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【観戦記事】 準々決勝:Joel Larsson(スウェーデン) vs. Stephen Neal(アメリカ)

【観戦記事】 準々決勝:Joel Larsson(スウェーデン) vs. Stephen Neal(アメリカ)

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Corbin Hosler / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru

2015年8月2日

原文はこちら

ヨエル・ラーション/Joel Larsson (赤アグロ) vs. ステフェン・ニール/Stephen Neal (赤アグロ)

 2人の赤アグロ使い。2人のプロツアーの主役。2人の、その経歴にかかわらず、このマッチを前にお互いの度胸を認め合っているプレイヤーたち。

 準決勝に進めるのはどちらか一方だけだ。

 ステフェン・ニールは今回、さっさとトップ8の席を確保した。彼は自身初となるプロツアー・トップ8に狙いを定めていただけではない。向かいに座ったヨエル・ラーション、2度目のトップ8進出となった相手は、プロツアー『ギルド門侵犯』でも決勝ラウンドに残り、準優勝の結果を残している。もちろん、ラーションは勝たなければ残れないマッチは土曜日の最終戦にも経験しており、慣れている。可能な限り上位を目指すのがラーションの目標なのはもちろんだが、この準々決勝で勝ってプラチナ・レベルを確定させることができれば本当の成果と言えるだろう。

 両プレイヤーとも、このイベントで最も成功したデッキの1つである赤アグロを使っている。攻撃的なクリーチャーの軍団、それに対戦相手を焼き切ってお釣りが来るだけの火力呪文が、3人のプレイヤーをトップ8に送り込み、このイベント最高の勝率をたたき出したのだ。

 彼らのデッキが全く同じというわけではない。ラーションのデッキのほうが疑いようもなく攻撃的で、序盤に圧力をかけるために1マナ・クリーチャーを14枚入れている。ラーションのデッキでは爆発力はあるがリスキーな《火飲みのサテュロス》が入って、《大歓楽の幻霊》がサイドボードに追いやられている。一方、ニールはそれをメインデッキに入れ、《カラデシュの火、チャンドラ》とともに使っている。《雷破の執政》と《前哨地の包囲》をサイドボードに入れて、序盤の速攻さえしのげれば、より高マナ域で戦えるようにしているのだ。

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ニールにとって、初のプロツアー・トップ8は大きな一歩である。このマッチに勝って来期のプロ・プレイヤーズ・クラブのプラチナ・レベルを確保したいラーションにとって、このプロツアー・トップ8はただの足慣らしではない。

ゲーム展開

 超高速になると思われたこの対戦で、ラーションの《火飲みのサテュロス》が口火を切ったが、その《火飲みのサテュロス》が最初にダメージを与えた相手はラーションで、ニールの《乱撃斬》で除去されたときのことだった。

 小型クリーチャーの集団と火力呪文が飛び交い、相打ちになる攻撃や除去呪文が飛び交って、お互いにほぼ完璧なペースでやりとりが続いていた。やがて、ライフの総量が10対9でニールが有利になる。これはラーションが自分の《火飲みのサテュロス》から受けた5点のダメージが大きかった。

 さらにターンが続き、火力呪文でニールのライフは4点にまで減るも、ニールはラーションのクリーチャーを全て除去し、速攻クリーチャーに備えて防御用のクリーチャーを残した状態で攻撃し、ラーションのライフを3点にまで削る。

 ラーションがこのゲームに勝つには、最後の手札で完璧な引きを見せなければならない。何の躊躇もなく、彼はデッキの一番上のカードを叩きつける――公開されたカードは《かき立てる炎》、このゲームを奪取するのに必要なそのカードだった。

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ニールは第1ゲームを奮戦したが、ラーションのトップデッキが輝いてしまった。

 ニールが第1ゲームを落としたのは劇的で悲劇的なことだった。そしてこの第2ゲームでも、彼はマリガンをする羽目になり、ラーションが《稲妻の狂戦士》、続いて《大歓楽の幻霊》を出すという悲劇的な展開が待っていた。それでも、《灼熱の血》で盤面を落ち着かせ、《ケラル砦の修道院長》がその後に続く。《ケラル砦の修道院長》から3枚目の土地を出すことはできなかったものの、少なくともラーションのクリーチャーと相打ちを取ることはできた。

