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(翻訳記事)Deck Tech: 渡辺雄也の《紅蓮術士の昇天》

(翻訳記事)Deck Tech: 渡辺雄也の《紅蓮術士の昇天》

By Josh Bennett / Translated by Keita Mori

原文はこちら


先々週:グランプリ・上海(M12シールド/ドラフト) 優勝
先週:グランプリ・ピッツバーグ(スタンダード) 優勝
そして今週:プロツアー・フィラデルフィア・・・?

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 三大会連続でプレイオフ(Top 8)進出をはたした上で、グランプリ二大会連続優勝を実現。これはあなたほどの名選手にとっても会心の出来事だったと考えて良いのですか? それとも、「当たり前」あるいは「連勝記録はまだまだ続く」のでしょうか?

 若くして、すでに新人王と年間最優秀プレイヤーの賞も獲得済みの渡辺雄也は、まさしく全世界の注目を浴びながら、絶好調のコンディションでこのプロツアーに臨むことになりました。八十岡翔太、プロツアー殿堂入りが決まった中村修平、そしてこの渡辺雄也という年関最優秀プレイヤー三人組は、現在のプロツアーシーンを代表する「日本のラスボスたち」といえるでしょう。正直なところ、渡辺がプロツアーでのプレイオフ進出経験が一度しかないというのは、逆に「そんなに少なかったっけ」と驚かせてくれるものではないでしょうか。結論的には今週末も渡辺はTop 8入賞には少しばかり勝ち星が足りませんでした(*28位入賞)が、彼がこの大会で選択したモダンの有力デッキをぜひとも紹介したいと思います。それは《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension(ZEN)》です。

 理論上、このデッキはシンプルに機能します。実際にカードをならべずにリストを眺めているだけでもおそらく内容をご理解いただけるでしょう:

1:デッキ名そのものともなっている冠エンチャントをまずはプレイし、カウンターをふたつ載せるところまで育てます。デッキに20枚は入っている低コストもしくは無料のドロー加速を使ってカウンターを載せましょう。《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension(ZEN)》によって呪文コピーモードに入ることが第一です。

2:マナを伸ばしつつキャントリップする《魔力変/Manamorphose(SHM)》などをコピーし、足りないパーツは《有毒の蘇生/Noxious Revival(NPH)》で回収したりしつつ、ドロー加速呪文も連打しましょう。デッキをひた掘り進みながらマナも確保し、お好きなだけ《稲妻/Lightning Bolt(M11)》で対戦相手をコンガリと!

watanabe.jpg渡辺雄也はやはり紅蓮術の世界でも大物です。


 ただし、このデッキを実際にプレイヤーとして動かしてみることになると、実はとんでもなく扱いの難しいタイプのデッキでもあるということに気付かされることになるでしょう。そもそも選択肢が多く、さまざまな「一見良さそうに見える、実は最良ではない選択」を回避しながら、もっとも適切な判断を重ね続けることを要求されるからです。

 渡辺によると、彼はテストプレイの初期の段階でこのデッキの手ごたえをつかんでいたそうです。彼がモダンのデッキに要求していたことの多く――勝利へのスピード、安定した動き、対戦相手の妨害手段への抵抗力といったものを兼ね備えたコンボデッキであったからです。デッキの弱点はないのかって? 渡辺によると、この青赤《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension(ZEN)》では、ダイスロールの勝敗が試合の勝敗に直結してしまいかねないマッチアップがいくつも存在するのだそうです。

 それでは、コンボ天国ともいうべき現在のモダンへのソリューションは? ・・・というわけで、サイドボードからは《強迫/Duress》の力をタッチ黒で拝借しましょう。渡辺のマナベースはフェッチランドと2色ランドを十分に搭載しており、土地18枚(うち、基本土地を豪勢に6枚も!)でのタッチ3色目を現実的なオプションとして成立させています。

 今後モダンを戦う読者諸兄へのアドバイスという意味でも、このデッキの今後について、そして、彼が想定していたプロツアー・フィラデルフィアの環境分析が正しかったのかどうか、聞いてきました。現状をふまえても、渡辺はメインデッキには改良すべき点が見当たらないとコメントしています。
 一方で、彼が後悔しているのは、サイドボードのラインナップです。彼の予想よりもコントロールがかなり少ない環境だったという事実は、彼がせっかく3枚用意しておいたサイドボードの《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》に残念ながら出番がまわってこなかったということを意味します。また、ビートダウン対策として彼が用意した《炎渦竜巻/Firespout(SHM)》はこの会場のアグロデッキ相手では役立たずだったそうで、このカードに関する同様の感想を緑赤12-postをプレイしていたプレイヤーたちも口にしているのが印象的です。渡辺がこのサイドボードをシンプルに改善するなら、よりコンボ対策を強めるべく《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》を、そして親和(Affinity)デッキ対策での《古えの遺恨/Ancient Grudge(TSP)》を追加したいという感想を述べてくれました。

渡辺雄也の《紅蓮術士の昇天》
プロツアー・フィラデルフィア 2011 (モダン)
5 《島》
1 《山》
2 《蒸気孔》
1 《湿った墓》
1 《繁殖池》
4 《霧深い雨林》
4 《沸騰する小湖》

-土地(18)-

3 《猿人の指導霊》

-クリーチャー(3)-
4 《ギタクシア派の調査》
3 《有毒の蘇生》
4 《炎の儀式》
4 《稲妻》
4 《思案》
4 《定業》
4 《血清の幻視》
4 《手練》
4 《魔力変》
4 《紅蓮術士の昇天》

-呪文(39)-
3 《闇の腹心》
4 《強迫》
2 《古えの遺恨》
3 《炎渦竜巻》
1 《クローサの掌握》
2 《精神壊しの罠》

-サイドボード(15)-

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