マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【戦略記事】 初日ドラフト・ラウンド全勝者分析

【戦略記事】 初日ドラフト・ラウンド全勝者分析

chapman.jpg

Chapman Sim / Tr. Tetsuya Yabuki / Edit. Yusuke Yoshikawa

2018年2月2日

原文はこちら

 プロツアー『イクサランの相克』の開幕を飾る3回戦のドラフト・ラウンドでは、58名のプレイヤーが全勝を達成した! 彼らにとって、ベーコンとコーヒーの朝食よりも目が覚める出来事だっただろう。(いや、ベーコンとコーヒーの朝食があったからこそ朝イチのドラフトに集中できたんだ、という意見もあるだろう。)

 それはさておき、この環境への理解を深めたいと願う皆さんのために、全勝者の分析をお届けしよう。まずは58人の全勝者と色の組み合わせを見てみよう!

ポッドプレイヤー名色の組み合わせ
1Andrea Mengucci白黒
2Gary Patrick緑白タッチ赤
3橘 健太郎青赤タッチ白
4Maxime Auger赤白
5Edgar Magalhaes赤緑タッチ白
6Francesco Giorgio白黒
7Adriano Moscato赤白タッチ緑
8Cyril Crouzet黒赤
9Jean-Emmanuel Depraz白黒
10Mancini Matteo緑青
11Timothy Thomason赤黒
12An Youcheng青赤
13Alexander Hayne白黒タッチ緑
14Mattia Zapparoli白黒
15Trent Clark白黒
16Paulo Vitor Damo da Rosa赤白
17Philipp Krieger赤白
18Michael Lagamba白青
19Alexey Shashov緑青
20小堺 透雄青赤タッチ緑
21Paul Rietzl白黒
22Reid Duke緑青
23Zhang Bolun青黒
24Sebastian Pozzo緑青
25Robin Dolar青黒
26Daniel Parsons黒赤
27Karl Sarap青赤
28Tay Jun Hao白黒
29Zechariah Maples赤緑
30Jon Stern赤緑
31Guilherme Merjam緑青
32Elliot Boussaud白黒
33Pascal Vieren緑青
34Jonathan Sukenik青黒赤
35Lucas Esper Berthoud白黒
36Jarvis Yu白青
37Peter Semenov黒赤
38Zacharia Bishop青黒赤
39Elias Watsfeldt赤緑
40Oliver Tiu白黒
41Raphael Levy赤緑
42Lim Zhong Yi黒赤タッチ緑
43Mattia Rizzi緑青
44Lawrence Vess青赤
45Rob Pisano緑青
46Israel Rosales白黒タッチ緑
47Daniel Grafensteiner青黒
48Jan Ksandr緑青
49Collin Rountree白青
50Ben Stark緑青
51Artur Topeha緑青
52Sean Miller緑青
53Mark Jacobson緑青
54岡井 俊樹赤緑
55Craig Wescoe白黒
56Javier Dominguez黒緑タッチ白
57末松 貴彰白黒
58Makis Matsoukas白黒

色の分析

 58個のデッキの大半が2色で構成されており、3色目をタッチするケースは珍しいものだった。したがって、以下の表ではメインの2色を集計している。

 2名が組み上げたグリクシスの海賊デッキと数枚のカードをタッチしたデッキを除けば、ほとんどが2色で組まれたのだ。

全勝者数
23
26
26
22
21

 この表から、「青黒」の組み合わせに限らず青と黒が結果につながっていることが読み取れる。とはいえ白、赤、緑も大きく差をつけられているわけではなく、どの色も優れた成績を残したようだ。

 これだけではまだ情報が足りないだろう。次は色の組み合わせを見ていこう!

色の組み合わせ全勝者数
白黒15
緑青13
赤緑6
黒赤5
青赤5
赤白4
青黒3
白青3
緑白1
黒緑1
青黒赤2
58

 「白黒」デッキの大半は吸血鬼を集めたもので、「緑青」デッキの大半はマーフォークを中心にしたものだ。白と黒には吸血鬼が多くあり、青と緑にはマーフォークが多くあるため、こうなるのはある種必然と言えるだろう。

 恐竜と海賊で「白黒」デッキを組むのも不可能ではないが、今大会では見受けられなかった。プレイヤーたちは可能な限り部族シナジーを活かしたのだ。

 同様に、「緑白」や「赤白」、「赤緑」は恐竜を中心にしたものが大半で、「青黒」、「青赤」、「黒赤」には海賊が集まっているとすれば、各部族の活躍は以下のようになる。

部族全勝者数
吸血鬼15
海賊15
マーフォーク13
恐竜11
その他4
58

 吸血鬼と海賊が最高の活躍を見せた一方で、恐竜は4部族の中では劣る結果になった(それでも大きな差はない)。また、(「白青」や「黒緑」のような)部族に頼らないドラフトにも全勝の可能性があることが示された。

 それでは、モダン・ラウンドへ向かう前にいくつかの全勝デッキをご紹介しよう!

