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【観戦記事】 第7回戦:Ivan Floch(スロバキア) vs. Mike Flores(アメリカ)

【観戦記事】 第7回戦:Ivan Floch(スロバキア) vs. Mike Flores(アメリカ)

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Josh Bennett / Tr. Yusuke Yoshikawa

2015年7月31日

原文はこちら

イヴァン・フロック/Ivan Floch(世界ランキング13位・4色結集) vs マイク・フローレス/Mike Flores(赤アグロ)

 5勝1敗の成績までたどり着けば、プレイヤーはこのトーナメントの最初の難関をクリアしたことになる。つまり、2日目進出の確保だ。ここから彼らは、さらなる勝利を積み上げて、トップ8への階段を登っていくのだ。

 スロバキアのイヴァン・フロックは、プロツアー『マジック2015』で優勝し、その後プロツアー『タルキール覇王譚』でトップ8を飾った。彼の2014-15シーズンは成功のうちに過ぎ、来たるシーズンのプラチナ・レベルのステータスをすでに確保している。いま彼が狙うのは、世界選手権2015の招待枠だ。ヨーロッパのプロ・ポイント最上位3枠からはわずかに漏れているのだ。

 テーブルの向こう側に対するは、このゲーム最古にして最も尊敬される発言者のひとり、マイク・フローレスだ。ライター、コメンテーターであり、そしてプロツアー最初期からのプレイヤーであるフローレスは、最近になって公の場に戻ってきた。事実、彼が最後に出場したプロツアーは2006年にまでさかのぼるのだ。彼はこの週末の出場枠を、革新的な5色ドラゴン・デッキでプロツアー地域予選を勝ち抜いて獲得した。彼がこれまで、このイベントを見越してプレイしてきたのかどうかを聞いてみた。「私は常にプレイしているが、まったくドラフトはしていない。3週間前に初めてフライデー・ナイト・マジックに参加して、2回勝つことでこのセットのドラフトを覚えたよ」

 フローレスは「Ultra Pro」のチームメイトと同じく赤アグロを選択している。フロックは、最近2週間で急速に人気が高まった4色版の《先祖の結集/Rally the Ancestors(FRF)》コンボデッキだ。

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イヴァン・フロックの「結集」コンボとマイク・フローレスの赤アグロの戦いが速やかに始まる

ゲーム展開

 フローレスが先攻。これはこのマッチアップで大きな有利だ。そして盤面へ最初に降り立ったのは《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》だ。

「《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》の誘発を忘れるごとに、チームメイトに腕立て伏せをさせられたものさ」

 フロックは《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(M15)》でライブラリーを削り、《マナの合流点/Mana Confluence(JOU)》を見つけるとともに墓地を肥やした。フローレスは3枚目の《山/Mountain(AVR)》を置き、《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(M15)》を《乱撃斬/Wild Slash(FRF)》で排除しながら2点で攻撃。フロックは後続として《死霧の猛禽/Deathmist Raptor(DTK)》を出すが、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》からダメージを受け続け、フローレスの残した2マナからは《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》が。そしてアンタップし、2点で攻撃し、2枚目の《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》を盤面に加えた。フロックは4枚目の土地を置いて、ただターンを返した。

 これは明確な《集合した中隊/Collected Company(DTK)》警報だ。しかしフローレスは身を引くことはできないと感じた。リスクを取り、2体のクリーチャーで攻撃する。《集合した中隊/Collected Company(DTK)》が伝えたのは悪い知らせ、《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk(ORI)》と《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》だった。ブロックを許可されると、喜んで《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk(ORI)》を《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》の1体と相打ちにとり、もう1体を《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》で安全に受け止めた。形勢はフロックに傾いてきているようだった。

 フロックはアンタップすると、少し間をとって状況を考慮した。そして、変異をプレイしてターンを返すことに落ち着いた。彼は《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》から2点(フローレスの腕立て伏せは見られなかった!)、さらにターン終了時の《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》で4点を受け、心もとないライフ6点まで追い込まれた。フローラスは《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter(FRF)》を疾駆させ、変異をブロック不可にした。もちろんこれは《不気味な腸卜師/Grim Haruspex(KTK)》で、表向きになると《死霧の猛禽/Deathmist Raptor(DTK)》が2体戦場に戻ってきた。フローレスはクリーチャーを片付けて墓地に置いた。

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対戦相手の軍勢を側面から攻めるフロック

 フロックは6点で反撃すると、《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》と変異で守りを固めた。フローレスは最後の1枚、《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》を放つ。あと3点、そしてカードを引くチャンスは一度きりだろう。しかし物事は失意のうちに終わり、彼は役立たずの《山/Mountain(AVR)》を引いてフロックの軍勢に踏み潰されるだけだった。

