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【観戦記事】 第4回戦:Frank Karsten(オランダ) vs. Luis Scott-Vargas(アメリカ)

【観戦記事】 第4回戦:Frank Karsten(オランダ) vs. Luis Scott-Vargas(アメリカ)

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Josh Bennett / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年7月31日

原文はこちら

フランク・カーステン/Frank Karsten(赤アグロ)vs. ルイス・スコット=ヴァーガス/Luis Scott-Vargas(青赤《アーティファクトの魂込め》)

 プレイヤーたちがリミテッド・デッキをしまい、各々が調整を施した凶悪な武器を披露するときがきた。構築ラウンド最初の試合を飾るのは、リミテッド・ラウンドを2勝1敗で終えてここから勝ちを重ねていきたい殿堂顕彰者同士の対決だ。

 フィーチャー・テーブルの片側に席を占めるのは、オランダの殿堂顕彰者、フランク・カーステン。彼はマジックの分析に長けることで大いに知られており、またモダンの「親和」デッキで対戦相手を殴りつけることが大好きなプレイヤーとしても知られている。だがこの週末はアーティファクトから離れ、《カラデシュの火、チャンドラ》を用いた素直な「赤アグロ」にその希望を託している。

 そんなカーステンと対峙してなおトレードマークである陽気な雰囲気を見せるのが、殿堂仲間であるルイス・スコット=ヴァーガスだ(終始笑顔を崩さなかった)。ここ数年もファンを増やし続けている彼だが、最近は大きな活躍ができていない。その原因は、多くのプロ生命を奪ってきた「実生活」という名の悪魔だろう。事実、彼は仕事の都合で今大会を欠席する寸前だった。彼は昨晩到着の最終便に乗る必要があったのだ。嬉しいことに、彼のチームは調整不足の彼のために、強烈な《アーティファクトの魂込め》によるアドバンテージを活かした青赤のアグレッシブなアーティファクト・デッキを用意していた。

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フランク・カーステンがアーティファクトのデッキを使うだろう、と予想していたそこの君、驚いたかい!

ゲーム展開

 スコット=ヴァーガスは初手をキープし、一方のカーステンはマリガンを余儀なくされた。マリガン後の占術はライブラリー・トップに置きたいものだったようだ。カーステンが《山》から《僧院の速槍》を繰り出すと、スコット=ヴァーガスは眉を上げた。

「そういうことかい?」

「ああ、そういうことだ。これはプランBだったけどね。この環境を打ち破るプランAはうまくいかなかったよ」

 スコット=ヴァーガスは手札から《島》を置くと、《バネ葉の太鼓》に続けて《羽ばたき飛行機械》を2枚繰り出した。この動きを見せるなり、対戦相手から称賛の声がかかる。「その戦略は大好きで、もちろん試したさ。でもうまく働いてくれなかった」

 カーステンの次なる一手は、猛烈なものとは言い難かった。彼は2枚目の《山》を置き1点で攻撃しただけでターンを終える。ターンを迎えたスコット=ヴァーガスは《アーティファクトの魂込め》を《バネ葉の太鼓》にエンチャントし、5点のダメージを叩き込んだ。カーステンは再び攻撃し、3枚目の土地を置くと《カラデシュの火、チャンドラ》を戦場に呼び出した。スコット=ヴァーガスはもう一度5点のダメージを与え、《ファイレクシアの破棄者》で《カラデシュの火、チャンドラ》の能力を封じた。

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無慈悲に攻め立てるスコット=ヴァーガスのアーティファクトたち

 だがカーステンはそう簡単には諦めない。《カラデシュの火、チャンドラ》で攻撃しブロック指定前に《灼熱の血》で《ファイレクシアの破棄者》を焼き払うと、戦闘後、《カラデシュの火、チャンドラ》の能力を起動して合計3点のダメージを与えることに成功した。チャンドラのプレインズウォーカーの灯が点り、彼女は《燃え盛る炎、チャンドラ》へと変身を果たす。カーステンは《燃え盛る炎、チャンドラ》の[+1]能力でさらに2点のダメージをスコット=ヴァーガスに与えて彼の残りライフを7点とすると、《火飲みのサテュロス》を盤面に追加した。

 だがカーステンにとって不幸なことに、スコット=ヴァーガスは2枚目の《アーティファクトの魂込め》を持っていた。彼は《アーティファクトの魂込め》を《羽ばたき飛行機械》にエンチャントすると、致命打となる10点で攻撃。カーステンは冗談めかして5/5の《バネ葉の太鼓》を《火飲みのサテュロス》でブロックすると、カードを片付けた。

 2ゲーム目に向けてシャッフルをしながら、カーステンはなんとかアーティファクト・デッキを使おうと奮闘したことを語った。「でも誰も信じてくれないんだよね。みんな『はいはい、フランクはまた親和ね。いいから本気でデッキ作ろうぜ』ってさ」

