マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【観戦記事】 準決勝:Jackson Cunningham(カナダ) vs. Pierre Mondon(アメリカ)

【観戦記事】 準決勝:Jackson Cunningham(カナダ) vs. Pierre Mondon(アメリカ)

authorpic_joshbennett.jpg

Josh Bennett / Tr. Tetsuya Yabuki

2014年8月3日

原文はこちら

 試合に臨む両者が席につく際、ピエール・モンドン/Pierre Mondonがジャクソン・カニングハム/Jackson Cunninghamに手を差し出した。両者は握手を交わし、モンドンが満面の笑みを浮かべる。「最大最高の幸運を祈ろう。たとえ何が起きてもね」

それぞれのデッキ

 このマッチアップは、カニングハムと市川ユウキが争った準々決勝に極めて近いものとなった。カニングハムは、彼の「白緑アグロ」は全体的に見て不利だと感じていたが、なんとか市川の「ジャンド・プレインズウォーカーズ」を下した。モンドンのデッキリストは市川のものと比べてメインから除去を多めに搭載しており、またプレインズウォーカーを数枚減らし《骨読み》を採用している。

sf_cunningham_mondon.jpg
ジャクソン・カニングハムとピエール・モンドンは、お互いに初のプロツアー・トップ8にて最高の結果を出そうと試合に挑む。

ゲーム展開

 カニングハムが初手の7枚をキープできなかったものの、6枚には収まった。さらにこの試合最初のゲームは後手が決まっていたため、彼にとっては厳しい戦いだ。カニングハムは《陽刃のエルフ》を戦場に出し、一方モンドンは2枚の《豊潤の神殿》でドローを整えつつ、《エルフの神秘家》を繰り出した。カニングハムは2ターン目に《平地》から《羊毛鬣のライオン》。モンドンのライフを18点に落とす。モンドンはターンを迎えドローに入るが、3枚目の土地を引けなかった。彼は《森の女人像》を戦場に出し、ターンを渡す。

 カニングハムはクリーチャーの攻撃で3点のダメージを通し、《ロクソドンの強打者》でマナ・カーブ通りの展開を続けた。モンドンはドロー後《血の墓所》をアンタップ状態でプレイし、5マナ立たせた状態でターンを渡した。カニングハムは自軍を送り込む。再び、《森の女人像》が《陽刃のエルフ》の前に立ちはだかった。ダメージの解決前、モンドンは土地を3枚タップし、《羊毛鬣のライオン》へ《英雄の破滅》を撃ち込んだ。カニングハムは《寺院の庭》をタップ状態でプレイし、2枚目の《ロクソドンの強打者》を召喚する。

 モンドンのドローは《豊潤の神殿》。彼は5マナで《見えざる者、ヴラスカ》を呼び寄せた。ヴラスカが戦場に降り立つなり、《ロクソドンの強打者》を1体葬り去る。これでタップ・アウトになったモンドンは、カニングハムが《陽刃のエルフ》で《見えざる者、ヴラスカ》を退場させるのを見守り、《陽刃のエルフ》の能力で5/5になった《ロクソドンの強打者》によって5点のダメージを受けた。モンドンは2枚目の《見えざる者、ヴラスカ》で《ロクソドンの強打者》をもう1枚除去。今度は《森の女人像》がアンタップ状態で戦場に残り、《陽刃のエルフ》を止めにかかる。カニングハムは今一度《陽刃のエルフ》の能力にマナを注ぎ、《森の女人像》を排除した。

sf_cunningham.jpg
カニングハムの「白緑アグロ」デッキは、《ロクソドンの強打者》とワーム・トークンはビートダウンにおいてまだまだ現役だと、この週末を通して示してきた。

 後がないモンドンは《見えざる者、ヴラスカ》の忠誠度を上げ、《エルフの神秘家》の1点で攻撃。カニングハムは《陽刃のエルフ》の2点で攻撃し、マナを残す。当然、それは《ワームの到来》の合図だ。モンドンは《見えざる者、ヴラスカ》の忠誠度を使い切り《陽刃のエルフ》を除去。続けて、攻撃に向かってきたワーム・トークンへ《化膿》を撃ち込んだ。マナが足りない状況が続いたため、手札は豊富だった。

 これで今度はカニングハムが苦境に立たされた。彼には盤面を作れるものが必要だったが、盤面に力を入れると今度は《ミジウムの迫撃砲》の「超過」に身を晒すことになるのだ。彼は《実験体》を繰り出し、ターンを渡した。それを《紅蓮の達人チャンドラ》が即座に除去する。カニングハムはついに虎の子の《ロクソドンの強打者》を繰り出し、《紅蓮の達人チャンドラ》にも《払拭の光》を当てた。モンドンは「占術」でカードを1枚送り、《森の女人像》を召喚。カニングハムは《ロクソドンの強打者》で攻撃。モンドンは肩をすくめ、《エルフの神秘家》を差し出す。カニングハムはひと息おいてから、第1ゲームの終わりを告げる《セレズニアの魔除け》を見せたのだった。