 次のターンに3枚目の土地を引くと、ニールは土地過多になっているラーションに追いついた。《灼熱の血》で《鐘突きのズルゴ》を除去して、ラーションのライフは残り7点。それは、《かき立てる炎》2枚でとどめを刺せる範囲だった。

 最終ゲームで後攻を選び、ラーションはその1枚の有利を最大限に活かしていく。ニールの初動を除去すると、《灼熱の血》と《大歓楽の幻霊》でニールのライフを14点まで削った。

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ラーションのプラチナ・レベルの望みは最後のゲームに賭かっている

 盤面の安定のためにニールは《大歓楽の幻霊》を除去するが、直後に2枚目が登場する。ニールはこのクリーチャーを除去するためにダメージを受けるのではなく、その上を行くことに決め、《雷破の執政》、さらに《前哨地の包囲》を唱えた。《大歓楽の幻霊》が誘発しないこれらで、長期的なカード・アドバンテージを狙っている。

 一方、ラーションは2ターン連続で自分の《大歓楽の幻霊》からダメージを受けながら《稲妻の狂戦士》を疾駆で出していく。《稲妻の狂戦士》は軽く、もしニールがブロックしようものならニールの《雷破の執政》と相打ちにできるだけのマナが余っている。壁を失いたくなかったニールはブロックせず、《稲妻の狂戦士》の攻撃が初めて通ってライフは残り7点になった。

 ラーションのライフは13点、ニールはライフ的には負けているが、カード的には勝っている。そろそろ《大歓楽の幻霊》を除去するタイミングだと見て、ライフを2点失いながら除去する。さらに《稲妻の狂戦士》にも除去呪文を放ち、ニールはあと2ターンで勝てる態勢が整った。

 手札が空で不利な状況に追い込まれているラーションは、再び解決策を求めてライブラリーの一番上を確認する。《ケラル砦の修道院長》で公開されたのは《かき立てる炎》。唱えて、ニールのライフは残り1点。しかし勝利を収めるには再び次のドロー・ステップが重要となった。

 そして、引いたカードは――《乱撃斬》。

 ラーションは安堵のため息をつくと、拳を突き上げ、観客の中にいた彼の友人も叫び声を上げた。短い祝福の言葉と握手を交わして、ラーションは準決勝に進出した。

「やっとプラチナだ」

 そう言ってテーブルを離れ、ラーションは友人たちの輪の中に加わった。

ヨエル・ラーションがステフェン・ニールを2-1で下し、準決勝進出!
Joel Larsson - 「赤アグロ」
プロツアー『マジック・オリジン』 トップ8 / スタンダード
21 《山》

-土地(21)-

4 《稲妻の狂戦士》
4 《僧院の速槍》
3 《火飲みのサテュロス》
3 《鐘突きのズルゴ》
4 《ケラル砦の修道院長》

-クリーチャー(18)-
4 《乱撃斬》
1 《焦熱の衝動》
4 《稲妻の一撃》
4 《灼熱の血》
4 《極上の炎技》
4 《かき立てる炎》

-呪文(21)-
3 《サテュロスの火踊り》
4 《大歓楽の幻霊》
4 《焙り焼き》
2 《弧状の稲妻》
2 《紅蓮の達人チャンドラ》

-サイドボード(15)-
Stephen Neal - 「赤アグロ」
プロツアー『マジック・オリジン』 トップ8 / スタンダード
21 《山》

-土地(21)-

4 《僧院の速槍》
3 《鐘突きのズルゴ》
2 《稲妻の狂戦士》
4 《ケラル砦の修道院長》
4 《大歓楽の幻霊》
2 《カラデシュの火、チャンドラ》
1 《ゴブリンの踵裂き》

-クリーチャー(20)-
4 《乱撃斬》
4 《稲妻の一撃》
3 《灼熱の血》
4 《極上の炎技》
4 《かき立てる炎》

-呪文(19)-
3 《雷破の執政》
1 《マグマのしぶき》
1 《溶鉄の渦》
2 《焙り焼き》
2 《洗い流す砂》
1 《灼熱の血》
2 《力による操縦》
1 《弧状の稲妻》
1 《前哨地の包囲》
1 《山》

-サイドボード(15)-

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