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第14回戦:日の出の盛り合わせStanislav Cifka(チェコ) vs. Bruce Pai(台湾)

第14回戦:日の出の盛り合わせStanislav Cifka(チェコ) vs. Bruce Pai(台湾)

Nate Price / Tr. Tetsuya Yabuki

2012年10月20日

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スタニスラフ・ツィフカ/Stanislav Cifka(セカンド・ブレックファースト) vs. ブルース・パイ/Bruce Pai(ジャンド)

「絶対おかしいよ。去年からずっと、すべてのイベントでスロバキアかチェコのプレイヤーが2、3人トップ8にいるんだ」

――マーティン・ジュザ/Martin Juza

 ジュザの言によると、スタニスラフ・ツィフカは「この大会を燃えるように駆け上がっている」。彼のドラフトは「常軌を逸している」という非難をものともせず、ツィフカは今大会のドラフト・ラウンドを通して1ゲームも落とさず6戦全勝を成し遂げた。モダンの方はどうかといえば、このスロバキアのチェスのグランドマスターは、彼にぴったりなデッキ――《第二の日の出》、エッグス、セカンド・ブレックファーストと呼ばれるものを選択した。どの名前でも、好きなように呼んでくれていい。ツィフカはここシアトルで難解な試合につぐ試合を経て、圧倒的なスイス・ラウンド無敗記録を打ち立てる道を進んできた。

 このラウンドでの対戦相手は、台湾のブルース・パイだ。パイは今回のプロツアー「ラヴニカへの回帰」をほとんど失敗なく駆けてきた。ここまで負けはわずか1敗で、引き分けがひとつ。今こそ、彼のジャンド・デッキを今大会唯一いまだ無敗の対戦相手に差し向け、その座から叩き落とすことが彼の責務なのだ。


スタニスラフは凶暴無敗の《第二の日の出》デッキ「セカンド・ブレックファースト」による勝利を続けたいところだ。ブルース・パイは対戦相手の連続勝利にひびを入れようとしている。

ゲーム1

 最初のゲームは両プレイヤーともマリガンで始まった。後手のツィフカは初手《睡蓮の花》待機から《彩色の星》と、最高のスタートだった。パイは2ターン目の《闇の腹心》から始め、それが生き残った最初のアップキープで《稲妻》を見せた。2点の攻撃でツィフカのライフを18にすると、戦闘後、パイは2枚目の《闇の腹心》で両プレイヤーのクロックを縮めた。

 ツィフカの《睡蓮の花》のカウンターが残り1つを示した。彼は《霧深い雨林》を置いて生け贄に捧げ、《島》を持ってくると《他所のフラスコ》をプレイした。次のターン、《睡蓮の花》の待機が明ければ、ツィフカはコンボ開始の最初のチャンスを得るだろう。パイは《闇の腹心》たちから2枚の土地をめくり、それから4点で攻撃してツィフカのライフを10まで落とした。戦闘後、《タルモゴイフ》をプレイしてターンを渡した。スロバキア人のビッグ・ターンを心配そうに待ち受けた。

《睡蓮の花》がテーブルを叩く。ツィフカがコンボを開始した。最初に、彼は《幽霊街》で自分の《島》を割り、2枚の土地を墓地に置いた。墓地からそれらを戻してマナを増やすためだ。続けて《彩色の宝球》を生け贄に捧げてマナを生み、《作り直し》で《他所のフラスコ》を生け贄に捧げ、《睡蓮の花》にし、さらにそれを生け贄にしてマナを生んだ。それからツィフカは2枚目の《幽霊街》を使って、《島》をもう1枚入れ替えた。それが終わり、墓地が最初の爆発に十分な量になると、ツィフカは《第二の日の出》を唱え、4枚の土地と全てのアーティファクトを戦場に戻した。ふたたび《幽霊街》で自分の土地を置き換えていき、《平地》と《島》を持ってきた。ツィフカは2枚目の《作り直し》で《他所のフラスコ》を《睡蓮の花》に変えた。すると彼は全てのアーティファクトを生け贄に捧げてマナを生み、ついに2枚目の《第二の日の出》を唱える前には白マナ6つと青マナひとつに達していた。


そして、始まる。

 またしても、ツィフカは生け贄に捧げたパーマネントでテーブルを溢れさせた。これがこのデッキの主なエンジンだ。これを繰り返すたびに彼のマナは増え、デッキは薄くなる。最終的に、ツィフカは《妖術師のガラクタ》と《黄鉄の呪文爆弾》を引き込み、ライブラリーのカードがすべてガラクタか、呪文爆弾か、《第二の日の出》となるまでデッキを引き切るだろう。そうなれば、あとはただ呪文爆弾でパイに2点飛ばし、これ以上唱えられなくなるまで《第二の日の出》で呪文爆弾を戻し、《妖術師のガラクタ》で《第二の日の出》をリサイクルするだけだ。洗って、流して、繰り返し。

 案の定、デッキの残りを5分ほど回して、ツィフカはコンボを結実させた。ようやく《妖術師のガラクタ》と《黄鉄の呪文爆弾》を戦場に揃えるころには、彼のデッキには5枚しか残っていなかった。あとはただ「彩色」アーティファクトで残りをドローし、コンボの循環を始められるようにするだけだ。パイが最初のゲームを投了するには、1回の繰り返しだけでよかった。

