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プロツアー『マジック・オリジン』

戦略記事

マジック・オリジンがプロツアーに与えた影響

青木 力
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Corbin Hosler / Tr. Chikara Aoki

2015年7月31日


 マジックのすべての新セットはゲームに新しいなにかをもたらす。それがメカニズムだろうと、効果的なサイドボード用カードだろうと、まったく新しいデッキを作り出すカードだろうと、新セットがスタンダードのメタゲームへ影響を与えることをプレイヤーは期待する。

 『マジック・オリジン』は期待を裏切らない。

 テスト・プレイからフィーチャーマッチまで、今週末のマジックを変えたカードの一部を紹介する。

搭載歩行機械

 『マジック・オリジン』で《搭載歩行機械》以上にスタンダードに影響を与えたカードはない。赤青《アーティファクトの魂込め》のような新しいデッキの可能性を切り拓き、既存のデッキをアップグレードした。コントロールとアグロの両方で採用されたこのカードは、バンクーバーのいたるところで見うけられる。

衰滅

 今日、リセット呪文はとても希少である。そして《衰滅》よりも強力なものは本当に数が少ない。アグロデッキに対しては待望の《審判の日》のように機能し、アブザンコントロールは自身の《包囲サイ》を戦場に残したまま対戦相手のクリーチャーを一掃できるようになった。

つむじ風のならず者

 ドラフトにおいてたまに現れる「神話レア級アンコモン」として知られる《つむじ風のならず者》(と、そのお供の飛行機械・トークン)は、今週末のスタンダードにおいてもまた存在感を示した。小型のアーティファクト・クリーチャーと《幽霊火の刃》、《アーティファクトの魂込め》とともに、《つむじ風のならず者》はトーナメントで4番目に使用者の多いデッキの屋台骨を支える。

 赤青アーティファクトデッキは過去のプロツアーでは良い成績を収められなかったが、33人ものプレイヤーが『マジック・オリジン』で結果を出すために必要なデッキだと考えたのだ。

飛行機械の諜報網

 飛行機械が、その複雑な諜報網とともにやってきた。コントロール・デッキが勝利手段として(31人の青黒コントロールプレイヤーのうち8人がこのルートを選んだ)、赤青アーティファクトデッキがサイドボードカードとして、《飛行機械の諜報網》はこの週末で名を上げた。

悪魔の契約

 スタンダードにおいて、1枚のカードがデッキを歪めてしまう事態はめったに起こらない。《悪魔の契約》は、必要な時に戦場から取り除くことができないと即座に敗北してしまうので、プレイするのは非常に危険である。

 しかし、そんなことを物ともしないバンクーバーのプレイヤーたちが、なんとか《悪魔の契約》デッキを形にしようとベストを尽くした。《悪魔の契約》の良い面だけを見るならば、プレイヤーが《悪魔の契約》を利用するためのデッキを作ろうとしても不思議ではない。それが《悪魔の契約》を手札に戻すために《侵入する生物種》を使うことを意味しても、だ。

 勝つにせよ負けるにせよ、《悪魔の契約》が唱えられたら、たとえそれが「契約」を巡るサブゲームとなっても、ゲームはより面白くなることは否定できない。『マジック・オリジン』からの、フレーバーに満ちて強力な、そしてバンクーバーで勘定に入れておくべき脅威だ。


 これらはマジックの一番新しいセットのハイライトであり、影響のあるカードの一部でしかない。《ゴブリンの群衆追い》はそこかしこにいるし、《紅蓮術師のゴーグル》でさえバンクーバーでは試されている。

 カナダで誰が、どんなデッキで頂点に立つかは未だ不明であるが、『マジック・オリジン』のカードが存在感を持つことに疑問はない。

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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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