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【戦略記事】 プロツアー『ゲートウォッチの誓い』モダン・メタゲーム・ブレイクダウン

【戦略記事】 プロツアー『ゲートウォッチの誓い』モダン・メタゲーム・ブレイクダウン

Jacob Van Lunen & Corbin Hosler / Tr. Tetsuya Yabuki

2016年2月5日

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 プロツアー『ゲートウォッチの誓い』では、生まれ変わったモダン・フォーマットに再び注目していく。《花盛りの夏》と《欠片の双子》の禁止を受けて、モダン環境は大きな変化を迎えた。最も人気を集めていたコンボ戦略ふたつが退場したことで、このフォーマットに革新を起こす大きなチャンスが生まれたのだ。早速、マジック最高峰の舞台での戦いに挑む世界のベスト・プレイヤーたちが持ち込んだデッキを見てみよう!

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 「バーン」と「エルドラージ」をアグロ・デッキに分類すると、プロツアー『ゲートウォッチの誓い』におけるモダンのメタゲームはおよそ半数を前のめりな戦略が占めるという結果になった。続いて多種多様な形のコンボ戦略が全体の3分の1。そして、かつて一大勢力を築いていたミッドレンジとコントロールは、対峙する勢力を想定すると困難に直面すると見られ、以前と比べて大きく数を減らすことになった。

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 最大勢力となったのは、「親和」と「バーン」。それぞれ51人のプレイヤーが使用し、他のデッキと大差をつけている。

 「親和」はコストの軽いアーティファクトを可能な限り素早く使い切り、対戦相手を圧倒することを目指したデッキであり、3ターン目に決着することも多い。マジックのベスト・プレイヤーたちがこぞって「親和」を選択したのも驚くことではないだろう。「親和」はゲーム後半でもコントロール・デッキと渡り合えるほど力強く、またコンボ・デッキとのスピード勝負もできる。だがその一方で、2ゲーム目以降は大きな弱点を抱えることになる。相手がサイドボードから《石のような静寂》や《古えの遺恨》といったカードを差し向けてくると、一気に不利へ追い込まれるのだ。

 「バーン」も立ち位置としては「親和」と同じだ。このデッキは軽量クリーチャーを駆使してゲーム序盤から対戦相手のライフに大きなプレッシャーをかけていき、火力呪文でとどめを刺すことを狙ったものだ。しかしデッキの速度に優れてはいるものの、それでもモダンで注目されるコンボ戦略とのスピード勝負ではやや苦戦を強いられる。「バーン」デッキの最大の強みは、どのゲームでも勝利へのプランが変わらないその安定感にあると言えるだろう。

 これらふたつのデッキ以外に、今大会において使用率10%を占めるものはない。とはいえ「感染」と「エルドラージ」はそれぞれ32人の使用者を集め、高い使用率に迫っている。

 「感染」デッキは今大会で有力なコンボ戦略だ。「感染」を持つクリーチャーを大量に採用したこのデッキでは、クリーチャーを強化する呪文が2倍の効果を持つようになる。このデッキを相手にマナを残せなければ早ければ2ターン目にして牙を剥き、勝利を奪っていくことだろう。

 「エルドラージ」はモダンで最新のヒット作だ。このデッキは《エルドラージの寺院》や《ウギンの目》を用いることで、《難題の予見者》などの強力なエルドラージ呪文のコストを大きく減らして繰り出す。このデッキが有する脅威の大きさと素早さは、新たなモダン環境に最も驚くべきアグレッシブな戦略をもたらしたのだった。

 また、「Zoo」デッキも使用者22人と注目すべき勢力となっている。このデッキは、コストに優れたクリーチャーと《流刑への道》に《稲妻》という環境最強の1マナ除去を駆使する伝統的な戦略だ。

 「ジャンド」と「アブザン」は、モダンのイベント、とりわけプロツアー・レベルの大会では常に大きな存在感を放っていた。しかしこの週末は、これらの戦略が数を減じている。恐らく、最近の環境変化によって「エルドラージ」や「トロン」の数が増えることを懸念したのだろう。

 そして今大会では、コントロール使いたちがサイドボードの選択に頭を悩ませるコンボ・デッキの姿も多く見受けられる。最大勢力となったのは「風景の変容」だが、《むかつき》や《御霊の復讐》を用いた様々なデッキも散見されている。

 それでは、以下に今大会のメタゲーム一覧を掲載しよう!

デッキ使用者数
感染32
エルドラージ32
Zoo22
アブザン20
ジャンド18
風景の変容14
「死の影」アグロ14
アブザン・カンパニー12
トロン11
ジェスカイ・コントロール10
マルドゥ9
マーフォーク8
キキジキの調べ7
テューンの大天使の調べ7
むかつき6
死せる生6
グリ「ショール」ブランド5
裂け目の突破5
デルバー5
ブルー・ムーン4
緑白呪禁4
ジェスカイ・アグロ3
ストーム3
エルフ3
ヘイトベアー3
ランタン・コントロール3
ナヤ・カンパニー2
殉教者コントロール2
グリクシス・コントロール2
ゾンビローム2
ソウルシスターズ2
吹き荒れる潜在能力1
白青コントロール1
「雪崩し」レッド1
ナイトフォール1
ジェスカイの隆盛1
アミュレット・コンボ1
ハルク・コンボ1
緑白カンパニー1
エスパー1
追加ターン1
フェアリー1
けちな贈り物1
バント・カンパニー1

 モダンの幅広さを象徴するかのように、今大会でも使用率15%を超えるアーキタイプは現れなかった。今大会は、モダンのこれからの流れを決定するものになるだろう。プロツアー『ゲートウォッチの誓い』で繰り広げられる戦いから、目を離すな!

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