Jonathan Sukenik - 「グリクシス海賊」
プロツアー『イクサランの相克』 1日目ドラフト 3勝0敗 / 『イクサランの相克』『イクサラン』ブースタードラフト (2018年2月2日)
7 《島》
5 《沼》
3 《山》
1 《竜髑髏の山頂》
1 《進化する未開地》

-土地(17)-

1 《霧まといの川守り》
2 《帆凧の海賊》
1 《自暴自棄の漂流者》
1 《薄暮軍団の盲信者》
1 《煌めく障壁》
1 《見習い形成師》
1 《風雲艦隊の剣客》
1 《エリマキ死吐き》
1 《サディストの空渡り》
1 《財力ある船乗り》
1 《風雲艦隊の疾走者》
1 《蠱惑的な船員》
1 《巧射艦隊の喧嘩屋》
1 《凶兆艦隊の侵入者》
1 《貪欲なチュパカブラ》

-クリーチャー(16)-
1 《セイレーンの策略》
1 《船長の鉤》
1 《粉砕する潮流》
1 《欲望の深み》
1 《海賊のカットラス》
1 《依頼殺人》
1 《恐竜変化》

-呪文(7)-

 ポッド34では、ジョナサン・スケニク/Jonathan Sukenikが《船長の鉤》や《海賊のカットラス》、《蠱惑的な船員》、そして《恐竜変化》まで備えた「グリクシス・海賊」デッキで対戦相手をすべて打ち倒した。

 スケニクは宝物・トークンと2色土地を駆使し、マーフォークや吸血鬼(チュパカブラも!)もお構いなしに、ピックした中で最強のカードを詰め込んだのだ。

Marc Jacobson - 「緑青マーフォーク」
プロツアー『イクサランの相克』 1日目ドラフト 3勝0敗 / 『イクサランの相克』『イクサラン』ブースタードラフト (2018年2月2日)
8 《森》
8 《島》
1 《森林地の小川》

-土地(17)-

2 《翡翠をまとう者》
2 《霧まといの川守り》
1 《セイレーンの嵐鎮め》
2 《マーフォークの霧縛り》
1 《深根の戦士》
1 《金林の追跡者》
1 《帆凧の海賊》
1 《見習い形成師》
2 《ジャングル生まれの開拓者》
1 《川の急航者》
1 《俊敏な番人》
1 《ティシャーナの道探し》
1 《嵐を変容する者》
1 《原野を目覚めさせる者》
1 《原初の飢え、ガルタ》

-クリーチャー(19)-
1 《粉砕する潮流》
1 《海賊のカットラス》
1 《弱者狩り》
1 《座礁》

-呪文(4)-

 ポッド53では、(先日のグランプリ・ロンドン2018でもトップ8に入賞した)マーク・ジェイコブソン/Marc Jacobsonが全勝を果たし、この環境への熟練度を見せつけた。「緑青マーフォーク」は『イクサラン』環境でも最強戦略のひとつだったが、『イクサランの相克』が加わってもなおその地位は揺るがなかった。

 《深根の戦士》、《ティシャーナの道探し》、そして《原野を目覚めさせる者》に加えて、ジェイコブソンは《霧まといの川守り》2枚に《翡翠をまとう者》2枚、《ジャングル生まれの開拓者》2枚、そして《マーフォークの霧縛り》2枚を揃え、強力なビートダウン戦略を実現した! さらに、マーフォークではサイズが足りない相手を仕留める《原初の飢え、ガルタ》も備えている!

ptrix-30drafts-jacobson.jpg
強力なマーフォーク戦略をドラフトし、今大会のドラフト・ラウンドで成功を収めたチーム「Massdrop East」のマーク・ジェイコブソン。
Jean-Emmanuel Depraz - 「白黒吸血鬼」
プロツアー『イクサランの相克』 1日目ドラフト 3勝0敗 / 『イクサランの相克』『イクサラン』ブースタードラフト (2018年2月2日)
8 《沼》
7 《平地》
1 《オラーズカの拱門》
1 《進化する未開地》

-土地(17)-

3 《薄暮軍団の盲信者》
1 《恐竜ハンター》
1 《軍団の副官》
1 《軍団の飛び刃》
2 《貪食の吸血鬼》
1 《縄張り持ちの槌頭》
2 《鮮血の賛美者》
1 《薄暮の勇者》

-クリーチャー(12)-
1 《制覇の時》
1 《卑怯な行為》
1 《板歩きの刑》
1 《船長の鉤》
1 《光明の縛め》
1 《女王の任命》
1 《強者鏖殺》
1 《従者の献身》
1 《弱者成敗》
1 《刺突》
1 《吸血鬼の印》

-呪文(11)-

 今回は《軍団の征服者》も《選定された助祭》もピックできなかったジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Deprazだが、《薄暮軍団の盲信者》を3枚手に入れた。

