マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【戦略記事】 積み重ねの頂に

【戦略記事】 積み重ねの頂に

080214_1291.jpg

Jacob Van Lunen / Tr. AOKI Chikara

2015年2月8日

原文はこちら

 プロツアー『運命再編』の最終日を終えて、我々は最新のモダンのメタゲームのより明確な理解を得たといえよう。初日に無敗を記録できたのは6つのアーキタイプのみだ。風景の変容、死せる生、親和が各1人ずつ。バーンと感染が2人ずつ。そしてさまざまなバージョンのアブザンが、実に6人ものモダン・ラウンド初日無敗プレイヤーを輩出した。

 ここでは初日のモダン・ラウンド無敗デッキと、それらが2日目にどのような成績を残したかをチェックしていく。

 アブザンの戦略は山ほど議論されてきた。フォーマット最高の妨害手段(《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》と《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》)があり、強力なクリーチャーと除去もある。モダンの新しい「Tier1」なのは誰の目からも明らかだ。最も成功したアブザン・プレイヤーは、攻撃的なデッキに対する手段を損なうことなく、ミラーマッチでも優位に立てるように調整した面々だ。シャディ・バドラーン/Shady Badran、 カルロ・コルデロ/Carlo Cordero、ジェシー・ハンプトン/Jesse Hampton、 アンソニー・リー/Anthony Lee、そしてヴィディアント・ウィジャヤ/Vidianto Wijayaが、初日のモダンラウンドを全勝で終えた。2日目の彼らのモダンラウンド5回戦の平均勝率は2.5マッチであり、ジェシー・ハンプトンとヴィディアント・ウィジャヤはモダンの総合成績8-2を記録している。

Jesse Hampton - アブザン
プロツアー『運命再編』 / モダン
4 《新緑の地下墓地》
4 《吹きさらしの荒野》
2 《湿地の干潟》
2 《草むした墓》
2 《活発な野生林》
2 《沼》
2 《樹上の村》
1 《森》
1 《神無き祭殿》
1 《平地》
1 《寺院の庭》
1 《黄昏のぬかるみ》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
1 《大天使の霊堂》

-土地(25)-

4 《タルモゴイフ》
2 《漁る軟泥》
4 《包囲サイ》
2 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(12)-
4 《思考囲い》
3 《コジレックの審問》
2 《流刑への道》
4 《突然の衰微》
4 《ヴェールのリリアナ》
4 《未練ある魂》
1 《四肢切断》
1 《大渦の脈動》

-呪文(23)-
1 《流刑への道》
3 《石のような静寂》
1 《部族養い》
1 《漁る軟泥》
3 《エイヴンの思考検閲者》
2 《大爆発の魔道士》
2 《滅び》
1 《真面目な訪問者、ソリン》
1 《殴打頭蓋》

-サイドボード(15)-

 世界ランキング15位のジェイコブ・ウィルソン/Jacob Wilsonもまた、初日のモダン・ラウンドをアブザンを使って無敗を記録しているが、より白緑アグロに近いチーム「Face to Face」バージョンを使用している。終わってみれば、「Face to Face・アブザン」は主要なアーキタイプの中で最も高い勝率を誇っており、なかでもウィルソンはプロツアーのモダン10回戦を8-1-1してチームを牽引した。

Jacob Wilson - アブザン
プロツアー『運命再編』 / モダン
4 《新緑の地下墓地》
4 《吹きさらしの荒野》
3 《森》
3 《ガヴォニーの居住区》
3 《剃刀境の茂み》
1 《神無き祭殿》
1 《湿地の干潟》
1 《草むした墓》
1 《平地》
1 《沼》
1 《寺院の庭》

-土地(23)-

4 《極楽鳥》
4 《貴族の教主》
4 《復活の声》
2 《クァーサルの群れ魔道士》
3 《台所の嫌がらせ屋》
3 《ロクソドンの強打者》
4 《包囲サイ》
3 《萎れ葉のしもべ》

