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【トピック】 プロツアー『破滅の刻』ヘッドジャッジ、ジェフ・モロウ

【トピック】 プロツアー『破滅の刻』ヘッドジャッジ、ジェフ・モロウ

by Masashi Koyama

 プロツアーの舞台はマジック最高峰のイベントとして、世界中のマジックファンから大いに注目を集めている。華やかなフィーチャーマッチエリア、一同に集う世界中のスタープレイヤー、充実した観戦環境......。

 一方でその裏では、プロツアーを円滑に運営するためのさまざまな人々が動いている。我々テキストカバレージだけでなく、動画配信、会場設営......と多岐にわたるチームがこのプロツアーを支えている。

 そしてもちろん、マジックのイベントとは切っても切り離せないジャッジたちも。

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 プロツアーという大舞台で、彼らはプレイヤーたちが快適にプレイできるよう会場中をせわしなく動き回っている。

 そのジャッジたちを束ねるのがプロツアー『破滅の刻』ヘッドジャッジのジェフ・モロウ/Jeff Morrow(アメリカ)だ。大きな責任を一心に背負うモロウ。忙しい中、笑顔でインタビューに応じてくれた。

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プロツアーとグランプリの違い

――プロツアーは他のイベントと大きく異なるイベントです。ジャッジから見た他のイベントとの違いはどのようなものでしょうか?

モロウ「私が感じる違いの大部分はイベントの規模です。グランプリは2000人のプレイヤーが参加して、多くのスタッフがいて、そしてさまざまなことが同じタイミングで行われています。一方でプロツアーは小さなグループで、かつジャッジスタッフもほとんどがレベル3(※ジャッジレベルの最高位)です。このプロツアーに関して難しかったことと言えば、スタッフの選択ですね。みんな京都という素晴らしい街へ来たがっていましたから(笑)。おかげで素晴らしいスタッフに参加しておいてもらえたので、『これやっておいて』とお願いするだけでスムーズに物事が進みます(笑)」

――他のイベントではどのようなことが大変なのでしょうか?

モロウ「グランプリでは事細かに、いろいろと説明する必要があります。それはジャッジだけでなくプレイヤーに関しても同じで、例えば(リミテッドグランプリ)2日目のドラフトでは『帽子を脱いで、サングラスを外して......ピックはこういう手順で進行して......』などの確認と説明が必須です。プロツアーではよりプレイヤーに近いところで注意を払えます」

――プロツアーは非常に競技性の高いイベントです。それゆえに難しい点などはないのでしょうか?

モロウ「場合によっては『イエス』です。ですが通常、プロツアーに参加しているプレイヤーはプロ・プレイヤーが多く友人同士であったり、リスペクトしあっていて、フレンドリーで丁寧であることが多いのです。まれにトップ8が近づくに連れてどうしても(プレイヤー同士が)ピリピリしてしまうことはあります。そういったところに気を配らなければいけません」

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――グランプリ・京都2017にも参加されていたとのことですが、モロウさんから見た日本のジャッジはどのように映っているのでしょう?

モロウ「大好きです! 今まで数多く......おそらく8回かそれ以上日本のイベントに参加してきましたが、日本のジャッジは素晴らしいと感じています。特にここ数年は目覚ましい仕事をされていて、中核を担うスタッフが増えました。そして、海外からのジャッジも数多く受け入れていて、お互いにアイディアを共有する機会も増えています」

――確かに、国際色豊かなジャッジの方々を目にします。そういったチームをまとめることは難しくはないのでしょうか?

モロウ「ヘッドジャッジの観点から言えば、『誰がどの言語を話すか』ということはケアしなければいけません。例えば日本のグランプリであれば日本語を話すスタッフが多いので、チーム分けの際に誰と誰がコミュニケーションを取ることができるか、ということなどを考慮しています」


ジャッジを続けることの喜び

――ジャッジを始めようときっかけは何だったのでしょう?

モロウ「2004年までは、私はプロツアー予選などを回る一介のプレイヤーでした。もともとルールの記事を読むのが好きだったこともあり、その年の世界選手権でジャッジ認定を受けました。それからおおよそ13年、ジャッジを続けています」

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――13年もですか!? そんなに長くジャッジを続けているのには理由があるのですか?

モロウ「私にとってジャッジを続けることの喜びは、新たな友人と出会えることです。家に招いてソファーを貸してくれる友人が至るところにいます。ジャッジ・プログラムのおかげで、世界中の人々と出会うことができました。最初の数年は地域の店舗でジャッジをしていただけでした。その後は、グランプリやプロツアーに参加するようになり、多くの人と知り合い、世界を広げてきました」

マジックは、楽しい

――ありがとうございました。最後にジャッジになろうとしている人々に何かアドバイスはありますか?

モロウ「ジャッジであるためには、トーナメント全体やプレイヤーに常に気を配っていないといけません。思い出してください。私たちがマジックをプレイしているのは、マジックが楽しいからです。それを忘れてしまうことは簡単です。プロツアーのように多額の賞金や名誉がかかっていればなおさらです。でも、マジックはゲームなのです。ジャッジにとって、プレイヤーに楽しい経験をしてもらうことこそが仕事なのです」

――確かに、マジックが楽しいからこそ多くのプレイヤーがマジックを続けているのですよね

モロウ「マジックに関わる全ての人々が、このゲームは楽しい、ということを忘れないでいてほしいと思います。このゲームをともに楽しむことこそが、一番大事なことなのです」

――お忙しい中、ありがとうございました!


 インタビューを終えると、モロウは「ありがとう」と添えて笑顔でプロツアーの激戦の中へ戻っていった。

 モロウはフロアにいる間、優しい目でプレイヤーたちを見つめている。

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 マジックは楽しい。だからプロツアーも楽しい。

 言葉はなくとも、プレイヤーたちに語りかけているかのように。

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