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【観戦記事】 第7回戦:Paul Rietzl(アメリカ) vs. 行弘 賢(日本)

【観戦記事】 第7回戦:Paul Rietzl(アメリカ) vs. 行弘 賢(日本)

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Ray "blisterguy" Walkinshaw / Tr. Tetsuya Yabuki

2016年8月5日

原文はこちら

ポール・リーツェル/Paul Rietzl(世界ランキング9位/ティムール「現出」) vs. 行弘 賢(緑赤ランプ)

(デッキリストの掲載は第16回戦以降となります。)

 ドラフト・ラウンドを2勝1敗で終えた行弘 賢と殿堂顕彰者ポール・リーツェルの両者は、スタンダード・ラウンドをここまで3戦全勝で駆け抜けている。プロツアー『アヴァシンの帰還』にて4位入賞、そして数々のグランプリ・トップ8入賞経験を持つ行弘は、「赤緑ランプ」を選択。2014年の殿堂投票にてマジック・コミュニティから迷いなく投票を集めるほどの戦績を誇るリーツェルは、「ティムール『現出』」を手にこの戦いへ挑む。

 両者の最大の狙いは、誰の目から見ても一致していた――デッキを掘り進め、可能な限り早く《約束された終末、エムラクール》をプレイすることだ。とはいえ、両者のアプローチには多少の差異がある。行弘は土地を加速しドローを進めて、とにかくまっすぐ目標を目指す。彼は今大会に参加したことで、「シルバー」レベルに到達した。トップ8に入賞すれば「ゴールド」レベル、優勝すれば「プラチナ」レベルだ。一方リーツェルのデッキの動きは行弘のものとは異なっていた。土地を探してくるのは同じだが、墓地に置くカードは後半に使うため、慎重に選ばなければならない。彼は今、世界選手権への出場枠をめぐる争いの只中にいる。

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試合に臨むポール・リーツェルと行弘 賢。両者のデッキはともに「コントロール」をするものだが、その意味合いは通常使われるものとは違う。

ゲーム展開

 リーツェルは《節くれ木のドライアド》と《巡礼者の目》で序盤の盤面を押さえつつ、《群れの結集》で墓地を肥やしていく。行弘は《苦しめる声》で手札を入れ替えると、ドローを進めながら《集団的抵抗》と《焦熱の衝動》でリーツェルのクリーチャーを焼き払い、続けて《炎呼び、チャンドラ》を繰り出すとさらにライブラリーを掘り進めた。リーツェルは《ニッサの巡礼》と《発生の器》を唱え、長期戦に備えた。

 先に強打を繰り出したのは行弘の方だった――すなわち《ウルヴェンワルド横断》から《約束された終末、エムラクール》。《炎呼び、チャンドラ》が速攻を持つエレメンタルを放ちリーツェルの残りライフを14点に落とすと、リーツェルはターンを奪われる前に《発生の器》を起動した。《発生の器》は彼の方にも《約束された終末、エムラクール》をもたらした。

 行弘の《約束された終末、エムラクール》がリーツェルを操る。

 行弘は、リーツェルの《約束された終末、エムラクール》の唱えるためのコストが7マナになっており、彼の戦場には土地が7枚並んでいることに気づいた。彼はため息をひとつ吐き、リーツェルの手札から《節くれ木のドライアド》をプレイするとそれを生け贄に捧げて《老いたる深海鬼》も展開。本当はもっと大きなエサがあることを期待していたのだろう。行弘はそのままターンを返した。

 リーツェルも《約束された終末、エムラクール》で反撃する。まず行弘に《苦しめる声》を使わせ、《集団的抵抗》を捨てさせた。続けて行弘の《約束された終末、エムラクール》を自身の《約束された終末、エムラクール》と相討ちにし、そして《炎呼び、チャンドラ》の忠誠度をすべて消費して全体に5点のダメージを与えた。リーツェルの《老いたる深海鬼》はタフネス6だ。

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「エムラクール戦争」を仕掛ける行弘。

 行弘は自身のコントロールを取り戻すと《世界を壊すもの》をプレイし、リーツェルの《発生の器》を破壊した。《世界を壊すもの》は《老いたる深海鬼》を止められるだけのサイズを持っていたが、リーツェルは2枚目の《老いたる深海鬼》を繰り出し、続けて2枚目の《約束された終末、エムラクール》も解き放った。行弘も2枚目の《約束された終末、エムラクール》を引き込んだものの、《過去との取り組み》を引き込んだリーツェルは墓地の《約束された終末、エムラクール》を戻して合計3度にわたり行弘のコントロールを奪い、それが決定打になったのだった。

 2ゲーム目はサイド・インしたカードが主力となった。リーツェルは《ヴリンの神童、ジェイス》でゲームを始め、行弘は《ニッサの巡礼》から《不屈の追跡者》、《ゴブリンの闇住まい》と続け、《ニッサの巡礼》を再びプレイする。リーツェルも《ニッサの巡礼》を持っていたものの、行弘は2枚目の《不屈の追跡者》を展開し、「手掛かり」を積み重ねていった。リーツェルは《過去との取り組み》で《約束された終末、エムラクール》を手に入れたが、まだそれをプレイするには至らず、2枚目の《ヴリンの神童、ジェイス》を盤面へ。

 そして行弘が《約束された終末、エムラクール》を引き込むと、リーツェルに災厄が訪れる。リーツェルは《翼切り》を持っていたものの、行弘の命により《ヴリンの神童、ジェイス》で自身の《約束された終末、エムラクール》を捨てさせられると、2体の《不屈の追跡者》と《ゴブリンの闇住まい》がこのゲームを終わらせるのを止められなかった。

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彼が使用するのは「アグロ」だけではないということを見せつけるリーツェル。

 3ゲーム目は再び1ゲーム目のような展開になった。両者とも長期戦を見据え、お互いに《約束された終末、エムラクール》をぶつけ合う。先に仕掛けたのは行弘だったが、リーツェルの手札には《約束された終末、エムラクール》が2枚あり、行弘は1枚をプレイして《不憫なグリフ》で生け贄に捧げざるを得なかった。

 と、ここでラウンド終了のアナウンスが響く。

「ええと、俺がターンを得て、それから彼のターンかな?」 リーツェルは延長ターンを始める前にジャッジに尋ねた。「オーケー。ここでもし俺が2枚目の《約束された終末、エムラクール》を唱えたら、彼が追加ターンをふたつ得る、で合ってる?」ジャッジは状況を確認し、リーツェルが延長最終ターンを得ることを伝えた。「この延長5ターン、誰がどのターンをコントロールするのさ」とリーツェルは言葉を漏らす。

 ジャッジは、《約束された終末、エムラクール》によって発生した追加ターンも延長ターンのカウントを進める、ということをはっきり伝えた。リーツェルはとにかく行弘のターンを奪い、彼の手札から有効なものをすべて叩き落とした。さらに《老いたる深海鬼》を繰り出して蓋をする。だが行弘は《ゴブリンの闇住まい》を引き込み、《ウルヴェンワルド横断》から《約束された終末、エムラクール》を手に入れることに成功した。しかし、決着をつけるにはターンが足りない。リーツェルの《約束された終末、エムラクール》による攻撃も行弘のライフを大きく削ったものの、致命傷には届かず。この試合は引き分けに終わったのだった。

リーツェル 1-1 行弘

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