 第2ゲーム、フローレスは《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker(DTK)》に続いて2体の《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》というスタートを切った。フロックは2枚目の土地を置き、そのターン何もすることができなかった。フローレスには満足なことだった。彼は《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker(DTK)》を疾駆させて攻撃し、全力でパワーを増やした。

 第3ターンのアンタップを迎えた時点で、イヴァン・フロックの金庫にはライフ9点しか残されていなかった。

 彼は手札を見て顔をしかめると、《マナの合流点/Mana Confluence(JOU)》を置いた。フローレスは笑みをこらえることができなかった。「いいね!大好きな土地だよ」

 しかし、それに大した意味はなかった。フロックは《異端の癒し手、リリアナ/Liliana, Heretical Healer(ORI)》を出してはみるが、フローレスから2枚の火力呪文が飛んできて、勝利にはそれで十分だった。

 フローレスは第3ゲームでも《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker(DTK)》を展開してスタートしたが、フロックは攻撃を受ける前に《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》を出すことができた。フローレスは《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》を加えてターンを返す。しかし、ここに極めて悪い知らせがもたらされた。《再利用の賢者/Reclamation Sage(M15)》で《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》が除去されたのだ。フローレスのわずかな希望は、フロックがまたも《マナの合流点/Mana Confluence(JOU)》で戦っていて、3枚目の土地を置けていないことだった。

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有利なマッチアップで、優勢を確かなものにしようとするフローレス

 フローレスは《灼熱の血/Searing Blood(BNG)》で《再利用の賢者/Reclamation Sage(M15)》を排除し、攻撃することでフロックのライフを12に落とす。ここで《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(M15)》が《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth(M15)》をもたらし、《マナの合流点/Mana Confluence(JOU)》の痛みを和らげると、フロックは《アラシンの僧侶/Arashin Cleric(FRF)》を加えて貴重なライフ3点を得た。フローレスは《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter(FRF)》を疾駆させて《アラシンの僧侶/Arashin Cleric(FRF)》をブロック不可にして、再び攻撃。《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(M15)》が身を挺して3点のダメージを受け、ライフ9点で留まる。

 ようやくフロックは土地を引き始め、《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker(DTK)》の攻撃に備えて《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》を残せるようになった。続いて《異端の癒し手、リリアナ/Liliana, Heretical Healer(ORI)》を召喚するが、これは《極上の炎技/Exquisite Firecraft(ORI)》に倒れた。フロックはさらなる《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(M15)》を出し(4枚のクリーチャーが墓地に送られた)、そして強力な《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk(ORI)》を得た。一方、フローレスの手札は1枚しかない。2枚目の《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》を出してはみるものの、フロックが《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》から白マナを得て《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk(ORI)》の生け贄に捧げると、もう手遅れなのは明白だった。

 案の定、フロックは他のすべてのクリーチャーを「食べる」とX=3の《先祖の結集/Rally the Ancestors(FRF)》を見せ、10体のクリーチャーを戻した。もう何度かの生け贄を経て、必殺の20点で攻撃したのだった。

イヴァン・フロック 2ー1 マイク・フローレス

「あの《先祖の結集/Rally the Ancestors(FRF)》は今引きかい?」 フローレスが尋ねた。

 フロックは首を振った。「持っていました」


 私はフロックに、第2ゲームの手札についてと、後攻だとキープ基準が狭まるのかどうかを聞いた。「おそらく、2ターン目に何もできない手札をキープすべきではなかったのですが、3・4マナの動きがとても強力だったので、行かなければいけないと感じたのです。ですが、まあ、少ない土地をキープすると大体物事は悪い方に行くものです」

 このマッチアップについての感触も聞いてみた。「1本目は信じられないくらい悪いですが、大事なのは、サイドボード後は有利不利が完全に入れ替わると私は感じているのです。だから、見た目ほどには悪くありません。《アラシンの僧侶/Arashin Cleric(FRF)》が2ターン目の強い動きであるだけでなく、このカードを入れることで他のカードがより強力になるのです」

 私はフローレスを捕まえて、彼の見解を聞いた。

「私は、このマッチアップはほとんどの場合勝てると考えている。君もマッチの一部始終を見ただろう、彼はサイドボードのカードを引いたんだ。そう、いったい何枚の《再利用の賢者/Reclamation Sage(M15)》が入っているというんだ? あれが他のクリーチャーだったら、彼は勝てていなかっただろう」

 私は、このマッチアップで第1ゲームに彼が負けることはほぼあり得ないと思っていたことを伝えた。「現に負けたじゃないか! そう、ご明察、私は引きが悪かったというだけさ。重要なのは、後攻となる3本目で《アラシンの僧侶/Arashin Cleric(FRF)》がこれほどまでに効くとは思っていなかったことだ。ああ、奴はブロックもできて火力も吸収できるが、私のクリーチャーも生き残るからね」

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