マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【観戦記事】 準決勝:Makis Matsoukas(ギリシャ) vs. Carlos Romao(ブラジル)

【観戦記事】 準決勝:Makis Matsoukas(ギリシャ) vs. Carlos Romao(ブラジル)

Melissa_DeTora.jpg

Melissa DeTora / Tr. Tetsuya Yabuki

2016年10月16日

原文はこちら

マキス・マツォカス/Makis Matsoukas(赤白トークン) vs. カルロス・ロマオ/Carlos Romao(ジェスカイ・コントロール)

 マキス・マツォカスが初出場のプロツアーで活躍を見せている。このアテネの学生は、地元の友人の助けを借りてスタンダードのデッキを組み上げてきた。まさかそのデッキがトップ8入賞への道を開くとは、思いもしなかったことだろう。ましてや、予選ラウンドを1位で通過して準々決勝の不戦勝を得ることになろうとは。

 彼はここまで、彼にできることを尽くしてきた。しかしここで当たるのは、かつての世界王者にしてグランプリ優勝5回を誇る強豪、カルロス・ロマオだ。彼はふたつのステージにわたる準々決勝を勝ち抜いてきた。この試合、マツォカスにとっての試練になるのは間違いない。

それぞれのデッキ

 今大会、マツォカスは独特な形の赤白アグロ・デッキを使用している。多くのプレイヤーが「機体」を選択する中で、彼はより積極的な方針をとったのだ。《密輸人の回転翼機》4枚は搭載しているものの、大型の「機体」を採用する代わりに《霊気装置の展示》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を採用し、またゲームの決め手として《無謀な奇襲隊》も採用することで、横に広く展開する戦略を実現させた。

 対するロマオのデッキは、インスタント除去8枚と全体除去5枚を擁する「ジェスカイ・コントロール」。このマッチアップではやや優位に立てるはずだ。しかもマツォカスのデッキには《多勢》4枚と《石の宣告》4枚が採用されている。これらは普段なら素晴らしい除去呪文なのだが、ロマオのデッキに対しては非常に弱いだろう。

sf1_matkousas_romao.jpg
ここまで来られるとは思ってもいなかったマキス・マツォカス(写真左)。しかし今、彼はスポットライトの下で世界選手権2002王者のカルロス・ロマオ(同右)と対峙している。

ゲーム展開

 マツォカスが先手を選び、ロマオはマリガンを喫した。彼が6枚の手札をキープすると、準決勝第1ゲームが幕を開けた。

 マツォカスの第1手は《霊気装置の展示》。ロマオは最初の数ターン土地を置くのみで、ダメージを甘んじて受けた。マツォカスの盤面に《ピア・ナラー》も追加されたが、《光輝の炎》がすべてを一掃する。

 マツォカスは《無謀な奇襲隊》を「怒濤」なしで展開し、再び盤面を築いてロマオのライフを脅かし続けた。ロマオは《天才の片鱗》で解答を探しにいく。

 ロマオは2枚目の《光輝の炎》を引き込み、マツォカスはもう一度盤面を築き直すことになった。しかし《密輸人の回転翼機》を展開したものの、「搭乗」するクリーチャーがいない。続くターンに《スレイベンの検査官》を得て《密輸人の回転翼機》を動かすことができたが、《蓄霊稲妻》がその攻撃を阻む。

sf_romao.jpg
守りを固め、ゲーム後半に備えるロマオ。

 マツォカスは《鋭い突端》を起動して攻撃に向かった。しかしそれもロマオの手札から現れた《奔流の機械巨人》に止められ、マツォカスは大きく差をつけられてしまう。《発明者の見習い》に続けて《無謀な奇襲隊》を「怒濤」で繰り出したものの、ロマオは2体目の《奔流の機械巨人》で迎え撃ち、攻勢に転じた。さらに3体目の《奔流の機械巨人》を見ると、マツォカスはカードを片付けて2ゲーム目に切り替えるのだった。

