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(翻訳記事) 準々決勝: アーティファクトをどうぞ・・・お好きなだけたっぷりと中島 主税(東京) vs. Max Sjöblom(フィンランド)

(翻訳記事) 準々決勝: アーティファクトをどうぞ・・・お好きなだけたっぷりと
中島 主税(東京) vs. Max Sjöblom(フィンランド)

By David Sutcliffe / Translated by Masashi Oiso

原文はこちら

 日本人プレイヤー、中島 主税は数々のプロツアー参加歴を持つベテランであり、2006年のプロツアー・チャールストン(チーム戦)ではチーム「D-25」の一員としてベスト4に入賞している。また、中島はただ一人、純正アグロデックである「赤単親和」を使用している。ジョシュ・アター=レイトンのZooデックは攻撃力を犠牲にコントロール要素を取り入れることでコンボデッキの脅威へ立ち向かっているが、中島は真正面から2日間の過酷なモダン環境の海を渡ってきたのだ。


マックス・ソーブロムと彼の《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》はこの週末快進撃を続けてきたが、
親和デッキを操る中島 主税も由緒正しきプロプレイヤーだ。

 その中島の対戦相手は、金曜のスタートラインから土曜日のゴールラインまで、先頭をひた走ってきたプレイヤーだ。マックス・ソーブロムの《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》コンボデッキは最初のモダン・ラウンドを5-0で駆け抜け、更に続く2回のドラフトで両方3-0という結果を残した。再びモダンへ戻り、ベスト8への道のりの大詰めで多少の土が付いたものの、それでも余裕を持ってベスト8の座を射止めている。


Game 1

 2回のマリガンを強いられ、ダイスロールにも負けてしまった中島は、ソーブロムの《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》によってちょっと残念な初手を晒すことになった:《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》×3枚だ。これを好機と見たソーブロムは《炎の儀式/Rite of Flame》を経由して1ターン目に《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》をキャストしてみせた。

 「スーパーナイス!」と返す中島。恐らく、すでに1ゲーム目の行く末を悟っているのだろう。

 中島は《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》、引いた《オパールのモックス/Mox Opal》から《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》と何とかプレッシャーをかけようとするが、ソーブロムは《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を《差し戻し/Remand》でかわし、《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》へは《稲妻/Lightning Bolt》と完璧に捌いてみせた。結局中島は序盤のクロックを用意できず、ソーブロムは無難にコンボへの基礎を固めていった。《信号の邪魔者/Signal Pest》が《差し戻し/Remand》され、これにより《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》へ探索カウンターが一つ。続く《深遠の覗き見/Peer Through Depths》が2個目の探索カウンターを約束する《炎の儀式/Rite of Flame》をもたらすが、彼は慌てず騒がずターンを返す。

 中島は《信号の邪魔者/Signal Pest》《信号の邪魔者/Signal Pest》《金属ガエル/Frogmite》と動いてみせるも、これはソーブロムのコンボに対してあまりにも遅すぎる展開だった。

 案の定、ソーブロムは次のターンにコンボを開始した。《炎の儀式/Rite of Flame》がマナを生み出すと共に《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》のクエストを達成すると、全てはソーブロムの思い描く通りに進んだ。

 《深遠の覗き見/Peer Through Depths》×2、《炎の儀式/Rite of Flame》×2、《魔力変/Manamorphose》×2、《留まらぬ発想/Ideas Unbound》×2、《稲妻/Lightning Bolt》×2、《ぶどう弾/Grapeshot》×8、そして《ぶどう弾/Grapeshot》のオリジナルへ《差し戻し/Remand》からの、《ぶどう弾/Grapeshot》×10。


《ぶどう弾/Grapeshot》をてんこ盛り。

 中島は《ぶどう弾/Grapeshot》によって葬られ、ソーブロムは準々決勝で一歩リードを奪った。

中島 0-1 ソーブロム

 中島 主税は2ゲーム目ではもっとマシな手札を期待しているだろう。一方のソーブロムは、中島が全力で投入するであろう《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》が懸念材料だ。


Game 2

 親和プレイヤーが《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》からスタートすると、ソーブロムもサイドボードからのクリーチャー除去の追加《炎の斬りつけ/Flame Slash》で即座に応える。

 2ゲーム目は、お互いのプレイヤーが特徴的なカードを並べて見せた。中島は《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を、そしてソーブロムは再び《炎の儀式/Rite of Flame》経由の《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》を。そしてすぐさま《炎の斬りつけ/Flame Slash》によって《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》が丸焦げになり、さらに《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》へ探索カウンターが置かれる!

