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【戦略記事】 『破滅の刻』注目のカード

【戦略記事】 『破滅の刻』注目のカード

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Chapman Sim / Tr. Takuya Masuyama / TSV Yusuke Yoshikawa

2017年7月28日

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 王神が帰還する『破滅の刻』の砂漠のオアシスにようこそ! 全てのエキスパンションと同じく、我々は新たなメカニズムとカードを迎え入れ、それは既存のデッキの強化だけでなく、忘れられたアーキタイプを復活させ、同時に新しい戦略を可能とする。何が『破滅の刻』によってスタンダードの世界にもたらされ、そしてプレイヤーたちはここ京都のテーブルに何を持ってきたのだろうか?

 白青《王神の贈り物》はMagic Onlineのプロツアー予選を制することで世界を震撼させた。《巧みな軍略》と《機知の勇者》を運用し、その狙いは素早くを墓地を満たして《来世への門》を起動できるようにすることにある。加えて《激変の機械巨人》や捨てられた《王神の贈り物》を回収するための《復元》も備えられている。その後、墓地より這い上がるクリーチャーの奔流は対戦相手を、彼らの予想を上回る速度で圧倒するだろう。

 加えて《機知の勇者》は《コジレックの帰還》を捨て、その後《老いたる深海鬼》を召喚するために2/1を生け贄に捧げる「現出」戦略を達成するためには不可欠の存在だ! 「永遠」のコストは7マナだが、対戦が長引けば重宝する。

 『破滅の刻』の砂漠はこの週末、極めて重要な役割を担っている。それらは土地であり、しかもアンタップ状態で戦場に出るので、プレイヤーがその魅力的な恩恵を受けるためにマナ基盤に組み込むことは難しいことではないのだ。

 これらの砂漠が入っているデッキにおいて、それが大事である理由は各々異なる――しかしその全てが重要だ。

 まず最初に、これらは無色マナを生み出す。つまり《作り変えるもの》《難題の予見者》《現実を砕くもの》を呼び出す助けとなるということだ。

 白のアグロ・デッキはやりたいことによっては4枚の《シェフェトの砂丘》を迎え入れる。「マルドゥ機体」は《平地》の枠に1枚か2枚積むことができる。《オケチラの碑》や他のトークン、そして白ウィニー戦略は、《シェフェトの砂丘》が「横並び」の戦法と明白なシナジーを持っていることから、4枚積むことができる。

 《イプヌの細流》は、自分のライブラリーを削り《来世への門》を素早く達成するために《王神の贈り物》デッキに全力で積まれており、《イフニルの死界》はゾンビ・デッキと黒緑《巻きつき蛇》デッキに追加の除去手段を提供した。

 《ハシェプのオアシス》は47人のプレイヤーに使われ、そのほとんどは《約束の刻》を唱えながら2体のゾンビ・トークンを得ようとしている。またこれは赤緑《静電気式打撃体》デッキや黒緑《巻きつき蛇》デッキでも、《静電気式打撃体》や《夢盗人》を強化して大惨事を起こす! 想像してみてくれ!

 《ラムナプの遺跡》の場合は、軽く効果的なクリーチャーと直接ダメージを使い、対戦相手が動き終わる前に圧力をかける「ラムナプ・レッド」の隆盛につながった。《陽焼けした砂漠》は、プレイしてその後《ラムナプの遺跡》で生け贄に捧げた場合、ダメージ3点に相当するので極めて脅威だ。一部のプレイヤーはその動きの間に無料でゾンビを得るために《死者の砂丘》をも採用している。

 また《地揺すりのケンラ》は最近印刷された中で最も効率的な2マナ域の1つであることにより、「ラムナプ・レッド」の人気に大きく貢献している。《アン一門の壊し屋》と相まって、「ラムナプ・レッド」の赤い軽量クリーチャーから身を守ることは極めて困難であり、潜在的に役に立たないブロッカーを抱えることを厳しく咎める可能性がある。

 自然な流れとして、この「ラムナプ・レッド」の流行は《チャンドラの敗北》を、「ラムナプ・レッド」のあらゆるクリーチャーだけでなく《反逆の先導者、チャンドラ》も消し飛ばす軽い火力呪文として、152のサイドボードに採用させる事態を引き起こした!

 このフォーマットが少し分かってきたところで、今度は《没収の曲杖》についての話をしよう。

 このフォーマットにおける最重要サイドボード・カードの1枚として、これは《王神の贈り物》戦略を封じ込めながら、時折ティムール・エネルギーの《コジレックの帰還》、《秘蔵の縫合体》、《憑依された死体》、《世界を壊すもの》を掃除したい113人(全体の約4分の1)ものプレイヤーに採用された。またこれは《奔流の機械巨人》や「不朽」と「永遠」カード、そして《査問長官》や《終わりなき時計》を悪用しようとするデッキに対しても手当たり次第に効果的だ!

 また、150人が彼らの75枚のカード・スロットを犠牲にしないという理由で、《屍肉あさりの地》をプレイしていた。墓地を掃除する必要がない場合でも、『破滅の刻』のアンコモンの砂漠サイクルと一緒に機能するということにも注目したい。例えば、《ラムナプの遺跡》で対戦相手に2点のダメージを与えるためにこれを生け贄に捧げることもできるのだ。

 しかしながら、『破滅の刻』で最も使われているカードということになれば、それは断然《削剥》だ。会場内の463人のプレイヤーの中で、300人弱が少なくとも1枚の《削剥》を使っていたが、その大部分が3枚か4枚をメインデッキかサイドボードに振り分けている。

 その理由を理解するのは、これが近年印刷された回答の中で最も強力で柔軟性のあるものであることから、難しいことではない。これは重要なクリーチャーを除去できるだけでなく(プロが言うように《削剥》を受け付けない2マナ域は存在しない)、《キランの真意号》、《領事の旗艦、スカイソブリン》、《王神の贈り物》も粉砕するのだ! これは、今日会場にいたプレイヤーの約3分の2が赤をプレイしており、赤がプロツアー『破滅の刻』で最も支配的な色になっていることを表している。

 『破滅の刻』は確かに多くの可能性をもたらしたが、我々は《破滅の刻》(カードのほう)が「青赤コントロール」や「赤緑ランプ」の鍵となる全体除去だということにも言及しただろうか? 『破滅の刻』(セットのほう)は新しいデッキのための手段を大量にもたらしたが、具体的な色は赤でああり、我々はその全力をこの週末に目の当たりにしている。

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