マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【戦略記事】 Ari Laxの5色ドラフト

【戦略記事】 Ari Laxの5色ドラフト

walkinshaw.jpg

Ray "blisterguy" Walkinshaw / Tr. Yusuke Yoshikawa

2014年10月11日

原文はこちら

 『タルキール覇王譚』をドラフト環境として見てみると、多くが行き着くであろう最も明快な結論は、誰もが『タルキール覇王譚』の氏族を軸とする、3色の「楔」の組み合わせの1つを選んでドラフトするであろうということだ。しかし、物事はそう単純ではないらしい。

 早期に聞かれた不満の声からわかってきたのは、2色のデッキに氏族を締めくくる1色をタッチすることは誰もが望むことであることと、同時に4色や5色へ拡げていくこともまた望ましいということだ。そして、物事が本当に興味深くなってきたのは、可能な限り積極的に多色土地をドラフトし、将来的に卓の他のプレイヤーがマナ調整カードの欠乏に苦しむことを狙っているプレイヤーの噂を聞いたときだ。

 デッキをシャッフルしてゲームに備えるはるか前に、卓の他のプレイヤーに積極的に干渉するようなドラフト戦略。当然、それについてもっと聞いてみたいと思い、今週末に刺激的な5色混合デッキがいないかと目を光らせていた。そして、それが画面で注目を集めるまでに時間はかからなかった。

 2日目開始時のフィーチャー・ドラフトを囲んだ際に、我々の目は2人の無敗プレイヤー、マイク・シグリスト/Mike Sigristと世界ランキング11位の渡辺雄也に向いていた。しかしそのすぐ下流でドラフトしていたのがアリ・ラックス/Ari Laxで、その時点で1敗していたのみだった。その後でドラフトビューワーをまとめ上げた際に、ラックスが特別なものを組み上げていたことが実に明らかとなった。つまり、彼は最初から《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade(KTK)》と《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher(KTK)》の両方をプレイしていたのだ。

5color_lax.jpg
アリ・ラックスがデッキのスター選手を見せつける。完全にミスマッチなコンビを描いた、コメディ映画の一場面のようだ。

 第9回戦のフィーチャー・マッチを選定する際に、他の超ビッグネームが優先されラックスは漏れてしまった。しかしすぐに、彼の傑作デッキが韓国のパク・ジュンヨン/Park Jun Youngと、明らかな多色の流行の中にあってなお白黒の「ほぼマルドゥ」デッキを破ったという話を耳にした。そこで彼はスポットライトの下に誘われ、日本のスーパースター・渡辺雄也と、彼の赤白「ほぼマルドゥ」デッキと対戦することになった。

 ラックスは第1ゲームを落としたが、第2・3ゲームをともに《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher(KTK)》で勝ち取り、最終的に逆転してみせた。そして、第11回戦に進むとオマー・ベルドン/Omar Beldonを粉砕し、マイク・シグリストとアンドレイ・ストラスキー/Ondrej Straskyに並ぶ首位タイにつけた。ここで率直に、ラックスに直撃インタビューをして「全員の土地を取り上げる」計画を実行していたのか聞いてみた。

「そうできるとは思わないね。この類のデッキは、どの色も決め打つこともなく、単に何よりも土地を取ることでできる。1つの氏族に収まる良いマナ調整カードが得られることもあるし、5色になることもある。普通、コモンとアンコモンのピック順位を決めておくものだけど、このセットについては、僕たちは最良のアンコモンである《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》と3色土地のどちらが良いか、最良のコモンである《消耗する負傷/Debilitating Injury(KTK)》とコモンの2色土地のどちらが良いかを比較していた。とはいえ、これをやり過ぎると、タップ状態で戦場に出る土地が12枚以上になってしまって、攻撃的な2色デッキの速さについていけなくなるけどね」

 ラックスに、土地をドラフトすることの卓の他のプレイヤーに与える影響の高さについて聞いてみた。すると彼はただ笑って答えた。「もし3色デッキに十分なマナ調整カードをドラフトできていないなら、報いは受けることになるね」

 それからラックスは、一般的にデッキをどのように組むかの説明に移った。「デッキはほとんどの場合、緑を基本にすること。《熊の覚醒/Awaken the Bear(KTK)》や《龍鱗の加護/Dragonscale Boon(KTK)》のようなトリックが使えて、5マナ払って変異を表にする対戦相手を吹っ飛ばす助けになるよ」

 残念ながら、トップ8へ至る道となるスタンダード・ラウンドに戻るにあたり、ラックスはその美しい作品を試合から下げなければならないだろう。しかし間違いなく言えるのは、このデッキが確かに彼を、この週末の残り時間で素晴らしい場所へと押し上げたということだ。

Ari Lax
『タルキール覇王譚』ブースタードラフト
3 《山》
2 《森》
2 《島》
1 《平地》
1 《沼》
1 《吹きさらしの荒野》
1 《砂草原の城塞》
2 《岩だらけの高地》
2 《平穏な入り江》
1 《血溜まりの洞窟》
1 《花咲く砂地》
1 《陰鬱な僻地》

-土地(18)-

1 《爪鳴らしの神秘家》
1 《道の探求者》
1 《沸血の導師》
1 《不気味な腸卜師》
1 《僧院の群れ》
1 《凶暴な拳刃》
1 《まばゆい塁壁》
1 《兜砕きのズルゴ》
2 《イフリートの武器熟練者》
2 《雪角の乗り手》
1 《長毛ロクソドン》

-クリーチャー(13)-
1 《苦しめる声》
1 《神秘の痕跡》
1 《はじける破滅》
1 《必殺の一射》
1 《スゥルタイの魔除け》
1 《ティムールの魔除け》
1 《本質捕らえ》
1 《絞首》
1 《飛鶴の技》

-呪文(9)-
1 《族樹の管理人》
1 《暴風》
1 《マルドゥの戦旗》
1 《ラクシャーサの秘密》
2 《従順な復活》
2 《シディシのペット》
1 《素早い蹴り》
1 《峡谷に潜むもの》
1 《宝船の巡航》

-サイドボード(11)-

前の記事: 【英語記事】 The Mardu That You Do | 次の記事: 【戦略記事】 ドラフト全勝者たち
プロツアー『タルキール覇王譚』 一覧に戻る