 この一見無害な1/1は、彼の「白黒吸血鬼」デッキの柱となった。序盤に繰り出して《貪食の吸血鬼》や《鮮血の賛美者》の能力の対象を用意できるだけでなく、《薄暮の勇者》の能力をより高めるのにも役立った。また、《船長の鉤》や《オラーズカの拱門》も勝利への道を切り開いた。

「除去呪文もしっかり用意できたので(《刺突》、《光明の縛め》、《強者鏖殺》、《板歩きの刑》、《弱者成敗》、《卑怯な行為》)、ゲームをコントロールしてからじっくり攻めることができました」

Edgar Magalhaes - 「ナヤ恐竜」
プロツアー『イクサランの相克』 1日目ドラフト 3勝0敗 / 『イクサランの相克』『イクサラン』ブースタードラフト (2018年2月2日)
7 《森》
7 《山》
1 《平地》
1 《未知の岸》

-土地(16)-

2 《屈強な古参兵》
1 《猛竜の幼生》
1 《アゾカンの予見者》
1 《エリマキ死吐き》
1 《オラーズカの襞背》
1 《貪欲な短剣歯》
2 《暴走の騎士》
2 《猛竜の群れ》
1 《帝国の先駆け》
1 《鬱蒼たるアルマサウルス》
2 《吠えるイージサウルス》
1 《万猛竜》

-クリーチャー(16)-
1 《反逆》
1 《雷群れの渡り》
1 《砲撃》
1 《新たな地平》
4 《弱者狩り》

-呪文(8)-

 ポッド5では、エドガー・マガリャエス/Edgar Magalhaesが最高の恐竜デッキを見せてくれた。ゲーム序盤から《雷群れの渡り》や《アゾカンの予見者》、《新たな地平》、そして2枚の《暴走の騎士》といったマナ加速呪文を放つ彼に、対戦相手は驚きと厄介さで顔を歪めたことだろう。フランク・カーステン/Frank Karstenいわく「これだけあればほぼ確実」という11枚もの恐竜のおかげで、マガリャエスは安定して2ターン目《雷群れの渡り》を決めることができた。そして続く3ターン目には《暴走の騎士》だ。また、厄介なクリーチャーへの対処には、《砲撃》と4枚もの《弱者狩り》が活躍した。《弱者狩り》は怒れる恐竜たちと最高の相性を発揮したのだ!

 特筆すべきこととして、マガリャエスが「無限《万猛竜》」を決めたことも記しておこう!《万猛竜》と《吠えるイージサウルス》2体と《帝国の先駆け》を戦場に揃えれば、《帝国の先駆け》によるダメージでクリーチャーが死亡することはなくなり、好きなだけ「激昂」を誘発できる。1000/1000のクリーチャーで攻撃することも、1000体の《万猛竜》でブロックすることも可能なのだ!

Colin Rountree - 「白青昇殿」
プロツアー『イクサランの相克』 1日目ドラフト 3勝0敗 / 『イクサランの相克』『イクサラン』ブースタードラフト (2018年2月2日)
9 《平地》
6 《島》
1 《進化する未開地》
1 《未知の岸》

-土地(17)-

1 《短角獣の歩哨》
2 《軍団の飛び刃》
2 《太陽の歩哨》
1 《司教の兵士》
1 《難破船あさり》
1 《永暁の勇者》
1 《歓喜する空渡り》
1 《華麗なグリフィン》
1 《川の急航者》
1 《薄暮の賛美者》
1 《帝国のケラトプス》
1 《太陽冠のプテロドン》

-クリーチャー(14)-
1 《鉤爪の切りつけ》
2 《従者の献身》
2 《水結び》
1 《光明の縛め》
1 《オラーズカの秘宝》
1 《黄金都市の秘密》
1 《座礁》

-呪文(9)-

 最後に、「昇殿」に注目した「白青」デッキをご紹介しよう。ポッド49では、コリン・ラウンツリー/Collin Rountreeが《黄金都市の秘密》を解き明かし、《オラーズカの秘宝》を発見し、《華麗なグリフィン》とともに空を支配し、この卓を制した。

 《光明の縛め》や《水結び》は除去呪文として機能するだけでなくパーマネントの数を増やし、《従者の献身》はダメージ・レースを有利に進める助けとなるだけでなく「昇殿」にも近づけてくれた。ラウンツリーはまた、《軍団の飛び刃》や《永暁の勇者》、《太陽冠のプテロドン》、《歓喜する空渡り》といった防御力の高いクリーチャーを確保し、ゲームを長引かせることに成功した! 彼は「都市の承認」を素早く得るために何をすべきか、完璧に理解していたのだ!

 さて、データは得たし、成功を収めたプレイヤーから学ぶこともあった。これを読んでいる皆さんも、『イクサラン』ブロック・ドラフトを楽しむ準備はいいかい?

前の記事: 【戦略記事】 『イニストラードを覆う影』から『イクサランの相克』までのモダンの進化 | 次の記事: 【英語記事】 Viva España
プロツアー『イクサランの相克』 一覧に戻る