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第1回戦:不吉の前兆津村 健志(日本) vs. Christian Valenti(アメリカ)

第1回戦:不吉の前兆津村 健志(日本) vs. Christian Valenti(アメリカ)

Tim Willoughby / Tr. Tetsuya Yabuki

2012年10月19日

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津村健志(赤青緑) vs. クリスチャン・ヴァレンティ/Christian Valenti(ヴァラクート)

「おめでとうございます! 子供の頃、あなたがトップ8の試合で戦うのをいつも観ていました」この日最初の試合の対戦相手が到着するなり、クリスチャン・ヴァレンティは微笑みかけた。

『リトル・マスター』こと津村健志は、2010年のプロツアー・アムステルダム以来となるプロツアーの、第1回戦の席についた。彼は同国の大礒正嗣や、パトリック・チャピン/Patrick Chapin、パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaと共に、午前中はプロツアー殿堂の表彰を受けていた。


この週末をプロツアー殿堂顕彰者のひとりとして出発した津村健志は、第1回戦の結果も1-0で出発したいところだ。アメリカのプロプレイヤー、クリスチャン・ヴァレンティはそんな彼を止めようとしている。

 普通は結婚式にお披露目するような仕立ての良いスーツで華やかに着飾り、津村は本領発揮といった様子で真剣な表情を浮かべてシャッフルをしていた。対戦相手のクリスチャン・ヴァレンティがマリガンを選択すると、しっかりと頷いた。このアメリカのプロプレイヤーは、さらに前へと進む資格を維持するために今回のプロツアーで結果を残す必要があった。プロツアー「ラヴニカへの回帰」に招待されたことが、彼のプロプレイヤー・クラブでの地位を証明する最後の特典だからだ。ヴァレンティは、彼自身がプロツアーの場にたどり着く以前から見てきたプレイヤーのひとりと戦えることに、心を躍らせているようだった。彼が安心して今日という日を始められる相手であることは間違いないだろう。

 津村の方は、すでに無事しまい込んだゴールド・リングのおかげで、再び資格を得ることについて心配することはなくなった。殿堂顕彰者という彼の地位が意味するのは、プロツアーの扉がいつでも彼のために開いている、ということだ。彼が次のマジック・ドリーム、つまりウィザーズ・オブ・ザ・コースト社で職を得て、彼の愛するゲームに力添えをする仕事を手にしない限りは。

ゲーム1

 ゲームの最序盤。ヴァレンティは彼のゲーム・プランを明かした。1ターン目の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が、彼の勝利への決意を見せた。「疑う余地なんて一切ありません。僕について何か知っている人なら、僕がこの大会をどうやって戦って行くか知っていますから」

 この時点で、彼の全体のゲーム・プランはある程度津村に知られることとなった。この強力な土地がヴァレンティの勝利への道なのだ。豊富な《山/Mountain(RTR)》がその道を支え、素早く大量の土地を展開する様々な方法で後押しし、日本人プレイヤーのライフを20から0へと焼き尽くすだろう。

 2ターン目、ヴァレンティから繰り出された《虹色の前兆》は《呪文貫き》に応じられた。津村は対戦相手に楽をさせるつもりはなかった。続けて《タルモゴイフ》を従えたが、これはヴァレンティに2枚目の《虹色の前兆》を通して彼の土地にすべての基本土地タイプを持たせる突破口となった。これで、ヴァレンティの《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が実りあるものになるはずだ。


《虹色の前兆》、ゴー。

 津村には考えがあった。彼は《血染めの月》を置いた。それはヴァレンティの動きのほとんどを機能停止させ、マナ・ベースを大幅に削るものだ。《虹色の前兆》と《血染めの月》が出ている場合、後にプレイされたエンチャントが「勝ち」つまり重複する部分を上書きし、こうしてヴァレンティはただ赤マナを出すために土地をタップすることになった。致命的なことに、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》はもはや誘発できなかった。2枚目の《タルモゴイフ》がすぐさまヴァレンティの苦しみを倍にした。まっすぐなビートダウンと、ヴァレンティがゲームに勝つために行なった最大の動きに対する的確な妨害によって、津村が猛烈な早さで今大会最初のゲームを勝ち取った。

