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(翻訳記事) Round 11: 2人の年間最優秀選手、勝ち残るは1人Jon Finkel(アメリカ) vs. 渡辺 雄也(神奈川)

(翻訳記事) Round 11: 2人の年間最優秀選手、勝ち残るは1人
Jon Finkel(アメリカ) vs. 渡辺 雄也(神奈川)

By David Sutcliffe / Translated by Yusuke Yoshikawa

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 ジョン・フィンケルがフィーチャーマッチに姿を現す。そのときはいつでも、思い通りにゲームを支配しようとする。

 昨日のモダン構築ラウンドでは、《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension(ZEN)》《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer's Swath(FUT)》ストームデッキを駆ってパット・チャピンを2ターンのうちに撃破していたが、フィンケルはこのプロツアー・フィラデルフィアの最後のドラフトラウンドで、再びフィーチャーマッチに帰ってきたのだ。

 もしジョン・フィンケルの経歴にハイライトを入れるとしたら、世界選手権王者、複数のプロツアーおよびグランプリタイトル、そして年間最優秀選手といっぱいになるだろう。

 今回の対戦相手はどうだろう? 止まらない「ジャパニーズ・ジャガーノート」、渡辺雄也だ。この2週に行われたグランプリ・上海とピッツバーグの連続優勝は記憶にも新しい。そして今、2009年に獲得して以来2度目、初めての「2年度王者」を目指し、見事な復活を果たしている。

 ともに5勝3敗からスタートしたため、双方ともに無敗で2日目を駆け抜けなければトップ8に入ることができない。ここまで彼らは、ドラフトラウンドを完璧な2-0でスタートを切った。

 しかし、このうち一方の記録は途絶えることになる。ひいてはこの大勝負の敗者は、日曜にカメラの前でプレイする機会をほとんど失ってしまうことになるのだ。


Game 1

 渡辺はダイスロールに勝ち、《鎧の軍馬/Armored Warhorse(M12)》から彼の白青デッキの攻勢の口火を切ると、《ロック鳥の卵/Roc Egg(M12)》《ジェイスの文書管理人/Jace's Archivist(M12)》、さらに《雪花石の魔道士/Alabaster Mage(M12)》と続け、フィンケルの《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist(M12)》に対しこの日本人プロは《平和な心/Pacifism(M12)》をキャストしてみせた。

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かつての年間最優秀選手であるジョン・フィンケルは、とてもマジックに長けている。

 この《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist(M12)》が、ジョン・フィンケルが最初の4ターンにキャストできた唯一のものだった。アメリカの伝説的英雄が、3枚の《山/Mountain(M11)》のみで土地が止まり、他の呪文をキャストできないでいる!

 渡辺雄也はフィンケルのマナ不足問題を解決する道筋を与えることにした。つまり《ジェイスの文書管理人/Jace's Archivist(M12)》を起動し、双方が手札を捨てて新たに引き直す。フィンケルにとって使えないカードを捨てて土地を引き当てることにつながるので、《ジェイスの文書管理人/Jace's Archivist(M12)》の起動は渡辺側から見ればいささか奇妙なプレイのように見えたが、代わりに渡辺は十分な代償を得ていた。

 渡辺はアンタップすると、《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper(M12)》《ギデオンの報復者/Gideon's Avenger(M12)》《嵐前線のペガサス/Stormfront Pegasus(M12)》と並べ、彼の手の軍勢で攻撃しフィンケルのライフを10に落とす。

 テーブルは渡辺が盤面に並べるカードの重さでたわんでいるようにすら思えた――その一方で、フィンケルは1匹の《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist(M12)》を持つのみ、それも《平和な心/Pacifism(M12)》がついているのだ!

 しかしフィンケルは勇敢に戦い続ける《雪花石の魔道士/Alabaster Mage(M12)》を《氷の牢獄/Ice Cage(M12)》に封じ、《空回りのドレイク/Skywinder Drake(M12)》を出して渡辺の航空戦力からの守りとする。

 しかしこれはやはり無駄な抵抗だった。渡辺は《空回りのドレイク/Skywinder Drake(M12)》を《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper(M12)》でタップして、攻撃の手をさらに強める。

 ジョン・フィンケルはライフ3に落ち込み、クリーチャーの大群に直面している。これ以上に策はなく、彼はカードを片付け始めた。

渡辺 1-0 フィンケル


Game 2

 ジョン・フィンケルの不運は第2ゲームも続き、最初の手札をマリガンせざるを得なかった。とはいえ、6枚を引いたところで満足はしたようで、フィンケルは《思案/Ponder(M12)》から始め、渡辺の《鎧の軍馬/Armored Warhorse(M12)》を《霊気の達人/AEther Adept(M12)》で戻して早期の攻勢を防いだ。

 渡辺は航空戦力たる《グリフィンの歩哨/Griffin Sentinel(M12)》に切り替えたが、これは《霊気の達人/AEther Adept(M12)》をブロックしたところに《殺戮の叫び/Slaughter Cry(M12)》で、突如5/2先制攻撃となった魔道士によって即座に打ち倒された。

 ならば空路はこれまでだ!とばかりに、渡辺は地上からのアプローチに戻る。2枚の《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper(M12)》、2枚の《鎧の軍馬/Armored Warhorse(M12)》だ。これは、フィンケル自身が《空回りのドレイク/Skywinder Drake(M12)》で飛行戦力側に回ることの合図となった。さらに、《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist(M12)》を加え、渡辺の地上からの攻撃を抑止する。序盤のクリーチャーの激しいやりとりは渡辺の《ジェイスの文書管理人/Jace's Archivist(M12)》でいったん終了し、二人は盤面の評価のため考慮に入った。

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彼の対戦相手、2009年度年間最優秀選手の渡辺雄也は、つまるところ、これまた非常に良いプレイヤーだ。

 考慮の海から戻ってくると、渡辺は《空中浮遊/Levitation(M12)》を唱え、彼の全軍に飛行を与えた! この青いエンチャントが軍馬をペガサスに変え、フィンケルのブロッカーを飛び越えてレッドゾーンに向かわせると、7点のダメージを叩き出した。この攻撃でライフ8に落ち込んだフィンケルは、《精神の制御/Mind Control(M12)》でなんとか勝算を保とうとするが、その先が《ジェイスの文書管理人/Jace's Archivist(M12)》では空から迫り来る渡辺の軍勢には対処できない。《空回りのドレイク/Skywinder Drake(M12)》は《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper(M12)》で封じられたままだ。

 とうとうライフ2となり、フィンケルは崖っぷちですべての策も使い果たしている。すべての戦力を防御に回して、肩をすくめてターンを返してはみるが、渡辺はフィニッシュ・ブローを用意済みだった。

 連勝中のグランプリ・チャンピオンは、フィンケルの《空回りのドレイク/Skywinder Drake(M12)》に《平和な心/Pacifism(M12)》をキャスト。《ギデオンの法の番人/Gideon's Lawkeeper(M12)》を自由にして攻撃に参加させ、トップ8に向けて大きな一歩を踏み出す。

 渡辺の軍勢がレッドゾーンに進撃してきたのを見て、フィンケルは投了した。

渡辺 2-0 フィンケル

 ジョン・フィンケルの今回のプロツアーサンデーは夢と消えたが、渡辺雄也はこの第2ドラフトを無傷で戦い抜いたことで8勝3敗となり、さらなる連続タイトルへ狙いをつけた!

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