「キープが甘すぎた。ゲーム中ずっと《骨読み》を3枚も抱えることになったよ」

 2ゲーム目も、カニングハムが再び初手の7枚をデッキに戻すことになった。モンドンは占術土地のプレイからゲームを始め、2ターン目《エルフの神秘家》という立ち上がりだ。カニングハムは《森》から《実験体》と繰り出し、次のターンそれを攻撃に向かわせた。モンドンは喜んでこれを《エルフの神秘家》で相討ちにとった。カニングハムは《平地》をプレイして再び《実験体》を戦場に送り、ターンを渡す。モンドンは《クルフィックスの狩猟者》をプレイするために、2点のライフを払って《踏み鳴らされる地》をアンタップ・イン。ライブラリーの上には《森の女人像》が控えていた。

 それはカニングハムとしては望ましくない、ビートダウン側に厳しい流れだ。彼は《マナの合流点》から《復活の声》で3ターン目を終えた。モンドンは2枚目の《クルフィックスの狩猟者》を繰り出し、ライブラリー・トップから土地を置くと2点のライフを得た。カニングハムは2体のクリーチャーを横向きに倒す。モンドンは《クルフィックスの狩猟者》を1体《実験体》のブロックに向かわせたが、《セレズニアの魔除け》で落とされるのを見守ることになった。しかしそれは問題ない。ビートダウン・デッキ相手に5ターンを過ぎて18点ものライフを残し、さらにまだできる動きがあるというのに文句を言うやつがいるだろうか?

sf_mondon.jpg
モンドンが取り揃えた除去とプレインズウォーカーは、消耗戦を前提にした強力なゲーム・プランを立てることができる。

 モンドンは気兼ねなく《血の墓所》をアンタップ・インし《見えざる者、ヴラスカ》を呼び出すと、彼女の忠誠度を6に上げた。いまだに土地が3枚で止まっているカニングハムは《羊毛鬣のライオン》をプレイしターンを渡すが、《見えざる者、ヴラスカ》がそれに対処した。さらに《化膿》で《実験体》を退場させたモンドンは、《森の女人像》をプレイしてからターンを渡す。その間、彼のライブラリー・トップには2枚目の《化膿》が控えていた。

 カニングハムは《実験体》と《羊毛鬣のライオン》で盤面を作り直し、これで彼の手札は2枚に減った。使えるマナは3マナのままだった。モンドンは《見えざる者、ヴラスカ》の忠誠度を使い切り、《羊毛鬣のライオン》を除去。《見えざる者、ヴラスカ》の後を《紅蓮の達人チャンドラ》が続いた。《紅蓮の達人チャンドラ》の[0]能力がモンドンに《ミジウムの迫撃砲》をもたらし、彼はそれを《実験体》に撃ち込んだ。こうしてモンドンが余裕を持って攻勢に出られる状況となり、彼はカニングハムに2点のダメージを与えた。

 すべてはモンドンのものだった。その後《突然の衰微》を引き込んだ彼に、《紅蓮の達人チャンドラ》が《ミジウムの迫撃砲》をもたらし、彼は喜んでそれを「超過」で唱えた。豊富なマナに手札、加えてプレインズウォーカーは健在。勝利は必然だ。

 3ゲーム目に至っても、カニングハムは6枚でスタートせざるを得なかった。それでも彼は《実験体》から《復活の声》と最高の滑り出しを見せる。モンドンは《マグマのしぶき》でその理不尽なまでの陣容を止め、2枚目となる占術土地を置いた。「占術」で何が見えようと、ライブラリーの上に残すかどうか熟考しなければならなかった。《羊毛鬣のライオン》が《実験体》を3/3にし、モンドンのライフを15点に落とす。だがしかし、カニングハムは3枚目の土地を持っていなかった。モンドンは《ミジウムの迫撃砲》で《羊毛鬣のライオン》に対処し、もう1枚占術土地をプレイした。

 カニングハムはアンタップ後、3点で攻撃。3枚目の土地に《平地》を引き込んだ彼だったが、しかし彼がプレイしたのは2枚目の《実験体》だけだった。モンドンは、3/3の《実験体》に《マグマのしぶき》を当ててから《ゴルガリの魔除け》で《実験体》を2枚とも除去できることを、ジャッジに確認した。カニングハムは4枚目の土地を引き込んだものの、それは3枚目の《平地》で、彼に必要なふたつ目の緑マナは手に入らなかった。モンドンは《クルフィックスの狩猟者》を召喚し(ライブラリー・トップにもう1枚が姿を現した)、ターンを渡す。カニングハムは《払拭の光》を《クルフィックスの狩猟者》に当てたが、これで手札がわずか2枚になった。

