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(翻訳記事) 特集: コントロールの消滅

(翻訳記事) 特集: コントロールの消滅

By Blake Rasmussen / Translated by YONEMURA "Pao" Kaoru

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 フィラデルフィアのプレイヤーたちは、モダンに様々なデッキの選択肢があることを発見していた。親和からさまざまなズー、12ポスト、《紅蓮術士の昇天》、各種ストーム、《シルヴォクののけ者、メリーラ》中心のデッキ、エルフ、その他諸々のデッキの中で、たった一つ欠けているものがあった。それは、強力なコントロール・デッキである。

 初日4-1以上の成績を残したデッキの中で、コントロールに属するものはたったの3つ。その中に、アントニノ・デ・ロサ/Antonino De Rosaの《死の雲》デッキと、ブラド・シェパード/Brad Shappardのネクストレベル・ブルーがあった。

 パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa曰く、問題は、この環境の極限があまりにも極限だったということだ。

「《雲上の座》デッキのせいでコントロールを組むことは難しいよ。マナが出過ぎるからね。コンボデッキでさえも止められない」

 彼はChannelFireballの仲間たちと様々なコントロール・デッキを組んでみた。《ヴェンディリオン三人衆》、《呪文づまりのスプライト》、《エイヴンの思考検閲者》、各種の剣、《タルモゴイフ》、《神秘の指導》などなど。

 しかし、結局は、この形式で多数を占める三種(ズー、《雲上の座》、コンボ)の2つに勝つこともできなかったと言う。

 ネクストレベル・ブルーは?

 それらのデッキに立ち向かう方法を見つけたと考えているのは、バントカラーのネクストレベル・ブルーでコンボやアグロ、ビッグマナを蹴散らし、4-1の成績を残したブラド・シェパードだ。

 シェパードのデッキテクは公開されているが、彼のリストには目新しいものは入っていないことに注目が必要だ。入っているのは、《タルモゴイフ》《ヴェンディリオン三人衆》《呪文嵌め》《謎めいた命令》《流刑への道》。それに《呪文づまりのスプライト》《定業》《饗宴と飢餓の剣》《ヴィダルケンの枷》《仕組まれた爆薬》を使って、コンボデッキを完封するとともにアグロデッキにも有利になるというのだ。その一方で《雲上の座》デッキは苦手で、サイドボードをしても勝率は半分に満たないと認めた。

 彼の嘆いていたことは、カード・アドバンテージを得られないことだった。ゲーリー・トンプソン/Gerry Thompson が指摘していたのは、この形式ではコントロール・デッキがあまりにも弱すぎるということだ。

 このイベント前にパトリック・チャピン/Patrick Chapinとコントロール・デッキを調整していたトンプソンは、この形式の早さに対応するために軽い対抗手段を沢山使わなければならないが、後になってカード・アドバンテージを取り戻すいい方法が存在しないと言った。

 カードを引く古典的な呪文では足りないと言う。《知識の渇望》に使えるようなアーティファクトも十分ではないし、《けちな贈り物》で分けるにも巧くない、《神秘の指導》では重すぎると言うのだ。

 しかし、そもそもカードを引く手段が確保されても、コントロール使いにはやりにくいというのだ。

「《祖先の幻視》が解禁されても足りないね。それどころか、《精神を刻む者、ジェイス》でも足りないよ」

 トンプソンやチャピンがさらに頭を悩ませていたのは、ゲームの勝ち方だ。トンプソンは《ヴェンディリオン三人衆》と《忍び寄るタール坑》では《微光地》が得るライフを削りきれないと主張する。コンボを決めてゲームを素早く終わらせることが必要になってくるので、コンボデッキを選ぶことになったんだと。

 《精神を刻む者、ジェイス》でさえも力不足で、《ヴェンディリオン三人衆》では《微光地》に太刀打ちできないとなれば、コントロール使いはどうすればいいのか?

 《死の雲》

 答えは、青にはなさそうだ。

 元アメリカ選手権優勝者、アントニノ・デ・ロサは《死の雲》デッキを使い、前もって相手の手札を攻撃し、《野生語りのガラク》とデッキ名にもなっているソーサリーまで長引かせるという戦略をとって、初日モダンを5-0で終わらせた。

「手札に何があろうと関係ないね。《思考囲い》が削ってくれるから」とはダ・ロサの弁。

 《思考囲い》のような手札破壊と《破滅の刃》のような除去を駆って、このデッキは相手を二正面からコントロールする。これによって、クリーチャー中心のデッキもコンボデッキも封じ込めてしまうのだ。

 そのさらなる魅力として、デ・ロサは《破滅の刃》や《滅び》といったコンボには弱かったカードが、クリーチャー主体のコンボデッキが多いモダンでなら活躍できるということを挙げた。《破滅の刃》は、ズーはもちろん、《欠片の双子》、エルフ、感染、《シルヴォクののけ者、メリーラ》デッキにも突き刺さる。

 ゲームを決める手段として、デ・ロサは《死の雲》でマナを遮断することを選んだ。これは《雲上の座》デッキをも完封することができる。

 さらに加えて、《死の雲》は、デ・ロサ曰く「モダン最強のカード・ドロー呪文」である《永遠の証人》を使うこともできるようにする。


《死の雲》の真似

 真のコントロール使いらしく、デ・ロサはこのデッキには圧倒できる相手は存在しないと言った。どのデッキにも勝率は6割ぐらいで、彼が5-0で2日目に進めたのは「少しばかり幸運だった」からだという。

 しかしながら、まだ見つかっていない選択肢は存在する。《疑念の影》はフェッチ土地や《雲上の座》デッキに対するちょっとした嫌がらせになるし、《論理の結び目》には2マナの打ち消し呪文という可能性がある。コンボデッキで2日目に残れなかったチャピン本人も、コントロール・デッキを使っていればよかったと言っていた。

 この環境が固まってきた今になれば、コントロール・デッキを見つける可能性はいくらでも存在する宇。シェパードのネクストレベル・ブルーがメタゲームに適応できるのか、それとも手札破壊系「コントロール」が将来の一大勢力になるのか? あるいは――他の誰かが、まだ見ぬ角度から他の何かを見つけ出すのだろうか?

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