-クリーチャー(27)-
4 《流刑への道》
2 《思考囲い》
4 《未練ある魂》

-呪文(10)-
1 《殺戮の契約》
2 《思考囲い》
1 《大祖始の遺産》
2 《虚空の杯》
1 《石のような静寂》
1 《盲信的迫害》
2 《戦争と平和の剣》
1 《法の定め》
1 《神聖の力線》
2 《引き裂く突風》
1 《英雄の導師、アジャニ》

-サイドボード(15)-

 この週末、親和は強い選択だった。全ての攻撃的なデッキの中でも最速、ゲームを速やかに終わらせるべく、0マナやコストの小さいアーティファクト・クリーチャーをテーブルに叩きつける。対戦相手が除去によって最初の猛攻撃に耐えられたとしても、親和側には攻撃に行ける土地が8枚あり、最小のサイズながら《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》があればゲームを終わらせられる。フランク・カーステン/Frank Karstenは親和で初日のモダン・ラウンドを無敗で終えた。オランダの殿堂表彰者の2日目の成績は芳しくなかったが、それでもモダンラウンドを通算7-3で終えている。

Frank Karsten - 親和
プロツアー『運命再編』 / モダン
4 《ちらつき蛾の生息地》
4 《ダークスティールの城塞》
4 《空僻地》
4 《墨蛾の生息地》
1 《島》

-土地(17)-

4 《羽ばたき飛行機械》
3 《メムナイト》
4 《信号の邪魔者》
4 《電結の荒廃者》
4 《鋼の監視者》
4 《大霊堂のスカージ》
3 《エーテリウムの達人》
1 《刻まれた勇者》

-クリーチャー(27)-
4 《オパールのモックス》
1 《溶接の壺》
4 《バネ葉の太鼓》
1 《感電破》
4 《頭蓋囲い》
2 《物読み》

-呪文(16)-
1 《トーモッドの墓所》
1 《思考囲い》
3 《古えの遺恨》
2 《呪文滑り》
1 《倦怠の宝珠》
1 《鞭打ち炎》
3 《刻まれた勇者》
1 《血染めの月》
1 《四肢切断》
1 《法の定め》

-サイドボード(15)-

 「風景の変容」は、土地が7枚以上ある時にデッキ名になっているカードを解決すると、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》の誘発により対戦相手へ致死量のダメージを与える、強力な1枚コンボだ。デッキはフォーマットの初期から中心的な戦略とされている。この週末に風景の変容が活躍するとの予測はほぼ皆無だったが、ダリル・エアーズ/Daryl Ayersは対抗する手段に乏しいフィールドを利用して、初日無敗を記録した。エアーズは2日目に失速して モダンラウンドの通算は6-4だった。

Daryl Ayers - 風景の変容
プロツアー『運命再編』 / モダン
4 《霧深い雨林》
4 《蒸気孔》
4 《踏み鳴らされる地》
3 《島》
2 《繁殖池》
2 《溢れかえる果樹園》
2 《森》
2 《山》
2 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》

-土地(25)-

4 《桜族の長老》
2 《瞬唱の魔道士》

-クリーチャー(6)-
4 《差し戻し》
3 《遥か見》
3 《深遠の覗き見》
2 《イゼットの魔除け》
2 《マナ漏出》
2 《撤廃》
4 《明日への探索》
1 《強迫的な研究》
4 《謎めいた命令》
4 《風景の変容》

