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【観戦記事】 第9回戦:Jesse Hampton(アメリカ) vs. Jacob Wilson(カナダ)

【観戦記事】 第9回戦:Jesse Hampton(アメリカ) vs. Jacob Wilson(カナダ)

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Jacob Van Lunen / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年2月7日

原文はこちら

 カナダからやってきたプラチナ・プロ、ジェイコブ・ウィルソン/Jacob Wilsonは、その短いキャリアですでにプロツアー・トップ8入賞1回とグランプリ・トップ8入賞4回を記録している。この週末、彼は2度目のプロツアー・トップ8入賞を目指しここまで来た。わずか1敗で初日を終えた彼は、上位戦線にて2日目を迎える。

 対するジェス・ハンプトン/Jesse Hamptonは競技マジックの世界に常に身を置いているわけではないものの、姿を現したときには必ずその存在感を示している。ハンプトンもまたプロツアー・トップ8入賞の経験があり、今大会にてその数を増やすべく臨んでいる。

 両プレイヤーは面識がないわけではない。実は、ハンプトンが今大会の権利を獲得したのはチーム・リミテッドで行われたグランプリ・ナッシュビル2014に優勝したためなのだが、そのチームを率いていたプレイヤーこそがウィルソンだったのだ。ふたりは互いに互いを尊敬し合う親友なのだ。

 試合前のシャッフルを行いながら、ハンプトンが笑顔を見せた。「これで今の環境のドラフト2回目。昨日初めてやったからね」

 ウィルソンが私に顔を向けて、それを裏付けた。「いやホントに、カードの動きもわかってないんですよ。あっという間にぶっ飛ばされるんじゃないかな」

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グランプリ・ナッシュビル2014を制した友人同士が、今大会2日目の第1試合の幕を上げる。

 とはいえ、ハンプトンはそこらの道を行く一般人ではない。マジックというゲームにおける純粋な才能の話だ。つまり、ハンプトンは目隠しをしたような状態でドラフトを行い、きちんとデッキを組み上げているのだ。いかなるリミテッド環境であれ、そのカード・アドバンテージについての観点や本能には目を瞠るばかりだ。

ゲーム展開

 このゲーム最初の動きは、ウィルソンの「変異」から。一方ハンプトンは《境界の偵察》でゲーム・プランを組み立て始める。

 間もなくして、ハンプトンの目の前に《山頂をうろつくもの》が立ちはだかった。さらに「変異」を解いた《峡谷に潜むもの》も並び、対するハンプトンの戦場には土地以外に何もない。

 ハンプトンは《スゥルタイのゴミあさり》で《峡谷に潜むもの》を相討ちに取り、続けて《スゥルタイの占い屋》がブロックに駆けつけた。状況は、手札を完璧に整え安定しだしたハンプトン有利の様相を見せる。

 ウィルソンは攻勢を続けた。《星霜の証人》を展開し、続けてハンプトンがさらに守りを固めようと繰り出した《うねる塔甲羅》を《影の手の内》で除去する。ハンプトンはよく守ったが、《冬魂のオジュタイ》がウィルソンの軍勢に加わると、この伝説のドラゴンへの解答がないことを悟るのだった。

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ウィルソンのデッキはマルドゥだが、色の合わない極めて強力なドラゴンも軍勢に加えている。

 そのまま《冬魂のオジュタイ》が勝利に向かって飛んで行くのに、そう時間はかからなかった。

 ウィルソンは大きく息を吐き、「たぶんこのデッキ最高の動きだったかな」とひと言。

 ハンプトンは大きく頷いた。まさにその通りだと。

 第2ゲームは、ハンプトンがマリガンを喫し6枚の手札でスタート。それでも彼の手札には《ラクシャーサの秘密》と《苦々しい天啓》があり、手札の勝負では負けなさそうだ。

 このゲームは両者とも、最初の数ターンに動きはない。

 その後同じくらいのペースで盤面の展開を始めたが、ハンプトンは《ラクシャーサの秘密》と《苦々しい天啓》を使い、手札はハンプトン5枚に対してウィルソン0枚と差が明確なものになった。

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今大会のドラフト・フォーマットは熟知していないかもしれないが、マジックの根本的な部分に精通しているハンプトン。

 ウィルソンは《アナフェンザの伝令》を引き込み、盤面を支えようとした。しかしハンプトンはすでに《わめき騒ぐマンドリル》をはじめ攻撃手を用意しており、このゲームはウィルソンの手の届かないところまで来ていた。《軍備部隊》が《わめき騒ぐマンドリル》を強化しさらにクロックを早めると、ウィルソンは第3ゲームへ託すより他になかった。

 そして第3ゲーム、今度はハンプトンが序盤から積極的に行動を起こし、《消耗する負傷》で《謙虚な離反者》を除去したのちに「変異」クリーチャーを展開した。一方のウィルソンも《魂の召喚》で対抗する。

 ハンプトンの「変異」クリーチャーが攻撃に向かうと、ウィルソンは《マルドゥの魔除け》で1/1先制攻撃のトークンを2体生み出し、ブロックに向かわせる。ハンプトンは《過酷な命の糧》で片方のトークンを焼くと、もう片方も戦闘ダメージで難なく倒した。

 最終的に、ハンプトンはその「変異」クリーチャー、《無情な切り裂き魔》をウィルソンの「予示」クリーチャーと相討ちにさせた。

 ここから、ハンプトンはさらに脅威を展開し続け、一方のウィルソンは《星霜の証人》で盤面を保たせることしかできない。ウィルソンは《冬魂のオジュタイ》を繰り出すための7枚目の土地を切望したが、引けども引けども役に立たない呪文ばかりで、肝心の土地が姿を見せない。

 間もなくして、ハンプトンはウィルソンを完全に捕らえた。ウィルソンは残された最後のターンにようやく土地を引き込んだが、もはやどうすることもできなかった。

ハンプトン 2-1 ウィルソン

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