津村健志 1-0 クリスチャン・ヴァレンティ

ゲーム2

 ゲーム1の結果に引き止められることなく、ヴァレンティの2ゲーム目の初手は不気味なほどに1ゲーム目と似通っていたが、マリガンの危険はなかった。1ターン目《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》に続いて2ターン目《虹色の前兆》。《探検》は、津村の《呪文嵌め》に止められた。後手でゲームを始めた彼は、マナ差を大きく広げられないように、とりわけ《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》は誘発するのに6枚以上の土地が必要であることを意識し目を光らせていたのだ。

 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》によるゲーム・プランはマジック全体では特別新しいものではないが、モダン環境では新しいもののひとつだ。この強力な土地が解禁された今回のイベントならではのものであり、環境を支配する戦略であるかどうか、見守られているのだ。ヴァレンティは《明日への探索》をプレイして土地の数を伸ばし、ターンの終わりに津村が《ヴェンディリオン三人衆》をプレイすると、土地と《耳障りな反応》、そして《明日への探索》をもう1枚見せた。

 津村の盤面にはダメージ源があり、さらに《血染めの月》でとどめを刺しにいった。先のゲーム同様、《血染めの月》は脅威となる《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を停止させ、津村が攻撃に転じる機会を与えた。

 2ゲーム目の津村の攻撃は方針を変えたものだった。《ヴェンディリオン三人衆》に加えて、十分なサイズを持つ飛行アタッカーだけでなく莫大なカード源となる《聖別されたスフィンクス》を採用したのだ。

 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が機能しない状態で恐るべき飛行部隊を止めるすべはなく、敗北を喫したヴァレンティは、この大会を1敗でスタートすることとなった。


《血染めの月》はヴァレンティに必要以上の《山》を与え、津村は容赦のない攻撃をもって最初のラウンドを駆け抜けた。

津村健志 2-0 クリスチャン・ヴァレンティ

津村 健志の赤青緑
プロツアー「ラヴニカへの回帰」 / モダン
9 《島》
4 《霧深い雨林》
4 《沸騰する小湖》
2 《蒸気孔》
1 《繁殖池》
1 《森》
1 《山》
1 《踏み鳴らされる地》

-土地(23)-

4 《瞬唱の魔道士》
4 《タルモゴイフ》
2 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《聖別されたスフィンクス》

-クリーチャー(11)-
4 《稲妻》
4 《血清の幻視》
4 《呪文嵌め》
1 《撤廃》
4 《マナ漏出》
2 《謎めいた命令》
4 《血染めの月》
3 《ヴィダルケンの枷》

-呪文(26)-
1 《疑念の影》
4 《紅蓮地獄》
3 《大祖始の遺産》
2 《古えの遺恨》
2 《焼却》
1 《ジェイス・ベレレン》
1 《否認》
1 《ザルファーの魔道士、テフェリー》

-サイドボード(15)-
Christian Valentiのヴァラクート
プロツアー「ラヴニカへの回帰」 / モダン
9 《山》
5 《森》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》
3 《霧深い雨林》
3 《新緑の地下墓地》

-土地(28)-

4 《桜族の長老》
4 《原始のタイタン》

-クリーチャー(8)-
2 《信仰無き物あさり》
4 《探検》
4 《虹色の前兆》
3 《カルニの心臓の探検》
3 《紅蓮地獄》
4 《風景の変容》
4 《明日への探索》

-呪文(24)-
2 《耳障りな反応》
2 《自然の要求》
2 《余韻》
1 《すべてを護るもの、母聖樹》
2 《古えの遺恨》
1 《大祖始の遺産》
4 《強情なベイロス》
1 《塩まき》

-サイドボード(15)-

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