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【観戦記事】 第13回戦:Frank Karsten(オランダ) vs. Jelger Wiegersma(オランダ)

【観戦記事】 第13回戦:Frank Karsten(オランダ) vs. Jelger Wiegersma(オランダ)

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Jacob Van Lunen / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年2月7日

原文はこちら

フランク・カーステン/Frank Karsten(親和) vs. イェルガー・ヴィーガーズマ/Jelger Wiegersma(欠片の双子)

 こうしてフィーチャー・マッチ・エリアで殿堂顕彰者同士が対峙するという光景は、なかなかお目にかかれない。今大会2日目も後半、トップ8入賞を懸けた戦いが続く中で、同じ国出身の殿堂顕彰者が顔を合わせることになったのは、率直に言って夢のような話だ。

 フランク・カーステンは、15年にわたりマジックについての率直な意見を発信し続けてきた。彼の手によるデッキには時代を越えて愛されるものがいくつもあり、またライターとしても多くの記事を書く能力に優れていた彼は、10年以上にわたって地域を問わずマジック・コミュニティのプレイ技術を向上させてきた。彼自身もここまでプロツアー・トップ8入賞3回とグランプリ・トップ8入賞6回を誇り、今大会でもうひとつ、4度目のプロツアー・トップ8入賞を果たせば、これまでも語り継がれてきた彼のキャリアは歴代最高のプレイヤーのひとりとして伝説になるだろう。カーステンは、今大会のモダン部門でいまだ無敗。強力な「親和」デッキを携えた彼が、第13回戦を迎える。

 対するイェルガー・ヴィーガーズマもまた、プロツアー・トップ8入賞4回にグランプリ・トップ8入賞13回と、驚愕の成績を残している。彼は長きにわたり、常にプロツアーの舞台において最も危険なプレイヤーのひとりと意識されていた。とりわけドラフト卓を支配する力にかけては、数々の勲章を掲げたプロ・プレイヤーたちからも嫉妬されるほどだ。ヴィーガーズマがこの週末にもドラフト部門全勝を果たしたことは、まるで驚くことではない。しかし、このプロツアー『運命再編』でトップ8入賞を確実なものとするには、彼は「《欠片の双子》」デッキと共にモダン部門でもういくつかの勝利を収めなければならない。

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オランダ出身の殿堂顕彰者ふたりによる試合が実現した。果たして、トップ8を懸けた戦いに残るのは。

 フィーチャー・マッチ・エリアに足を踏み入れながら、ヴィーガーズマが言い放った。「オランダ最強決定戦だな!」

 カーステンは歯を見せて笑い、目を細めると頷いた。「そうだね、この試合は君が有利かな。デッキ的にも、プレイヤー的にもね」

ゲーム展開

 ダイス・ロールに勝ったカーステンが速攻を決める。《メムナイト》、《大霊堂のスカージ》、《オパールのモックス》、《墨蛾の生息地》。これらすべてが1ターン目に展開された!

 ヴィーガーズマは軽く仰け反った。この状況を切り抜けるにはいくつもの相互作用が噛み合って、これを超える速さでコンボを完遂しなければならない。彼は《血清の幻視》で糸口を探るが、カーステンは《大霊堂のスカージ》の2枚目と《信号の邪魔者》を投入してさらに加速し、盤面は4ターンで勝負が決まる形になった。

 生き残るために必要な干渉手段は得られず、ヴィーガーズマは1枚も有効な呪文を使えないままに第2ゲームへ進むことになった。

 ゲームの合間に、両プレイヤーはオランダ語で雑談を楽しんだ。私たちにはその内容を予想することしかできないが、きっと彼らは焼き菓子や犬、そしてベン・ルービン/Ben Rubinの話をしていたのだろう。

 第2ゲームのカーステンの動き出しは、落ち着いたものだった。1体だけ繰り出された《信号の邪魔者》は、ヴィーガーズマの《稲妻》に打たれる。

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カーステンの操るアーティファクトたちは、抑えられなければ深刻なダメージを叩き出す。だがサイドボーディング後のゲームでは、それも簡単にはいかない。

 《鋼の監視者》がカーステンの盤面に続くが、後々大きな原動力となり得るこのカードを《古えの遺恨》が素早く対処した。

 カーステンは《墨蛾の生息地》2枚でプレッシャーをかけようと目論むが、それはあまり実を結ばず、ヴィーガーズマは勝利へのコンボに必要なパーツを集める時間をたっぷりと得ることになった。

 カーステンのターンのアップキープにヴィーガーズマが《詐欺師の総督》で土地をタップさせると、カーステンは《呪文滑り》でコンボに備える必要に迫られた。

 《呪文滑り》がヴィーガーズマのコンボ達成を阻んだが、彼はすぐに《仕組まれた爆薬》を引き込み、カウンターを2個乗せてプレイした。

 カーステンの《墨蛾の生息地》によるプレッシャーは続いていたが、ヴィーガーズマは《仕組まれた爆薬》で《電結の荒廃者》と《呪文滑り》を除去した。カーステンは《電結の荒廃者》で《呪文滑り》を生け贄に捧げ、それから《墨蛾の生息地》へ+1/+1カウンター2個を移動させた。だがそれはすぐさま《古えの遺恨》のフラッシュバックを受ける。

