EVENT COVERAGE

プロツアー・パリ11

読み物

Round 3: Brian Kibler(アメリカ) vs. Raphael Levy(フランス)

「えぇ、マジでぇ?」

by Marc Calderaro / translated by Naoaki Umesaki


ブライアン・キブラー「白青コントロール」 vs. ラファエル・レヴィ「白緑アーマー」

 この「プロツアー・パリ」で、いよいよ今年のプロツアーのシーズンが開幕。全選手が同じスタート地点からスタートを切った。

 気が付くと、フィーチャーマッチの舞台に現在2勝0敗のプレイヤーが笑みを浮かべながら着席している。かたや、「プロツアー・オースティン'09」の優勝から活躍を続けているブライアン・キブラー(アメリカ)

 一方はラファエル・レヴィ(フランス)だ。レヴィは近年目立った活躍が無いが、彼には「マジック殿堂」でのプロツアー招待がある。そう、我々の投票が彼をこの舞台に呼び寄せたのだ。

 キブラーが使うデッキは、《石鍛冶の神秘家》からのギミックを搭載した《戦隊の鷹》型・青白コントロール「Caw-Go」。 対するレヴィは、《聖なる秘宝の探索》がキーカードとなっている「白緑アーマービート」となっている。

Game 1

 両者とも初手をキープして、試合開始。

 キブラーが《金属海の沿岸》を置くと、レヴィは《聖なる秘宝の探索》キャストで応え、すぐさま2個の探索カウンターを《メムナイト》達によって乗せるスタート。

 キブラーは、2ターン目に《マナ漏出》を構えず、《石鍛冶の神秘家》で《饗宴と飢餓の剣》をサーチするスタートとなった。


キブラーとレヴィ。スタイルは違うが、2人とも達人である。

 「このターンに決まっちゃう?」と尋ねるキブラーに対して、レヴィは作り笑いで《戦隊の鷹》をキャストしてターンを返す。

 キブラーには《審判の日》があり、《聖なる秘宝の探索》によって《アージェンタムの鎧》が戦場に登場する前に4枚目の土地を置くことが出来れば安心できるゲーム展開だったのだが...。

 レヴィは3ターン目、《極楽鳥》と《獣相のシャーマン》によって《聖なる秘宝の探索》の条件を達成すると、《アージェンタムの鎧》をサーチ。 この装備品の能力によってキブラーの《金属海の沿岸》が吹き飛ばされる。

 これにレスポンスして《石鍛冶の神秘家》の能力で《饗宴と飢餓の剣》を戦場に出し、迎えた自身のターンではこれを装備して攻撃するが、それは意味を成さないもの。

 レヴィが適切なブロック宣言を行うと、キブラーは投了を宣言した。

レヴィ 1-0 キブラー

 サイドボーディング中、キブラーが「良くない2ターンだったな」とつぶやき、「ああ、3ターンだったね。」とレヴィが返す。

キブラー 「初っ端から3回戦は、やりたいことが出来ない対戦になっちゃったなぁ...」

Game 2

 再び両者は初手をキープするが、第2ゲームの立ち上がりも、キブラーが《金属海の沿岸》と《石鍛冶の神秘家》と並べるのに対して、レヴィが《聖なる秘宝の探索》と0マナのアーティファクトクリーチャーを並べるという何処かで見たような光景。