 ロマオは再びマリガンを喫したものの、続く6枚に満足した様子だった。マツォカスは《スレイベンの検査官》から《密輸人の回転翼機》という理想的なスタートを切る。続けて《スレイベンの検査官》が《密輸人の回転翼機》に乗り込んだが、ロマオは《蓄霊稲妻》でその攻撃を潰した。マツォカスは2体目の《スレイベンの検査官》を加え、《発明者の見習い》も戦場へ送り出す。

 ターンを迎えたロマオは《光輝の炎》を放ち、マツォカスのクリーチャー3体を墓地へ送った。マツォカスは続く2ターン《鋭い突端》による攻撃を仕掛け、ロマオのライフを残り9点まで削った。しかしマツォカスのさらなる攻撃に対してロマオは《奔流の機械巨人》を繰り出し、《天才の片鱗》を再利用しながらマツォカスのクリーチャー化した土地をブロックした。

 マツォカスの動きが止まり、《奔流の機械巨人》が攻撃に出た。そして間もなくして、2体目の《奔流の機械巨人》が戦場に降り立った。それでもマツォカスは《石の宣告》で2体の《奔流の機械巨人》を追放し、ロマオの盤面には「手掛かり」トークン2枚が残るのみとなった。マツォカスは《模範的な造り手》と《無謀な奇襲隊》を戦線に追加し、ゲームを決める攻撃をしかける。しかし《鑽火の輝き》がロマオを救い、彼はプレイを続行した。

 ロマオは《ドビン・バーン》を呼び出し、《無謀な奇襲隊》を無力化した。だが《スレイベンの検査官》の攻撃でロマオのライフは残り4点へ。ここでロマオは《天才の片鱗》で《燻蒸》を引き込み、戦場を一掃した。さらに《ドビン・バーン》の[-1]能力が彼にドローとライフを与える。マツォカスは追撃できず、ロマオがゲームの主導権を握った。

 ロマオはドロー呪文を重ね、アドバンテージ差を広げていく。そしてついに《大天使アヴァシン》という勝ち手段を引き込むと、マツォカスの投了を引き出したのだった。

 マツォカスはサイド後《多勢》を抜き、この不利なマッチアップが少しでも改善することを願った。今度は彼がマリガンを喫したが、ロマオも再びのマリガン。両者は6枚の手札でゲームを始める。

sf_matsoukas.jpg
世界王者に対しても一歩も引かないマツォカス。

 マツォカスは《鋭い突端》をタップ・インしたのちに《模範的な造り手》を展開。3ターン目には《ピア・ナラー》を盤面に加えた。彼は全軍をレッド・ゾーンへ送り込み、ロマオはその攻撃を防ぐべく《呪文捕らえ》を繰り出した。マツォカスはそれに《停滞の罠》を合わせ、ロマオのライフは早くも残り11点に落ちた。

 ロマオは4ターン目に《ドビン・バーン》を呼び出し、《模範的な造り手》のパワーを下げた。それでもマツォカスは激しい攻撃で《ドビン・バーン》を退場させ、《霊気装置の展示》で追撃をかけた。マツォカスによる強烈な攻撃を前にロマオは《大天使アヴァシン》を繰り出したが、マツォカスは《ピア・ナラー》の能力でブロックを許さず、ロマオの残りライフは危険域に入った。迎えたターンのドローで全体除去を引き込めなかったロマオは、投了の意思を示した。

 第4ゲーム、マツォカスは《発明者の見習い》から《密輸人の回転翼機》でこのゲームの火蓋を切り、さらに《霊気装置の展示》と続けた。しかし《蓄霊稲妻》を嫌ってか、《密輸人の回転翼機》への「搭乗」を避けた。ロマオは《呪文捕らえ》を繰り出し、《発明者の見習い》をブロックする。

 マツォカスは次の攻撃では《密輸人の回転翼機》を送り出し、そこへ《鑽火の輝き》が差し向けられた。だが彼は《抗戦》で《密輸人の回転翼機》を守り、わずかながら追加のダメージも与えた。