 スコット=ヴァーガスは、彼のチームでも同じようなことが起きたのだと笑った。「ジョシュ・マクレーン/Josh McClainがこれを作ったのだが、彼は誰も見てない2階の部屋で取り組んでいたよ」

 両プレイヤーとも初手を6枚に減らし、占術で見たカードもライブラリーの一番下へ送り込んだ。カーステンは《火飲みのサテュロス》からゲームを始め、そこへ《僧院の速槍》を加えて3点で攻撃する。スコット=ヴァーガスはターンを迎えると《ダークスティールの城塞》に《山》を加えて、《焙り焼き》を《火飲みのサテュロス》へ差し向けた。カーステンの顔に、控えめに言って苦々しいものが表れる。

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手痛い《焙り焼き》を受けるカーステン

 ターンを迎えたカーステンは《ケラル砦の修道院長》を繰り出し、ライブラリー・トップから《山》を出すことに成功すると、1点で攻撃。スコット=ヴァーガスは、今度は《アーティファクトの魂込め》を《ダークスティールの城塞》にエンチャントして即5点で攻撃し、カーステンに苦痛を浴びせ続ける。カーステンはギアを変える必要に迫られた。彼は《僧院の速槍》をチャンプ・ブロックのために残し、2点で攻撃。《カラデシュの火、チャンドラ》を繰り出した。《ダークスティールの城塞》の前に飛び込んだ《僧院の速槍》が倒れると、スコット=ヴァーガスは《搭載歩行機械》を1/1でプレイし《島》を1枚立たせてターンを返した。

 カーステンは少し考える時間を置き、残ったクリーチャー2体で攻撃。《ケラル砦の修道院長》の前には《搭載歩行機械》が立ちはだかる。カーステンは《乱撃斬》をスコット=ヴァーガス本体に撃ち込んで《カラデシュの火、チャンドラ》をアンタップすると、戦闘後に《燃え盛る炎、チャンドラ》へと変身させた。[+1]能力でスコット=ヴァーガスのライフは残り7点。続けて、《大歓楽の幻霊》が「かかってこい」とばかりに戦場へ送り込まれた。

 スコット=ヴァーガスはそれに応えて《ダークスティールの城塞》で攻撃し、《大歓楽の幻霊》を屠った。彼は続けて《鋳造所の隊長》を盤面に加えてターンを渡した。カーステンはアンタップ後、《燃え盛る炎、チャンドラ》の[+1]能力を再び起動し、さらに《稲妻の一撃》を本体へ撃ち込んだ。だがスコット=ヴァーガスは手札から《頑固な否認》を見せた。

「こりゃたまらん」と、顔をしかめてカーステンが言う。「他の動きを選択した方がよかったかな」 彼は2枚目の《大歓楽の幻霊》を繰り出してターンを終えた。

 スコット=ヴァーガスは全軍で攻撃。もちろん《ダークスティールの城塞》はチャンプ・ブロックされたが、飛行機械・トークンと《鋳造所の隊長》がカーステンのライフを残り6点まで落とした。スコット=ヴァーガスは4マナで《搭載歩行機械》を2/2で繰り出し、《大歓楽の幻霊》の能力によるダメージを回避した。それでも、彼のライフは残り5点だ。カーステンは形勢逆転を願ってドローする。《燃え盛る炎、チャンドラ》がスコット=ヴァーガスのライフを残り3点に落としたが、しかしカーステンはそのままターンを返した。彼の手札にあるのは《山》だった。

カーステン 0-2 スコット=ヴァーガス

 試合後、私は最初のゲームで《僧院の速槍》も攻撃させたことについてカーステンに尋ねてみた。結果的にこの選択が、2枚目の《アーティファクトの魂込め》による致命傷を許したのだ。「確かに、もっと慎重にプレイすることはできたね」とカーステンは答える。「ただ、あの場面で相手が繰り出し得る私の負け筋は《アーティファクトの魂込め》か《爆片破》だけだ。守りを重視してプレイしたら、こちらの攻撃が足りず勝つのが難しくなると思う」

 続けて、このマッチアップについても聞いてみる。「見た目より悪くないと思う。今回はどちらのゲームでもこちらの動きが鈍かった。本来は真っ向勝負の速い展開になるはずだ」

 スコット=ヴァーガスにも話を聞くと、彼は反対の意見を出した。「赤アグロだと《アーティファクトの魂込め》の対処が極めて難しい。飛行を持てば《焙り焼き》もできなくなるし、《ダークスティールの城塞》についたら解答がないからね。それから《搭載歩行機械》もかなり強いよ」

 続けて、チーム謹製のこのデッキは今後の戦いでも頼りになるか聞いてみた。「ああ、もちろん。ただ最後は、私のプレイテスト量がものをいうけどね」

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