 中島は苦笑しつつ《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を墓地に置く。1ゲーム目同様に、親和クリーチャー達は彼の手を離れると即座に撃ち落とされている。《エイトグ/Atog》が後に続くが、これにも即座に《稲妻/Lightning Bolt》に葬られる。ソーブロムは全てに対する回答を用意しているかのようだ。

 2番目の《エイトグ/Atog》はついに場に留まることに成功し、初めてレッドゾーンへと送られる。《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》《頭蓋囲い/Cranial Plating》と追加されると《エイトグ/Atog》の攻撃力は一気に上昇し、5点のダメージによってソーブロムのライフは11まで落ち込んだ。中島は着実に前へと進んでいるが、それは2歩ほどソーブロムの後を行くことになってしまっている。ソーブロムは2枚目の《稲妻/Lightning Bolt》をクリーチャー化した《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》へ撃ち込み、これによって2つ目のカウンターが《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》へ置かれることになった・・・。

 《魔力変/Manamorphose》×2、《苦悩火/Banefire》X=2×2を《エイトグ/Atog》へ。

 このやり取りによって《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》が《エイトグ/Atog》のエサとなって消えた。しかし、ソーブロムの方も追加で《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》をキャストするに留まっており、中島に望外のセカンドチャンスが生まれているようだ。


ソーブロムのデッキは息切れに陥り、中島はこの機を逃さない。

 中島は彼のパーマネント、2枚の《山/Mountain》、《エイトグ/Atog》、《頭蓋囲い/Cranial Plating》をアンタップすると、そこへ《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》と2枚目の《頭蓋囲い/Cranial Plating》! を投入して《エイトグ/Atog》を再度レッドゾーンへ送り込んだ。これでソーブロムのライフは3まで叩き落とされた。

 《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》のクエストが達成済みという状況にも関わらず、ソーブロムのコンボは動くこと叶わず、最後のターンをただ返すことしかできなかった。日本人プレイヤーは星を戻したことに胸を撫で下ろし、ソーブロムは己の不運を呪う他無かった。

中島 1-1 ソーブロム


Game 3

 マリガンという呪いはプレイヤーからプレイヤーへと受け継がれ、今度はソーブロムがその被害者となった。5枚からのスタートとなってしまったソーブロムだが、《沸騰する小湖/Scalding Tarn》から《島/Island》をフェッチし、《定業/Preordain》という動きを見せる。

 ソーブロムがもがいているのだとすれば、中島はそれを介錯しつつあるようだ:《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《メムナイト/Memnite》《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》《オパールのモックス/Mox Opal》《頭蓋囲い/Cranial Plating》《金属ガエル/Frogmite》《金属ガエル/Frogmite》。

 その動きは、何年も前に親和が見せた致命的なブン回りそのものであり、中島は古の親和の力と繋がっているようだ。次のターン、日本人プレイヤーは《エイトグ/Atog》を追加し、《頭蓋囲い/Cranial Plating》を装備しないまま攻撃を行う。《金属ガエル/Frogmite》の片割れは《稲妻/Lightning Bolt》にこんがり焼かれたが、それでもソーブロムのライフは14となった。

 ソーブロムには助けが、しかも至急必要な状況にある。《思案/Ponder》はカードを掘り下げる手助けを、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》は中島の最後の手札が《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》であることを明らかにした。ソーブロムはターンを返し、来る猛攻撃へと身構えるほかない。

 中島はカードを引き、少考すると、すぐに全勢力をレッドゾーンへ送り込んだ。《エイトグ/Atog》が《頭蓋囲い/Cranial Plating》と《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》を食べ、ソーブロムのライフが4となると、中島は最後の仕上げを今引きのカード:《投げ飛ばし/Fling》で決めてみせた。

中島 2-1 ソーブロム

「さっきのはいいドローだったね」

 カードをシャッフルする間に、ソーブロムが冷静に努めて話しかける。

「イエス、ラッキー!」

 と手札を取りながら中島が応える。


Game 4

 ソーブロムは《島/Island》から《定業/Preordain》でターンを譲る。まさか、中島 主税はあれをもう一度やるってのかい?・・・今回は8枚のカード全てを1ターンに!

 《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《メムナイト/Memnite》《メムナイト/Memnite》《信号の邪魔者/Signal Pest》《金属ガエル/Frogmite》《オパールのモックス/Mox Opal》《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》《感電破/Galvanic Blast》!

 日本人プレイヤーはこの全力投入に、準決勝進出の手応えを感じているに違いない。ソーブロムは《稲妻/Lightning Bolt》で《信号の邪魔者/Signal Pest》を除去し、小粒なクリーチャー達の突撃を何とか食い止めんとする。これが今のソーブロムに出来る精一杯だった。一方、中島はライブラリの一番上からさらりと《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を連れてきて、総攻撃によってソーブロムのライフを12へと落とした。

「ナイスドロー」

 致命的な《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を指し、ソーブロムからの一言。

「イエス、ベリーナイス」

 中島も同意する。

 ソーブロムは解決策を求め、必死にライブラリを掘り進む。《定業/Preordain》から、ライフを10としつつ《蒸気孔/Steam Vents》をアンタップで出すと《炎の斬りつけ/Flame Slash》を《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》へ。中島は、このクリーチャーを生き残らせる方法を模索して思考の海へ沈んだが、最終的には「何もしない」という選択肢を選び、《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》は墓地へ置かれることに。


中島がソーブロムへプレッシャーをかける。

 そして中島は3ターン目にカードを引くと、即座に2枚目の、ライブラリから降ってきた《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を戦場へ叩きつけた! これにはお互い笑顔がこぼれ、語らずとも、勝負の天秤が日本人プレイヤーへ傾いていることへの同意が取れているようだ。

 このターンの攻撃によりソーブロムのライフは5となり、もはや風前の灯火。土地をアンタップし、ソーブロムはカードをプレイしなかった。・・・彼は悲しさを漂わせつつカードを片付けたのだ。プロツアーを席巻した彼のパフォーマンスは、中島 主税の驚くべきドローと親和シナジーの前に屈することとなった。

中島 3-1 ソーブロム

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