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【戦略記事】 プロツアー『異界月』ドラフト・ラウンド全勝者たち

【戦略記事】 プロツアー『異界月』ドラフト・ラウンド全勝者たち

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Chapman Sim / Tr. Tetsuya Yabuki

2016年8月6日

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 昨日は37人のプレイヤーがそれぞれのドラフト卓を無敗で切り抜けた。となれば当然、彼らが再びその腕前を披露し2日目も全勝するという(極めて)狭き門をくぐれるかどうか、見守るしかないだろう。第11回戦を終え、(少なくともリミテッド部門での)完全勝利を成し遂げたのは、わずか5人のプレイヤーだった。その類まれなるドラフトの名手たちは、世界ランキング20位のブラッド・ネルソン/Brad Nelson、世界ランキング15位のリード・デューク/Reid Duke、サミュエル・パーディー/Samuel Pardee、オスカー・クリステンセン/Oscar Christensen、マルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalhoの5名だ。

 彼らの中には、何か共通した『異界月』リミテッド攻略法があるのだろうか? 彼らを全勝に導いたアーキタイプはどれなのだろうか?

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ブラッド・ネルソン

 ブラッド・ネルソンはスタンダードの達人として知られているが、それは決してリミテッドで勝てないという意味ではない。実際に、この週末はリミテッド部門6戦全勝を果たし、ここまで9勝2敗の成績を収めて自身4度目のプロツアー・トップ8入賞へ歩みを進めている。

 初日のドラフトでは、ネルソンは《乗馬術》を備えた「緑白人間」デッキを組み上げた。彼は『異界月』に《鉄覆いの処刑者》が加わったことで《乗馬術》が強化されたと考えている。《単体騎手》と《月皇の外套》や《恩寵借用》の組み合わせの強さを抜きにしても、最終形は素晴らしいものになったという。2日目のドラフトでも彼はマナ・カーブを低いところに集めた「赤白」のデッキを組み、優秀なコンバット・トリックと余ったマナの注ぎ込み先も揃えた。両方のドラフトでネルソンは、基本的には《ネシアンの狩猟者》となる《永遠の災い魔》を除いて、レアのないデッキで戦った。

「《月皇の外套》は最高さ! この環境ではアグレッシブな戦略に向かうようにしている。ボムがあまりないこの環境では、それが正解だと思うよ。《ワームとぐろエンジン》みたいなどうしようもないレアはないし、レアを機能させない方法も多くある。優れたコモンやアンコモンもパックからたくさん出てくる。『イニストラードを覆う影』と『異界月』のリミテッドは大好きだ。全勝できたから言ってるんじゃないよ!」

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リード・デューク

 リード・デュークは第11回戦で世界ランキング2位のオーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwaldを下し、第6回戦のリベンジを果たした。

 初日のドラフトでは、デュークはほぼ完璧な「青赤」のデッキを組み上げた。《気紛れな霊》2枚に《猛々しい狼》3枚という核の部分を《老いたる深海鬼》と《炎刃の天使》で強化するという傑作ぶり。加えて《熟読》と《回答の強要》も2枚ずつ搭載し、エンジンの回転も良好でガス欠も起きない仕様になっていた。そして2日目のドラフトでは、気が遠くなりそうなほど豪華な顔ぶれが集まったドラフト卓を、《膨らんだ意識曲げ》と2枚手に入れた《神出鬼没な拷問者》を中心にした「黒緑」デッキで勝ち抜けた。

 デュークはリミテッド・ラウンドで全勝の喜びを噛み締めただけでなく、今大会の成績を10勝1敗とし、ターテンワルドを同じ10勝1敗ラインに引きずり降ろした。デュークとターテンワルドは、唯一の敗北相手がお互いという状態で予選ラウンド1位と2位の座へつき、これから構築ラウンドへ挑む!

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サミュエル・パーディー

 ターテンワルドとデュークに続いて予選ラウンド3位につけているのが、サム・パーディーだ。初日のスタンダード部門では3勝2敗と平均的な成績だった彼だが、リミテッド部門にて6戦全勝しこの地位を獲得している。初日の3戦を勝ち抜いたのは「黒赤」。そして2日目は、《サリアの槍騎兵》で《月皇の司令官、オドリック》を探してくる動きを搭載した「緑白」で全勝を果たした。にも関わらず、彼は白を最高の色とは捉えていないという。

「プレイテストを経て、僕らは『黒赤』の勝率が高いことに気づいた。でも白はそれほどでもなかったんだ。黒は単体でも優秀で、他の人が言うほど悪い色じゃないと僕は思う。プレイテストの時点で各色の評価は定まっていたけれど、結局その通りになったかな。白は使用に耐えるカードが多いけれど、僕としては優先順は低い方にしているよ」

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オスカー・クリステンセン

 今大会リミテッド部門全勝者で4番目にご紹介するのは、グランプリ・ヨーテボリ2013王者のオスカー・クリステンセン。彼は初日のデッキにも2日目のデッキにも白を用いた。ほとんどのプレイヤーが「コモンとアンコモンが強く安定している」と評する色だ。初日のドラフトでは、《ぼろぼろの憑依者》や《ネベルガストの伝令》といった回避能力持ちのクリーチャーと《信仰持ちの聖騎士》3枚を駆使し、ライフ・レースを優位に進めた。また、2枚手に入れた《恩寵借用》は膠着した盤面を突破するのに役立ったという。そして2日目全勝の要因としては、《絞首束縛》3枚と《永遠の見守り》を2枚ドラフトできたことが大きい! クリステンセンの残る仕事は、緑のクリーチャーを並べ、それらにエンチャントの加護を与えるだけだった。

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マルシオ・カルヴァリョ

 紹介が最後になってしまったが、マルシオ・カルヴァリョも自らの力で勝利の道を開き、世界選手権の席を獲得した。詳しくは、新設された「ドラフト・マスター」とそれを獲得したカルヴァリョに迫る、マルク・カルデラーロ/Marc Calderaroの今後の記事にご注目あれ!

 みんな全勝おめでとう!

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