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【戦略記事】 糸谷哲郎竜王の「マルドゥコントロール」

【戦略記事】 糸谷哲郎竜王の「マルドゥコントロール」

By Naoaki Umesaki

(この記事は4月10日に取材したものです)

 将棋棋士・糸谷哲郎竜王がブリュッセル(ベルギー)で開催されるプロツアー『タルキール龍紀伝』に特別招待されたと聞いて、頭の上に「?」マークが点灯した方も多いのではないだろうか。

 しかし、何を隠そう糸谷竜王は、マジック界でも日本選手権2010・15位といった戦績を持つガチのマジックプレイヤーなのである。

 その本気度は本物で、今回のプロツアー参加にあたっては実際のカードを使用した練習だけではなく、オンラインツールの『Magic Online』も活用してデッキ調整を行い、様々な可能性の中からオリジナル制作の「マルドゥコントロール」を使用することに決めたという。

 新セット『タルキール龍紀伝』の発売から間もない時期に開催される本大会、糸谷竜王は新環境をどのように分析していたのだろうか。

――糸谷竜王は『青』が好きとお聞きしていましたが、どうして『マルドゥコントロール』を選択するに至ったのでしょうか。

糸谷「青いデッキが好きで最初は『青黒コントロール』も考えていたのですが、このプロツアーでは赤単系の早いデッキが多いと予想しており、それに相性の悪い『青黒コントロール』は使いにくいと思っていました。」

―ーなるほど。

糸谷「他にも『青黒コントロール』を使用しなかった理由は色々とあります。同系対決は完全に腕の差が出るので、世界の強豪を相手に勝つ自信がありませんでした。また、対『アブザン・アグロ』も世間で言われるほどには相性がよくないと思っています。終盤まで耐えても、《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》や《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》といった軽量クリーチャーの対処に苦労させられますからね」

――赤単系のデッキが多いと想定して、それに勝てるデッキを作るというのがスタートだったわけですね。しかし、なぜ既存のよくあるデッキを使うのではなく、オリジナルデッキを制作されたのでしょうか。

糸谷「オリジナルデッキを使用するメリットですが、デッキ内容がバレていないことは大きいですね。対戦相手もこちらのデッキ内容が完全には分からないから、いろいろな可能性を考えすぎて結果的にミスのプレイを選んでしまったり、正確なサイドボーディングができなかったりします。人にもよると思うのですが、僕はオリジナルデッキを使用している時の方が成績がいいですね。」

 それでは、糸谷竜王に使用デッキ『マルドゥコントロール』について動画で紹介していただこう。

糸谷 哲郎 - 「マルドゥ・コントロール」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 / スタンダード
3 《山》
1 《平地》
1 《沼》
4 《血染めのぬかるみ》
3 《遊牧民の前哨地》
3 《戦場の鍛冶場》
4 《凱旋の神殿》
2 《悪意の神殿》
2 《コイロスの洞窟》
3 《静寂の神殿》

-土地(26)-

4 《魂火の大導師》
3 《道の探求者》
4 《僧院の導師》

-クリーチャー(11)-
3 《思考囲い》
3 《乱撃斬》
2 《究極の価格》
4 《はじける破滅》
4 《コラガンの命令》
3 《前哨地の包囲》
1 《残忍な切断》
2 《龍語りのサルカン》
1 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(23)-
1 《悪行の大悪鬼》
3 《強迫》
2 《消去》
2 《焙り焼き》
1 《異端の輝き》
1 《見えざるものの熟達》
1 《勇敢な姿勢》
3 《神々の憤怒》
1 《対立の終結》

-サイドボード(15)-

 残念ながら糸谷竜王は最終ラウンドで敗れてしまい初日突破はならなかったが、初めてのプロツアー参加で世界的強豪を相手に「最終ラウンドを勝てば2日目進出」というラインまで進んだのは素晴らしいことだろう。

 この「マルドゥコントロール」も、もしかしたら『タルキール龍紀伝』後の新環境で存在感を発揮するデッキとなりえるかもしれない。

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