スタニスラフ・ツィフカ 1-0 ブルース・パイ

 モダン環境では、全てのデッキがサイド前、サイド後のどちらかで墓地再利用に対する手段を持っている。パイのジャンド・デッキも例外ではない。おそらく墓地を取り除く手段として《ジャンドの魔除け》を採用していて、魔除けを1枚以上と、そしてたぶん《大祖始の遺産》を1枚か2枚、サイドボードに忍ばせているだろう。だがしかし、ツィフカがそれでぴったりと止まることもなさそうだ。第12回戦で、ツィフカは他ならぬマジック・プレイヤー選手権優勝者の渡辺雄也が唱えた《ジャンドの魔除け》に、2枚目の《第二の日の出》で《ジャンドの魔除け》が解決される前に墓地のカードを戻して応じたのだ。今日、《第二の日の出》を使うスロバキアとチェコのプレイヤーたちはみな、ジャンド・デッキが魔除けを採用していることを知っている。彼らは準備をし、考えを巡らせているのだ。

ゲーム2

 パイは先手を選び、今度は最初の7枚をキープする。ツィフカはゲームが始まる前に自身を守る《神聖の力線》を持っていて、パイのデッキのプレイヤーを対象にする効果から身の安全を確保した。そして再び、ツィフカは《手練》で《睡蓮の花》を引き当てるとすぐに待機させ、最初の1ターン目をビッグ・ターンとしてゲームを始めた。パイのスタートは先ほどのゲームよりもう少しアグレッシブなもので、今回は《闇の腹心》ではなく《タルモゴイフ》でビート・ダウンを始めた。《台所の嫌がらせ屋》が加えた2点のライフはあまり意味を成さなかったが、盤面にパワー3のアタッカーが加わるのは重要だ。ツィフカは《血清の幻視》でデッキを掘り進め、《彩色の星》と《妖術師のガラクタ》を加えるかよく吟味したのち《水蓮の花》へ《作り直し》、ターンを返した。


ツィフカのコンボは週末を通して対戦相手を撃ち破り続けた。

 パイは見事に《血編み髪のエルフ》を引き込んだが、続唱でめくれた《荒廃稲妻》は《神聖の力線》によって無駄になった。彼はそれを唱えることなく、ライブラリーの底に送った。それでもパワー3の速攻クリーチャーがツィフカを殴り、ライフを9まで落とした。不運なのは、ツィフカの《睡蓮の花》の待機が次のターンに明けることだ。特に、パイがタップ・アウトするならば、ツィフカがコンボの手順を始めるのは不思議なことではない。彼はアーティファクトを生け贄に捧げるところから始め、カードを引きマナを少し余らせてから《第二の日の出》を唱えた。《彩色の宝球》2枚と《睡蓮の花》2枚、《妖術師のガラクタ》1枚と《彩色の星》2枚が戦場に戻った。《作り直し》で3枚目の《睡蓮の花》を持ってくると、このコンボは先ほどのゲームと同じ形になった。アーティファクトが出ては落ち、《第二の日の出》と《信仰の見返り》がたびたび唱えられた。パイは自分のカードを手に取り、敗北を認めるのにかなりの時間を費やした。彼の表情を見れば、《第二の日の出》デッキを回す相手に向かうプレイヤーがどれだけうんざりしたように顔を歪めるのかがわかるだろう。

 日の出デッキはじわじわと首を絞められるようなものだ。ストーム・デッキに比べて時間はかかるが、逃れられないものだ。一度日の出デッキを使うプレイヤーが動き出したら、その時点で90パーセントは敗北しているのだ。

 パイにとって幸運なことに、今日はツィフカが情け深く、《ぶどう弾》を用いるより15分は早くパイを倒したのだった。パイは解放されてもなお気力を失った様子で、強烈な敗北後にフィーチャー・マッチ・エリアを去る準備をした。

スタニスラフ・ツィフカ 2-0 ブルース・パイ

Stanislav Cifkaのセカンド・ブレックファースト
プロツアー「ラヴニカへの回帰」 / モダン
7 《島》
1 《平地》
1 《神聖なる泉》
4 《幽霊街》
2 《霧深い雨林》
2 《沸騰する小湖》

-土地(17)-


-クリーチャー(0)-
4 《睡蓮の花》
4 《彩色の宝球》
4 《彩色の星》
4 《妖術師のガラクタ》
1 《黄鉄の呪文爆弾》
4 《他所のフラスコ》
1 《ギタクシア派の調査》
4 《血清の幻視》
3 《手練》
2 《沈黙》
4 《第二の日の出》
4 《信仰の見返り》
4 《作り直し》

-呪文(43)-
2 《真髄の針》
1 《墓掘りの檻》
1 《虚無の呪文爆弾》
2 《沈黙》
4 《残響する真実》
1 《ぶどう弾》
4 《神聖の力線》

-サイドボード(15)-
Bruce Paiのジャンド
プロツアー「ラヴニカへの回帰」 / モダン
2 《沼》
1 《森》
2 《草むした墓》
2 《黄昏のぬかるみ》
2 《血の墓所》
4 《黒割れの崖》
1 《踏み鳴らされる地》
2 《怒り狂う山峡》
2 《樹上の村》
4 《新緑の地下墓地》
2 《湿地の干潟》

-土地(24)-

4 《死儀礼のシャーマン》
4 《闇の腹心》
4 《タルモゴイフ》
3 《台所の嫌がらせ屋》
4 《血編み髪のエルフ》

-クリーチャー(19)-
4 《稲妻》
3 《コジレックの審問》
1 《思考囲い》
2 《突然の衰微》
2 《終止》
2 《荒廃稲妻》
3 《ヴェールのリリアナ》

-呪文(17)-
3 《大爆発の魔道士》
2 《強情なベイロス》
2 《思考囲い》
1 《墓掘りの檻》
1 《古えの遺恨》
1 《幻触落とし》
2 《ジャンドの魔除け》
1 《粉砕の嵐》
1 《塩まき》
1 《殴打頭蓋》

-サイドボード(15)-

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