスの鞭》をスムーズにプレイ、マリガンの不利を克服したかに見えた。

　しかし、《龍王シルムガル》はどんなの障害をも乗り越えていく。呼び出されたばかりの《世界を喰らう者、ポルクラノス》が寝返り、龍王とともに三原にとどめを刺した。

「本当に相性が悪い。」三原は繰り返した。トリプルマリガンもあいまっている。

ダモ・ダ・ロサ ２-０ 三原