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【観戦記事】 第10回戦:Joel Larsson(スウェーデン) vs. 行弘 賢(日本)

【観戦記事】 第10回戦:Joel Larsson(スウェーデン) vs. 行弘 賢(日本)

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Josh Bennett / Tr. Tetsuya Yabuki

2014年8月2日

原文はこちら

 プロツアー『マジック2015』は2日目を迎え、早くもプロツアー・トップ8入賞経験者同士が激突することになった。日本の行弘賢はプロツアー『アヴァシンの帰還』にてトップ4入賞を果たした、期待のニュー・ウェーブだ。彼はその人生をショップの運営とMagic Onlineの配信に捧げ、まさにマジックとともに生きている。

 そんな行弘の対面に座るのは、スウェーデンのヨエル・ラーション/Joel Larsson。プロツアー『ギルド門侵犯』にてプロツアー・サンデーのライトに照らされその名を上げた彼は、その大会の優勝者であるトム・マーテル/Tom Martellに敗れた決勝までの道のりを切り拓いた。行弘とラーションの両者はともに、白の力を引き出したドラフト・デッキを操っている。『基本セット2015』における最強の色、という意見では一致しているようだ。ラーションはそこへ赤を組み合わせることで、長いゲームを犠牲に爆発的な力を得た。一方の行弘は黒を加えつつ、青にもタッチをのばしている。

この試合にかかったものは?

 両プレイヤーともここまで7勝2敗と、誰もがうらやむ位置にいる。行弘は今シーズン比較的おとなしい1年を過ごしてきたが、今大会では最終的に翌シーズンのゴールド・レベルの確保に必要な25位以内を狙える、絶好のスタートを切った。

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 ラーションには大きな目標がふたつある。一番重要なのは、16位以内の成績を収めること。それで彼はプロ・プレイヤーズ・クラブのプラチナ・レベルを達成できる。彼はまたワールド・マジック・カップでのスウェーデン代表のキャプテン争いに身を投じており、デニス・ラシド/Denniz Rachid(ラーションとの点差は10点)が逆転の可能性をまだ残しているのだ。ラーションは今大会への旅路の途中でグランプリ・ボストン2014へ立ち寄り、少しでもプロ・ポイントを稼ごうと試みた。しかし残念ながらその試みは失敗に終わる。「2,400人に迫る参加者の中で勝つのは簡単じゃないね」

ゲーム展開

 1ゲーム目は行弘が素早く駆け出した。《オレスコスの速爪》に続けて、相手の《発生器の召使い》へ《ひどい荒廃》、さらに《キンズベイルの散兵》という動き出し。ラーションは《ゴブリンの荒くれ乗り》で《オレスコスの速爪》と交換を取り、《巨大戦車》を召喚し、行弘は《黒猫》を戦場へ。彼はさらに《影外套の吸血鬼》を盤面に加えたが、いったん足止めを受けた。

 ラーションはアンタップ後しばし動きを止め、それから《キンズベイルの散兵》を繰り出し《巨大戦車》を強化した。続けて「召集」から《かき立てる炎》を《影外套の吸血鬼》へ向けて放つ。《巨大戦車》が行弘のライフ総量を14へ。だが行弘はまだ息切れに陥らなかった。《ヘリオッドの巡礼者》を繰り出すと、強力な《光波の護法印》を持ってきたのだ。ラーションは《キンズベイルの散兵》に《槌手》をエンチャントして行弘のクリーチャーをブロックに参加できなくすると、2体のクリーチャーを送り込み、さらに多くのダメージを通しにかかった。不運だったのは、行弘がそれを待ち構えていたことだ――《貪る光》が《巨大戦車》を処理し、戦闘で死亡した《黒猫》がラーションの手札を空にした。

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 その後もラーションにとって厳しい展開が続く。行弘は呪文を手にし、ラーションは土地を引き続けた。間もなくして、ラーションはカードを片付けた。試合時間は5分と経っていなかった。

 第2ゲームは、ラーションが早い段階からプレッシャーをかけていった。《天麗のペガサス》から《クレンコの処罰者》と動き出すと、続けて《天麗のペガサス》に《槌手》を貼り、《オレスコスの速爪》も繰り出す。最後に出した《オレスコスの速爪》は、《不屈の河川司令官》との相討ちに喜んで使った。これで行弘の盤面に残るのは《黒猫》と、新たに繰り出された《新たな夜明けの模範》のみとなった。

 ラーションは土地を5枚タップし、《轟きの巨人》を戦場へ。全軍で攻撃に出る。行弘にはあるプランがあったが、それはすべての攻撃を受けて残りライフを8まで落とすことを意味していた。続くターン、行弘は《三つぞろいの霊魂》をプレイ。《新たな夜明けの模範》が戦場にあるため、凄まじいまでの打点が揃う。ラーションはアンタップ後、熟考に入った。盤面をじっくりと見渡し顔をしかめると、「威嚇」を持った《クレンコの処罰者》のみで攻撃し、ターンを渡す。

 行弘はターンを得たことにほっと胸を撫で下ろした。厄介な《クレンコの処罰者》に《血の誓約》を撃ち込み、もうひと息つく。ラーションは《秀でた隊長》を召喚したが、攻勢は止まった。行弘は《寛大な拷問者》を呼び出しラーションにこの試合から逃げ出すことを警告したが、ラーションは続くターンにそれを《熱光線》で焼き尽くした。

 それでも、行弘は最悪の状況を脱したようだ。《新たな夜明けの模範》は健在で、一方ラーションの《天麗のペガサス》は《刺し傷》をつけられ負債となっていた。ラーションは《鉱夫の破滅》を繰り出したものの、それはスピリット・トークン2体と相討ちに取られ、行弘は《呪われたスピリット》で逆転への攻勢を始めた。みるみるうちに強大になる行弘の守りを前に、ラーションは突破するすべを見出だせなかった。1ターンに5点というクロックも極めて大きい。2ターン後、試合は終了を告げた。

ラーション 0-2 行弘

試合後

 私はラーションに《クレンコの処罰者》のみで攻撃したターンについて、その考えを聞いてみた。彼は最初から《熱光線》を抱え続けていた。「あのときは、相手がクリーチャーを2体か3体使うと想定して、どうブロックしてくるかを見極めようとしていた。ちょっと長考しすぎてしまったね。そのせいでインスタントを持っていることがバレた、と考えたんだ。もしあのときすぐに全軍攻撃を仕掛ければ、もしかしたら彼を捕まえることができたかもしれない。まあ、ともあれ、こっちのデッキには他にも火力がたくさんあって《火炎放射》も入っていたから、あそこで《熱光線》は温存しようと考えたわけさ」

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