-呪文(29)-
2 《万の眠り》
2 《自然の要求》
1 《払拭》
1 《否認》
3 《炎渦竜巻》
4 《強情なベイロス》
2 《荒ぶる波濤、キオーラ》

-サイドボード(15)-

 「死せる生」の戦略は、スピードを犠牲にして、青でない、あるいはコンボではないデッキを狙い撃ちにして、それらがほぼ対処できないコンボを目指すものだ。このデッキにおける3マナの続唱呪文はその名の通り《死せる生/Living End(TSP)》を必ず引き当てるのだが、それを唱える前に、サイクリング・クリーチャーと《大爆発の魔道士/Fulminator Mage(SHM)》で墓地を満たそうとする。これで死せる生の側にとっては戦場を一掃した上に、場違いなほどの巨大クリーチャーを戻すことになる。今週末のデッキ分布を見渡しても、このデッキ選択は完璧かと思われた。ステファン・マレー/Stephen Murrayが初日のモダン5回戦を全勝で終えたことに驚くことはない。2日目に、対コンボと対青デッキという弱点が露わになったが、通算7-3の成績は妥当といえる。

Stephen Murray - 死せる生
プロツアー『運命再編』 / モダン
4 《新緑の地下墓地》
3 《沼》
3 《樹木茂る山麓》
2 《森》
1 《血の墓所》
1 《銅線の地溝》
1 《ドライアドの東屋》
1 《燃え柳の木立ち》
1 《山》
1 《草むした墓》
1 《踏み鳴らされる地》

-土地(19)-

4 《大爆発の魔道士》
4 《死の一撃のミノタウルス》
4 《巨怪なオサムシ》
4 《通りの悪霊》
3 《叫び大口》
1 《炎血の襲撃者》
1 《よじれた嫌悪者》
3 《ジャングルの織り手》

-クリーチャー(24)-
3 《死せる生》
4 《悪魔の戦慄》
4 《暴力的な突発》
3 《内にいる獣》
2 《血染めの月》
1 《四肢切断》

-呪文(17)-
1 《神々の憤怒》
1 《斑の猪》
1 《減衰のマトリックス》
1 《四肢切断》
1 《フェアリーの忌み者》
1 《大渦の脈動》
1 《再利用の賢者》
3 《沸騰》
3 《殺戮遊戯》
1 《強情なベイロス》
1 《鋳塊かじり》

-サイドボード(15)-

 バーンは初日の時点で最も人気、かつ成功したデッキの一つだ。デッキが目指すのはただ一点、燃やし尽くせ! セス・マンフィールド/Seth Manfieldとキム・サンヨン/Kim Sang-Eunの、2人のプレイヤーが初日のモダンラウンド無敗を成し遂げた。2日目は想定していたマッチアップに恵まれなかったのか、2人で合計3勝しか挙げていない。補足すると、マンフィールドは12回戦終了時点でトップ8入りを確定させている。

Seth Manfield - バーン
プロツアー『運命再編』 / モダン
4 《乾燥台地》
4 《沸騰する小湖》
4 《樹木茂る山麓》
3 《聖なる鋳造所》
2 《山》
1 《血染めのぬかるみ》
1 《踏み鳴らされる地》

-土地(19)-

4 《ゴブリンの先達》
4 《僧院の速槍》
1 《渋面の溶岩使い》
4 《大歓楽の幻霊》

-クリーチャー(13)-
4 《溶岩の撃ち込み》
4 《稲妻》
2 《欠片の飛来》
4 《ボロスの魔除け》
4 《焼尽の猛火》
4 《頭蓋割り》
2 《稲妻のらせん》
4 《裂け目の稲妻》

-呪文(28)-
2 《流刑への道》
4 《破壊的な享楽》
3 《コーの火歩き》
2 《跳ね返す掌》
1 《稲妻のらせん》
3 《溶鉄の雨》

-サイドボード(15)-

 モダンのメタゲームは再び形を変え始めた。プロツアー『運命再編』から、次のプレミア・イベントとなるグランプリ・バンクーバーまでに、《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》や《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》が、どのようになっていくのか興味津々である。

前の記事: 【観戦記事】 準々決勝: Jelger Wiegersma(オランダ) vs. Jacob Wilson(カナダ) | 次の記事: 【英語記事】 Digging Deeper into the Pro Tour Fate Reforged Top 8
プロツアー『運命再編』 一覧に戻る