 そして、レヴィの第2ターン。まず、《羽ばたき飛行機械》、そして次にキャストされた《きらめく鷹》によって《羽ばたき飛行機械》が再度キャストされ、「探索」達成。

 《アージェンタムの鎧》を装備したクリーチャーが、キブラーに襲いかかかる。

キブラー 「えぇ、マジでぇ?」

「だな。」と肩をすくめるレヴィ。


ブライアン・キブラー。彼のトレードマークは、その素敵な笑顔。

 6/8 となった《羽ばたき飛行機械》によって《金属海の沿岸》が破壊されるが、絶体絶命の状況に追い込まれたキブラーは素早い立て直しを見せる。

 《氷河の城砦》をセットして、《神への捧げ物》で《アージェンタムの鎧》に対処すると同時に、カードの効果でライフを20へと復活させたのだ。

 レヴィは《石鍛冶の神秘家》を指定しての《ファイレクシアの破棄者》を追加するが、これはすぐに戦闘で《石鍛冶の神秘家》と相殺される。

 その間、《きらめく鷹》がアタックを続け、レヴィの戦場に《獣相のシャーマン》が追加されるが、キブラーのライフは16と十分安全圏。

 そして、キブラーはいよいよ4枚目となる土地をセットすると同時に4枚の土地をタップして、待望となる《審判の日》で盤面をリセット。

 土地カードと、キブラーの《饗宴と飢餓の剣》だけが残った。

 続くターン、レヴィは《極楽鳥》と《石鍛冶の神秘家》をキャストして《肉体と精神の剣》をサーチ。手札はこのカードのみ。

 キブラーは「審判」など無かったかのように《戦隊の鷹》で盤面を賑やかにして行く。手札も、3体の《戦隊の鷹》のほかに《漸増爆弾》《失脚》《剥奪》《神への捧げ物》と充実。

 レヴィは青緑剣をキャストすると、すぐ《極楽鳥》に装備させるが、キブラーによってすぐパワー無しに逆戻り。 一方、レヴィは神話レアを装備したパワー3の鳥に直面する。しかし、その装備品はキブラーのものだ。

 このターンのやり取りの後、ただの 0/1 である《極楽鳥》は有効なカードではなく、レヴィに出来ることは殆ど無かった。

 レヴィは2ターン目に「アージェンタム・コンボ」を達成したが、キブラーはそれを上回ってみせたのである!

キブラー 1-1 レヴィ

 「いやー、良かった。《神への捧げ物》は昨晩追加したんだよね」とキブラー。今までと一転、興奮している様子である。

Game 3

 最後のゲーム、先攻を選択したレヴィだが、今までとは違い初手に《聖なる秘宝の探索》が無い。

 2枚の《審判の日》と《漸増爆弾》を確認して素早くキープを宣言したキブラーを尻目に、考えるレヴィ。どうやら、2ターンキルが可能なような手札では無いことは明らかである。

 ゲームが開始されると、レヴィは《戦隊の鷹》と《きらめく鷹》でビートダウンを仕掛け、続けて《復讐蔦》を戦線に追加するが、これは1ゲーム目・2ゲーム目の展開と比べると迫力に欠ける内容。

 《漸増爆弾》が音をたてて2個のカウンターを溜める中、キブラーは13点のダメージを受けながら序盤の数ターンを凌ぐと、まず1枚目の《審判の日》で盤面を一掃。


ラファエル・レヴィ。彼のトレードマークは、その鋭い眼光。

 しかし、返しのターン、レヴィの攻め手は緩まない。2体の《戦隊の鷹》で《復讐蔦》を戦場に呼び戻し、速攻でのアタックでキブラーのライフを3にまで追い詰める。

 キブラーは、椅子に沈んだ。

 キブラーは、レヴィの手札に十分な数のクリーチャーがいることをこれまでのゲーム展開で確認している。

(※訳注 《きらめく鷹》で戻したアーティファクトクリーチャーと、4枚目の《戦隊の鷹》)

 そしてそれは、手札の《審判の日》で盤面を一掃しても、再び《復讐蔦》を戦場に呼び込び負けてしまうことを意味している。

 キブラーは《定業》を打つ。 見えたのは、《悪斬の天使》と《審判の日》の2枚。初手以降、キブラーが初めて巡り合えた土地以外のカードだった。

キブラー 「君が持つ4枚の手札に、クリーチャーが無いなんて可能性、無いよね?」

レヴィ 「まあ、俺のデッキ、《聖なる秘宝の探索》が4枚入ってるくらいだからね...。」

 キブラーは大きなため息で応える。

 彼の手札には《悪斬の天使》が握られており、2枚目の《審判の日》と共に、キャストされる機会を待ち望んでいた。

 レヴィは手札を公開する。

 その手札は、沢山のクリーチャーで溢れかえっていた。

 勝負あり!!

キブラー 1-2 レヴィ

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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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