 マツォカスはさらに、《模範的な造り手》から《無謀な奇襲隊》の「怒濤」へと繋いだ。ロマオは《密輸人の回転翼機》を除去したものの、この攻撃で大打撃を受けて残りライフが4点になった。それでもターンを迎えたロマオは《光輝の炎》を放ち、盤面を一掃する。マツォカスからの追撃はなかった。

 ロマオは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を呼び出し、トークンを生み出して反撃に出た。マツォカスは《蓄霊稲妻》でトークンを除去し、こちらも《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をプレイ。ロマオは《光輝の炎》でトークンを焼き払うと、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》でマツォカスの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を倒した。このゲームの主導権はロマオがしっかり握って離さない。マツォカスは《密輸人の回転翼機》を展開したが、その搭乗員を用意できなかった。

 ロマオは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》で騎士・トークンを生み出し、マツォカスはついに《ピア・ナラー》を引き込んだ。「搭乗」によって《密輸人の回転翼機》が動き出し、ゲームを決める一撃を放つ。しかしロマオは《奔流の機械巨人》を繰り出して《蓄霊稲妻》を再利用し、迫り来る《密輸人の回転翼機》を落とした。

 ロマオは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の「紋章」を手に入れ、《光輝の炎》をX=2で唱えた。これでマツォカスのクリーチャーを除去しながら、3/3になった騎士・同盟者・トークンを残すことができた。ロマオは強烈な反撃を繰り出し、マツォカスのライフは残り12点。マツォカスは《停滞の罠》を引き込んだが、それだけではロマオの軍勢を止めるには至らなかった。マツォカスが右手を差し出したその瞬間、ロマオがこの試合の勝者となったのだった。

カルロス・ロマオがマキス・マツォカスを3勝1敗で下し、決勝へ!
Makis Matsoukas - 「白赤トークン」
プロツアー『カラデシュ』 トップ8 / スタンダード (2016年10月14~16日)
7 《平地》
6 《山》
4 《感動的な眺望所》
3 《鋭い突端》
2 《霊気拠点》

-土地(22)-

4 《発明者の見習い》
4 《スレイベンの検査官》
4 《模範的な造り手》
4 《無謀な奇襲隊》
3 《ピア・ナラー》

-クリーチャー(19)-
4 《多勢》
4 《石の宣告》
4 《霊気装置の展示》
1 《蓄霊稲妻》
4 《密輸人の回転翼機》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文(19)-
2 《ランタンの斥候》
2 《異端聖戦士、サリア》
2 《断片化》
2 《蓄霊稲妻》
2 《抗戦》
2 《停滞の罠》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《鋭い突端》

-サイドボード(15)-
Carlos Romao - 「ジェスカイ・コントロール」
プロツアー『カラデシュ』 トップ8 / スタンダード (2016年10月14~16日)
6 《平地》
4 《島》
4 《港町》
3 《感動的な眺望所》
1 《尖塔断の運河》
4 《さまよう噴気孔》
4 《霊気拠点》

-土地(26)-

2 《大天使アヴァシン》
3 《奔流の機械巨人》

-クリーチャー(5)-
4 《蓄霊稲妻》
3 《予期》
3 《鑽火の輝き》
1 《神聖な協力》
3 《光輝の炎》
3 《虚空の粉砕》
1 《停滞の罠》
4 《天才の片鱗》
2 《即時却下》
1 《隔離の場》
2 《燻蒸》
2 《ドビン・バーン》

-呪文(29)-
3 《呪文捕らえ》
1 《保護者、リンヴァーラ》
3 《儀礼的拒否》
3 《否認》
1 《神聖な協力》
1 《燻蒸》
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-サイドボード(15)-

前の記事: 【観戦記事】 準々決勝ステージ2:Matthew Nass(アメリカ) vs. Carlos Romao(ブラジル) | 次の記事: 【観戦記事】 準決勝:八十岡 翔太(日本) vs. Ben Hull(カナダ)
プロツアー『カラデシュ』 一覧に戻る