 ここでヴィーガーズマは難しい決断を迫られる。手札には《欠片の双子》があり、それをエンチャントする先もある。しかし、カーステンの手札に《四肢切断》があってもおかしくない。

「来なよ。もったいぶっても仕方ない」カーステンが促す。

 ヴィーガーズマはコンボを決めにかかり、カーステンは用意していた《四肢切断》を嬉しそうに見せつけた。

 ゲームは《墨蛾の生息地》と《詐欺師の総督》による不格好な殴り合いに変わった。カーステンが有利に見えたこのレースだが、しかしヴィーガーズマが《謎めいた命令》で1ターン稼ぎだすと、細かい数字はひっくり返った。

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ヴィーガーズマはすでにリミテッド部門を全勝で終えている。ここで彼に必要なのは、「《欠片の双子》」デッキでモダン部門を切り抜けることだ。

 あと1回の攻撃でカーステンの勝利というところで、ヴィーガーズマは《欠片の双子》を貼りつけ、膨大な数のクリーチャーをレッド・ゾーンへ送り込んだ。ゲームは第3ゲームまでもつれることになった。

 そして第3ゲーム、カーステンはマリガンを余儀なくされ、続けてプレッシャーの小さな手札をキープせざるを得なかった。「親和」デッキ使いにとって、土地を置くだけで第1ターンを終えるというのは悲しいことこの上ない。

 このゲームを通して、カーステンはヴィーガーズマにプレッシャーをかけていくことに苦労していた。

 カーステンは《呪文滑り》でコンボを防ぐが、ヴィーガーズマはこのゲームでも《古えの遺恨》を持っていた。

 カーステンは再び、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus(DST)》2体で攻撃をしかける。だが毎ターン2点のダメージでは、どこからともなくゲームを決めるヴィーガーズマにとって大きな脅威にならない。

 ヴィーガーズマは《やっかい児》をプレイし、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus(DST)》と相討ちに向かわせた。カーステンはしばし熟考し、《感電破》で道を拓くことにした。カーステンが勝利を掴むにはプレッシャーをかけていくしかなく、彼の戦場にある唯一の脅威を失えばその望みも絶たれてしまう。

 ヴィーガーズマがコンボの片割れである《詐欺師の総督》を展開すると、カーステンはオランダ語で話し始めた。今一度ヴィーガーズマは《欠片の双子》を繰り出し、カーステンは《四肢切断》を差し向ける。

 ヴィーガーズマは再びカーステンの《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus(DST)》から攻撃を受けたが、やがて2枚目の《欠片の双子》を引き込み、無限にアタッカーを生み出したのだった。

カーステン 1-2 ヴィーガーズマ
Frank Karsten - 親和
プロツアー『運命再編』 / モダン
4 《ちらつき蛾の生息地》
4 《ダークスティールの城塞》
4 《空僻地》
4 《墨蛾の生息地》
1 《島》

-土地(17)-

4 《羽ばたき飛行機械》
3 《メムナイト》
4 《信号の邪魔者》
4 《電結の荒廃者》
4 《鋼の監視者》
4 《大霊堂のスカージ》
3 《エーテリウムの達人》
1 《刻まれた勇者》

-クリーチャー(27)-
4 《オパールのモックス》
1 《溶接の壺》
4 《バネ葉の太鼓》
1 《感電破》
4 《頭蓋囲い》
2 《物読み》

-呪文(16)-
1 《トーモッドの墓所》
1 《思考囲い》
3 《古えの遺恨》
2 《呪文滑り》
1 《倦怠の宝珠》
1 《鞭打ち炎》
3 《刻まれた勇者》
1 《血染めの月》
1 《四肢切断》
1 《法の定め》

-サイドボード(15)-
Jelger Wiegersma - 青赤「欠片の双子」
プロツアー『運命再編』 / モダン
10 《島》
1 《山》
3 《蒸気孔》
1 《繁殖池》
4 《沸騰する小湖》
2 《溢れかえる岸辺》
2 《霧深い雨林》

-土地(23)-

4 《瞬唱の魔道士》
4 《詐欺師の総督》
2 《やっかい児》

-クリーチャー(10)-
4 《稲妻》
4 《血清の幻視》
2 《手練》
2 《呪文嵌め》
3 《差し戻し》
2 《マナ漏出》
2 《血染めの月》
1 《電解》
4 《欠片の双子》
3 《謎めいた命令》

-呪文(27)-
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《ワームとぐろエンジン》
2 《払拭》
1 《仕組まれた爆薬》
1 《自然の要求》
3 《古えの遺恨》
2 《神々の憤怒》
1 《血染めの月》
1 《ヴィダルケンの枷》
2 《殴打頭蓋》

-サイドボード(15)-

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