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【トピック】 イクサランの相克、ある次元の戦い

【トピック】 イクサランの相克、ある次元の戦い

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Chapman Sim / Tr. Keiichi Kawazoe / Edit. Yusuke Yoshikawa

2018年2月3日

原文はこちら

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「領有を告げ、敵対者を制圧し、都市を支配しましょう。」

 一言で言って、このプロツアー『イクサランの相克』に集まった464人のプレイヤーにとってもっとも重要な目標であった。何百年もの間、イクサランの手付かずの荒野には秘密が隠されていたのだ。黄金の都オラーズカには、謎に満ちたアーティファクト、不滅の太陽がある。しかし、どんな秘密もいつかは暴かれるのだ! 静かに忍耐強く闇の中に横たわり、自らの力の中でその時を待っている。そして時は経ち、黄金都市の秘密はついに解き明かされたが、それは略奪という代償を必要としていた。

 不滅の太陽を巡っての4部族の争いは、数か月の間この魅力的な次元のストーリーの中心となっていた。単なる争いで衝突するだけに留まらず、アングラス、ヴラスカ、そしてジェイスといったプレインズウォーカーたちまでもがその争いに関わっていった。

 さて、ここビルバオでは、壮大な戦いを中継するために「相克卓」を用意し、領有を狙わんとするプレイヤーとの「相克」となるマッチをフィーチャーしてきた。アルバカーキで行われたプロツアー『イクサラン』を優勝した世界ランキング1位のセス・マンフィールド/Seth Manfieldには、プロツアー優勝のトロフィーに加えて、不滅の太陽の名誉も授与されたのだ。

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世界ランキング1位のセス・マンフィールド/は、前回大会の覇者として相克卓でこのプロツアーをスタートした。

 マンフィールドがまず最初に相克卓の座につき、遺産の保持を狙った。挑戦者を退けることができれば、もう1時間不滅の太陽のエネルギーに浴することができるというわけだ。なんと活力にあふれた貴重な経験だろうか!

 しかし、もし負ければオラーズカから追放され、相克卓の名誉を剥奪されるのだ。運が悪ければ恐竜の餌さえなりかねない。

 残念なことに、マンフィールドは第1回戦でコリン・ラウントリー/Collin Rountreeに負けてしまった。大巨人を屠ったラウントリーは、そのままマンフィールドの「デッドマンズ・チェスト」を奪うかのごとく不滅の太陽を確保し、相克卓の座を手に入れた。初日ドラフト全勝者の記事にあるように、ラウントリーは完璧な白青の昇殿デッキを完成させ、マンフィールドに続きアリ・ラックス/Ari Laxとジョセフ・カンボラキス/Joseph Kambourakisを破ったのだった。

 しかしながら、ラウントリーの連勝と栄光の時は、戦いがモダン・ラウンドに進むとあっという間に終わった。

 もはや都市の承認を持たぬ彼は、ワールド・マジック・カップ2017のイタリア代表の一人であるアドリアノ・モスカート/Adriano Moscatoに敗北した。そしてこの第4回戦で勝利の味を知った彼はそれをそのまま手放さなかった! 第5回戦(岡井俊樹)、第6回戦(エリアス・ワッツフェルト/Elias Watsfeldt)、第7回戦(リム・ツォン=イー/Lim, Zhong Yi)、そして第8回戦(マイケル・ラガンバ/Michael Lagamba)と連勝街道を突き進んだ。初日のモダン・ラウンドを全勝で終えたのは彼だけではなかったものの、この初日の激闘全体を無敗で終えたのはただ1人であった。不滅の太陽は、無限の富や帝国の権力、自然への命令や永遠の命を約束するだけに留まらず、他のどんなアーティファクトよりも力と価値に満ちていると噂されていた。

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アドリアノ・モスカートは初日の後半ずっと相克卓を手中に収めていた。

 2日目が始まり、第9回戦にモスカートは相克卓に戻り、ルーカス・エスペル・ベルサウド/Lucas Esper Berthoudとの対戦に臨んだ。プロツアー『霊気紛争』の覇者はモスカートに王者の貫禄を見せつけ相克卓の地位を奪い、そして順位表のトップに躍り出た。

 しかし、そこから続く2ラウンドの間にこの地位は入れ替わり続けた。ベルサウドは第10回戦にハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezに敗北し、そのドミンゲスも第11回戦にジョン・スターン/Jon Sternに敗れた。そして、パスカル・フィーレン/Pascal Vierenが第12回戦にその首を奪ったのだ。

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最後に相克卓に就いたパスカル・フィーレンは、そのまま手放すことはなかった。

 そしてそのままフィーレンが逃げ切ったのだ。

 彼は第13回戦でラデク・カチュマルチク/Radek Kaczmarczykを、第14回戦では(同じくドラフトで6戦全勝した)ジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Deprazを破った。第15回戦・第16回戦はそれぞれ行弘賢とハビエル・ドミンゲス(またもや!)と同意の上での引き分けを選択し、12-0-4の成績でトップ8の座を確定したのだ。そう、12勝4分け、そして無敗だ!

 戦いが起きなかった場合はどう定められているのだろうか? 敗北しない限りは退位は起きないと定められている。おめでとうパスカル・フィーレン、相克卓を制した唯一の覇者!

 もし道程が簡単であったなら、間違った方向に行ってしまう可能性もあるだろう。しかし一方で、逆境を生き残ったのであれば、きっと前よりも成長できているに違いない。明日、フィーレンは人生最大の戦いに直面するだろう。しかし、オラーズカの意思と都市の承認があれば、彼は最終的に高みへと昇ることができるかもしれない。

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