 モンドンは再度《クルフィックスの狩猟者》を戦場に送ったが、めくれたカードは《エルフの神秘家》。一番欲しくないものだった。カニングハムは《ロクソドンの強打者》を繰り出す。モンドンは公開されていた《エルフの神秘家》をドローし、その下に待ち構えていた土地も得た。《エルフの神秘家》と《歓楽者ゼナゴス》を繰り出すと、2/2のサテュロスも盤面に加わる。これでモンドンの手札に残るのはあと1枚。カニングハムは《ロクソドンの強打者》を《歓楽者ゼナゴス》へ向かわせ、ここでモンドンは再びジャッジにルールの確認をした。盤面に意識を戻すと、彼は《クルフィックスの狩猟者》とサテュロスでダブル・ブロックに入った。これこそがカニングハムの狙いだった。彼は《アジャニの存在》で《クルフィックスの狩猟者》を倒し、《払拭の光》で《歓楽者ゼナゴス》を退場させたのだ。

 モンドンはアンタップ後、土地を引きそれを置いた。「占術」で見えたものも意味がなく、ライブラリー・ボトムへ。手札に残った最後の《森の女人像》を繰り出し、ターンを渡す。カニングハムは勝利が迫っていることを感じていたとしても、それを表に出さなかった。彼は《ロクソドンの強打者》を横向きに倒す。《森の女人像》がチャンプ・ブロック。カニングハムは《実験体》を加え、ターンを渡した。モンドンはライブラリー・トップのカードを裏向きのまま滑らせ、覗き見た。つい感情が表に出た。彼が引き込んだのは――《見えざる者、ヴラスカ》。これで《ロクソドンの強打者》の除去に成功する。

 カニングハムはドロー後すぐにターンを返した。モンドンは《見えざる者、ヴラスカ》の忠誠度を上げ、ゆっくりとアドバンテージを築いていく。カニングハムはドロー後《羊毛鬣のライオン》をプレイするが、ターンを迎えたモンドンはそれを《英雄の破滅》で除去し、《見えざる者、ヴラスカ》の忠誠度を4まで上げた。これで続くターン、《見えざる者、ヴラスカ》の[-3]能力を使っても彼女を失わずにすむ。状況は、モンドンがリードを重ねていくように見えた。カニングハムは再び《ロクソドンの強打者》を引き込み、《実験体》を3/3に「進化」させるとそれを攻撃に向かわせた。モンドンは《エルフの神秘家》でチャンプ・ブロックに入る。

 モンドンは《見えざる者、ヴラスカ》の[-3]能力で《払拭の光》から《歓楽者ゼナゴス》を救い出し、サテュロス・トークンを生み出した。カニングハムは長い時間を経て、ようやく2枚目の《森》を引き込んだ。《ロクソドンの強打者》が《歓楽者ゼナゴス》を狙い、《実験体》は《見えざる者、ヴラスカ》に向かった。モンドンはサテュロスを2枚とも《ロクソドンの強打者》のブロックに向かわせる。カニングハムは土地をすべてタップし、切り札となる《加護のサテュロス》を「授与」した。モンドンの盤面は一気に崩れ、残るは《歓楽者ゼナゴス》のみになった。もう1枚、大きな脅威が必要だ。

 その願いは届かなかった。彼はサテュロス・トークンを生み出し、ターンを渡す。カニングハムは《実験体》を《歓楽者ゼナゴス》に向けて攻撃させ、《ロクソドンの強打者》はモンドンの方に向かわせた。モンドンのサテュロスは《歓楽者ゼナゴス》を守ったが、彼自身のライフは6点に落ち込んだ。アンタップ、ドロー。引いたのは《紅蓮の達人チャンドラ》で、彼女の[0]能力が《化膿》をめくる。モンドンは再びサテュロス・トークンを生み出し、さらに《実験体》を《化膿》させた。モンドンのターン終了時にカニングハムが土地を4枚倒し、《ワームの到来》が巻き起こった。

 ターンを迎えたカニングハムがドロー。その瞬間、となりの部屋にいる観客たちから、思わずそちらへ振り返るほどの大きな歓声が上がった。彼が引いたのは、《群れの統率者アジャニ》。モンドンの手札は残り1枚。カニングハムは渾身の力を注いだ――彼が8/6飛行、二段攻撃の《ロクソドンの強打者》を作り出すと、モンドンは手を広げ、カニングハムの決勝での健闘を祈ったのだった。

ジャクソン・カニングハムがピエール・モンドンを2勝1敗で破り、決勝へ!

前の記事: 【観戦記事】 準決勝:Ivan Floch(スロバキア)vs. Owen Turtenwald(アメリカ) | 次の記事: 【観戦記事】 決勝:Ivan Floch(スロバキア) vs. Jackson Cunningham(カナダ)
プロツアー『マジック2015』 一覧に戻る