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【トピック】 2015-2016年 プロツアー殿堂紹介

【トピック】 2015-2016年 プロツアー殿堂紹介

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Brian David-Marshall / Tr. AOKI Chikara

2016年8月6日

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 10月のプロツアー『カラデシュ』で行われるプロツアー殿堂表彰へ案内される前に、2人のプレイヤーがスーツを新調し、指輪のサイズを測られる。2007年にプロツアー・デビューした2人は、ともに資格を得た最初の年に殿堂入りを果たした。その実力が未だ頂点に留まっているうちに殿堂入りした日本の渡辺雄也、アメリカのオーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwald、おめでとう。この文章を打っているときに、2人とも1番ポッドに座ってプロツアー『異界月』、2日目のドラフトが始まるのを待っている。

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2015-2016年 プロツアー殿堂顕彰選出者、渡辺 雄也

 渡辺雄也は今年の殿堂選出にあたって最多投票獲得者であり、その獲得投票率は90%を超えた。彼のデビューは2007年に『時のらせん』ブロック構築で行われたプロツアー・横浜である。《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》をベースにしたコントロールデッキを使って初日を4勝4敗で終えたが、当時は2日目に進むには不十分の成績だった。そのレベルを経験して、プロツアーに再び参加すること以上のものはないことを彼は知った。

 同シーズンにグランプリを優勝したこともあって、ニューヨークで行われた世界選手権でルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。2年後、テキサス州オースティンで3度あるプロツアー・トップ8の最初を飾る。プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを勝ち取ったシーズンには、6度のグランプリ・トップ8入賞を果たした。2011-2012年にはふたたび同じタイトルを手に入れた。続くシーズンにマジック・プレイヤー選手権(世界選手権からその年のみ名称が変更された)を優勝し、以降開催されたすべての世界選手権に参加し続けている世界でただ一人のプレイヤーである。

 渡辺はこれまで彼を手助けしてくれたすべてのプレイヤーに感謝しており、とりわけ応援し続けてくれた日本のマジック・ファンへ心からの言葉を贈る。殿堂への選出が決定した後、自分自身で設定した目標はルーキー・オブ・ザ・イヤーの獲得でほぼすべて完了していたことを説明してくれた。プレイヤーオブ・ザ・イヤーになり、世界王者になり、今日ではゲームを通したすべての偉人たちに並べられるようになった。それらの成果があっても、プロツアー優勝が渡辺のTo-Doリストから無くなることはない。

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2015-2016年 プロツアー殿堂顕彰選出者、オーウェン・ターテンワルド

 オーウェン・ターテンワルドはグランプリ・コロンバス2007で2位になり、大西洋を挟んだスペインのプロツアー・バレンシアへの出場資格を得た。

「ずっとプロツアーに参加したかったので、渡航費用に当時の所持金全部を使い果たすことになってでも行きたかったんだ。」と、最も高いレベルのイベントに参加する初めての機会当時のことを話すターテンワルド。大多数の初参加プレイヤーよりも善戦した彼は、18位でトーナメントを終えた。

「基本的にトップ8入りの目はほぼなかった。勝てていればその後引き分けでトップ8入りしていたラウンドを負けてしまったからね。初めてのプロツアーにしてみれば、良い競技プレイヤーのように、本当にうまくやれたんだ。特別なことはなにもしないで、それまでどおりにやったのさ。いつもどおりのマジックを堅実にね。ベストを尽くしたよ。それは3ゲーム目で、トップ8の目があったんだけど、トリプルマリガンして負けてしまった。ひどいものだったけれど、トップ8に入れそうだとか、こんなところまで来てしまったとか、うまくやれているという感覚には興奮したんだ。ハマったね。もうプロツアーでプレイしないことなんてありえない。最高で最高な体験だった。」

 ターテンワルドがプロツアー・トップ8になるには2013年のプロツアー『ギルド門侵犯』まで待つことになるが、プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを獲得した2011年には驚異的な7度ものグランプリ・トップ8でグランプリ・シーンを破壊したことが彩りを添える。これまでの21度のグランプリ・トップ8には、2週連続優勝のワシントンDCとアルバカーキ、ニューメキシコ、そしてチーム「Peach Garden Oath」でポートランド2014の、4度の優勝が含まれる。

 2014年のシーズンにプロツアーで一番思い出に残っていることが起きた。オレゴン州のポートランドで行われたプロツアー『マジック2015』で、プロツアーサンデーにスイスラウンド8位で呼ばれたのだ。これは3回あるトップ8のうちの2度目にあたる。

「本当に驚くことだった。最近では、タイ・ブレーカーではいかなるマジックの大会でもトップ8入りはできない。トップ8になるには一定の成績が必要で、それから合意の上の引き分けをもって8人がそれにたどり着く。だから最終ラウンドの結果はあまり重要ではないんだ......あのプロツアー以外は」 殿堂顕彰選出者は回想した。

「より少ない人数でより多くの回戦数をこなす。タイブレーカーじゃどんなトーナメントでもトップ8入りできないって? タイブレーカーでプロツアー・トップ8入り? 信じられないほどものすごく刺激的だった。それに、今までで一番いい成績のベスト4だったしね。」

 ターテンワルドはチーム「ChannelFireball」と「The Pantheon」の両方で、殿堂入りの先駆者たちとマジックをプレイし、成長してきた。

 これまでのキャリアを振り返って感謝したい人がいるかとの問いに、ターテンワルドは答える。「最も手助けてしてくれたのは間違いなくルイス・スコット=ヴァーガス/Luis Scott-Vargas、ウィリアム・ジェンセン/William Jensen、リード・デューク/ Reid Duke、そしてジョン・フィンケル/Jon Finkelだ。プロ生活を始めた時、ルイスは本当によくしてくれた。自分のことを誰も知らないニューカマーの時から同じチームで一緒にやってきたし、保証人にまでなってくれたんだ。その後、『The Pantheon』に移籍することになったけど、それからはご存知の通りだ。」

 プロツアーへの生涯招待権を獲得したターテンワルドは、今後トーナメントへの出場が減るかもしれないことを認めた。プレイ自体を少なくするわけではなく、イベントにより良い準備をして臨めるようにしたいからである。

「プラチナ・レベルへ毎年挑戦していた理由の半分はプロツアーに参加し続けるためだ。マジックをたくさんプレイすると決めてから、この5~6年はプラチナ・レベルを維持できたから長らく心配するようなことではなかったけれど。今ではそういったプレッシャーからは解放されて、準備ができていない、あるいはうまくやれそうにない国内グランプリに出場するために飛行機で飛び回ることもない。出ると決めたトーナメントにより焦点を当てて練習するつもりだ。」

 オーウェン・ターテンワルド、渡辺雄也、2015-2016年マジック・ザ・ギャザリング、プロツアー殿堂選出おめでとう!

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