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【観戦記事】 第1回戦:Dagoberto Silva(メキシコ) vs. 山本 賢太郎(日本)

【観戦記事】 第1回戦:Dagoberto Silva(メキシコ) vs. 山本 賢太郎(日本)

By Masashi Koyama


ダゴベルト・シルヴァ(写真左) vs. 山本 賢太郎(写真右)

 空気が重い

 トーナメント開始前は、これからプロツアーが始まるという高揚感からか、会場全体にどこかフワっとした雰囲気が漂っていた。

 だが、ジャッジのアナウンスが響きドラフトが始まると、空気は一変した。

 周囲に雑音はなく、ジャッジのタイムコールとプレイヤーたちがカードをドラフトする音だけが会場を包んだ。

 そして、デッキ構築が終わりペアリングが貼り出されると、フィーチャーマッチがコールされ、山本賢太郎とダゴベルト・シルヴァが会場中央の、スポットライトに彩られたスポットに入ってくる。

 そして、お互いに着席しデッキのシャッフルを行い、試合開始のアナウンスを待つ。

 ここまで両者に会話はなく、また笑顔をちらつかせることもなく、空気はただひたすらに張り詰めている。

 真剣勝負

 これが、これこそがプロツアー。


ゲーム1

 後手のシルヴァが《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》から《ほころびミイラ/Unraveling Mummy(HOU)》というグッドムーブで機先を制する立ち上がり。さらに《陽光鞭の勇者/Sunscourge Champion(HOU)》で回復しライフ面で差をつける。


ダゴベルト・シルヴァ

 これに対し、山本は《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》から《ほころびミイラ/Unraveling Mummy(HOU)》を《砂漠の拘留/Desert's Hold(HOU)》で抑え、シルヴァの攻勢を捌いていく。

 山本は《オアシスの祭儀師/Oasis Ritualist(HOU)》でマナジャンブしながら、細いシルヴァの攻撃への防波堤とする。これに対し、シルヴァは構わずフルアタック。

 明らかにコンバットトリックを構えている動きに、山本は《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》のみをブロックに参加させる。《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》をブロックしたところに、《救済の恩寵/Saving Grace(HOU)》。これで《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》が一方的に討ち取られる。

 が、山本は《オアシスの祭儀師/Oasis Ritualist(HOU)》から{B}{B}を捻出し、《イフニルの魔神/Archfiend of Ifnir(AKH)》!

 シルヴァは《禍鞭の懲罰者/Banewhip Punisher(HOU)》でこれを破壊しようとするが、山本は《弱点消し/Without Weakness(HOU)》でこれをかわす。結果、シルヴァの攻勢はストップし、攻撃に向かうことができない。さらに、山本は《潰滅甲虫/Decimator Beetle(AKH)》を追加し、天秤を一気に傾ける。

 一方、シルヴァは《ター一門の精鋭/Tah-Crop Elite(AKH)》を追加し《強制的永眠/Compulsory Rest(AKH)》で《潰滅甲虫/Decimator Beetle(AKH)》を無力化、《デジェルの拒絶/Djeru's Renunciation(HOU)》で山本のブロッカーを寝かし、なんとか山本のライフを10まで落とし込む。

 ......が、シルヴァにできたのはここまでだった。

 一度《不屈の砂漠/Desert of the Indomitable(HOU)》のサイクリングを挟んだ山本は《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》で攻撃を続ける。マナを立てながら動く山本に対し、《イフニルの魔神/Archfiend of Ifnir(AKH)》の能力による戦線の壊滅が見えるシルヴァは迂闊なブロックをすることができず、16、12、8、4とシルヴァのライフは4点刻みで減っていく。

 シルヴァは最後の抵抗に、とダメ元でフルアタックを仕掛けるが、山本が適切にブロック。シルヴァは山本の残った10点のライフを一気に減らす手立てを握ってはいなかったのだった。

シルヴァ 0-1 山本


山本 賢太郎

ゲーム2

 シルヴァが《ケンラの永遠衆/Khenra Eternal(HOU)》《無法の斬骨鬼/Marauding Boneslasher(HOU)》と1ゲーム目に続き、序盤から積極的に攻勢を仕掛ける立ち上がり。

 山本の初動は《侵略ナーガ/Harrier Naga(HOU)》。このブロッカーに対し、シルヴァは《禍鞭の懲罰者/Banewhip Punisher(HOU)》でサイズを下げ2体で攻撃。《ケンラの永遠衆/Khenra Eternal(HOU)》を失うも、山本のライフを12まで落とし込む。

 一方、山本は《楽園の贈り物/Gift of Paradise(AKH)》でライフを取り戻しつつマナをジャンプアップし、1マナを残しながらの《イフニルの魔神/Archfiend of Ifnir(AKH)》!

 シルヴァはこれに《強制的永眠/Compulsory Rest(AKH)》をエンチャントし、山本のライフを削り取るべくクリーチャーを追加していくのだが、問題である誘発型能力までは抑え込めない。

 そして、ここで山本がビッグプレイを見せる。《不憫なラクダ/Wretched Camel(HOU)》《毒物の侍臣、ハパチラ/Hapatra, Vizier of Poisons(AKH)》と展開し、《致死の一刺し/Lethal Sting(HOU)》でシルヴァの《無法の斬骨鬼/Marauding Boneslasher(HOU)》を除去しながら、《不憫なラクダ/Wretched Camel(HOU)》に-1/-1カウンターを置く。そして、この「死亡したとき」の能力の対象を自分にすることで、シルヴァの戦線を壊滅させながら蛇・トークンを一気に3体生成してみせる!

対象は「プレイヤー」

 これで手も足も出なくなったシルヴァ。逆転を模索しつつゲームを続けるが、山本が1枚、2枚と「サイクリング」持ちのカードを引き込み戦線をより強固にしていくと、最後は静かに敗北を認めたのだった。

シルヴァ 0-2 山本

山本賢太郎がプロツアー『破滅の刻』緒戦を勝利で飾る!

 試合後、山本の顔に笑顔はなく、またシルヴァも落ち込む素振りを見せず淡々とサイドボードを戻している。ふたりは次の戦いへの準備を終えると、このマッチ最初で最後の会話をただ一言、お互いに交わす。

「Good luck」

 まだ戦いは、始まったばかり。

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