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【トピック】 プロツアー『ニクスへの旅』トップ5カード

【トピック】 プロツアー『ニクスへの旅』トップ5カード

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Blake Rasmussen, Nate Price / Tr. Tetsuya Yabuki

2014年5月18日

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第5位 《予知するスフィンクス》

 今大会ひと際その株を上げた《予知するスフィンクス》は、コントロール・デッキの輪郭を極めて強く定めるカードとなった。ふたつのチーム「ChannelFireball」の両方ともが「黒青緑コントロール」を使用し、今大会のメタゲームにその存在を示したのは、このスフィンクスの功績によるところが大きい。そして何と言っても、《予知するスフィンクス》は今回のメタゲームに合致していた。《太陽の勇者、エルズペス》の[-3]能力で流されず、飛行を持つため兵士トークンでブロックされず、そして呪禁を得る起動型能力によってこの後ご紹介する第4位のカードに除去されないのだ。《予知するスフィンクス》が複数枚機能しようものなら、《師範の占い独楽》を起動する「だけでなく」そのターン中にシャッフルまでできるような感覚が味わえるだろう。それが果たして安全なことかどうか、私たちは知っているはずだ(ヒント:安全なわけがない)。



第4位 《英雄の破滅》、《信者の沈黙》

 今大会で誰もが認める活躍を見せたものは、ふたつあった。アグレッシブなクリーチャー・デッキと《太陽の勇者、エルズペス》だ。そういうことなら、このフォーマットで最高の除去である《英雄の破滅》と《信者の沈黙》の2枚が、全体の約3分の2のプレイヤーに使われていたことに驚くことはないだろう。

 今回のブロック構築において、プレインズウォーカーは極めて強力なカードであり、とりわけ《太陽の勇者、エルズペス》の強さは凄まじいものだった。プレインズウォーカーを対処する上で、《英雄の破滅》に比肩するカードはこのフォーマットに存在しない。特にこれほどの汎用性を持つカードは見つからないのだ。《太陽の勇者、エルズペス》が厄介?《英雄の破滅》。それなら《オレスコスの王、ブリマーズ》はどうかって? 《英雄の破滅》。かつて、「それ《破滅の刃》で死ぬじゃん」と冗談を含めて言われていたが、今はより多くのものが「死ぬ」のだ。

 《信者の沈黙》もまた同様に、強力なカードだ。《英雄の破滅》ほどの汎用性は持ちあわせていないものの、純粋なカード・パワーがそれを十分に補う。今回のブロック構築ではカード・アドバンテージを得る手段が極めて貴重であり、《信者の沈黙》はその中でも最高のカードなのだ。こいつはゲーム序盤に単体除去として使えると同時に、終盤では《疫病風》にも変わる。一石で二鳥も三鳥も落とし相手の軍勢を《総くずれ》にできるなら、ゲームのどの段階でも活躍できると期待せずにはいられないだろう。

 この2枚を語る上で最も重要なことは、恐らくその副次的な影響、つまりフォーマットそのものに影響を与えたことであろう。確かに、プレインズウォーカーやアグロ・デッキへの対応は必須となる。しかしその影響で、「星座」や「神啓」を中心にしたシナジー重視のデッキまで除去呪文によって崩されてしまった。これらの除去呪文が環境を締め上げ、それは《予知するスフィンクス》が大きな影響を持つ第一の理由となったのだった。



第3位 《開花の幻霊》

 この週末に緑が使われた主な理由は、これからご紹介する第2位のカードたち(そう、第2位も複数選出だ)ということになるのだが、この最新の「エンチャントレス」もそれらに負けてはいない。《開花の幻霊》は最も強力なドロー・エンジンを組み上げることができる。今大会で決勝まで進んだナム・サンオク/Nam Sung Wookを含め多くのプレイヤーが、この特別な種を植えてエンチャント・テーマならではのアドバンテージを獲得していた。4マナというコストに加えて、今大会で使われた除去すべてに(誇張もなく文字通りすべてに)弱いこのカードだが、それでもなお今大会中最も使用されたデッキのひとつ「白黒緑『星座』」の主役を張っていた。それほどまでの力を持っているのだ。

 ときに《破滅喚起の巨人》や《倒れた者からの力》などと組み合わせられたこともあるが、基本的に《開花の幻霊》は次にご紹介する第2位のカードと手を組んだ。それ単体でも無駄にはならないものの、エンチャントの流れが始まると途方もない力を発揮するのだ。



第2位 《森の女人像》、《クルフィックスの狩猟者》

 緑に欠かせないこれら2枚は、常にふたつセットで語られてきた。実際に片方だけ採用するプレイヤーはいないほどで、緑を選んだプレイヤーのほとんどが、《森の女人像》と《クルフィックスの狩猟者》を4枚ずつ採用していた。そうしなかった者は、長くは勝ち残れなかった。マナの確保が難しい環境にアグレッシブなデッキのスピードが合わさり、その結果、5ターン目を過ぎるまでゲームを続けたいデッキがこぞって《森の女人像》と《クルフィックスの狩猟者》を採用した。《森の女人像》はマナを安定させる最高のカードとして、一方《クルフィックスの狩猟者》はこのフォーマットではかなり限られた純粋なカード・アドバンテージを生み出すエンジンとして、それぞれデッキに入った。事実、その圧倒的な採用数において、これら2枚はこの後ご紹介する第1位のカードに唯一対抗し得るものだったのだ。

 常に共にあった《クルフィックスの狩猟者》と《森の女人像》は、《太陽の勇者、エルズペス》より多くの枚数をトップ8へ送り出した。トップ8で使用されうる枚数は最大32枚だが、緑を含むデッキ7つにわたり各28枚という数字を出したのだ。唯一「白赤『英雄的』」デッキがこの超強力コンビを使わなかったが、早々に2/4と0/3に押さえ込まれ、敗退することになったのだった。



第1位 《太陽の勇者、エルズペス》

 何か疑問はあるだろうか?

 あったとしても、その疑問は決勝で消えたことだろう。両方とも《太陽の勇者、エルズペス》を使うデッキ同士が当たり、しかもその試合はこの6マナのプレインズウォーカーを呼び寄せ戦場に残せるのはどちらか、というのが勝負の分かれ目だったのだから。第1ゲームは、パトリック・チャピン/Patrick Chapinの《太陽の勇者、エルズペス》が彼に勝利をもたらした。第2ゲームは、敵がいなくなった《太陽の勇者、エルズペス》が、ナムのこの試合唯一の白星を獲得した。第3ゲームは、最後の1枚が残るまで両プレイヤーとも除去と《太陽の勇者、エルズペス》の応酬を繰り広げ――そしてもはや当然のことだが、最後に残った《太陽の勇者、エルズペス》が勝利を持ち帰った。パトリック・チャピンは今後一生、自身のプロツアー優勝を太陽の勇者に捧げ続けることだろう。

 《太陽の勇者、エルズペス》は、誰もが探し求め、誰もが恐れたカードだった。この環境を形作ったのは彼女であり、そして彼女が代表するのは、『テーロス』に足を踏み入れたその瞬間から誰が見ても《太陽の勇者、エルズペス》のためのものであったこのフォーマットにおいて、それでも決して色褪せない「トップ5カード」の面々なのだ。キャラクターとしてのエルズペスがテーロスで非業の死を迎えたことが発表された後に、こうして彼女が数多の敵を倒したという事実は、彼女を送り出すのにこれ以上ない出来事だったと言えるだろう。


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